チーズを使う
正月も終わりいつもの日常に戻った理津子達。
そんな中お餅が余っているようで、使い方を考えていた。
そういえばとこの前安く手に入れたチーズの事を思い出す。
せっかくなのでそれを使う事にした。
「これでいいかな」
「りっちん、何してるの」
「お餅が余ってたからお餅グラタンでも作ろうかなって」
安く手に入ったチーズと余ったお餅でグラタンを作ろうとの事。
こういうのは理津子らしい料理とも言える。
「あとは焼くだけだね」
「しかしお餅でグラタンとは、りっちんらしいね」
「こういうのは慣れてるからね」
「んじゃあたしは待ってるね」
「うん、もう少ししたら持っていくね」
それから少ししてグラタンが焼き上がった様子。
それを持っていって昼食にする事に。
ロザリオの反応はというと。
「はい、お餅グラタン出来たよ」
「お、今回は珍しくドカ盛りじゃないんだな」
「流石にグラタンをドカ盛りには出来ないしね」
「それより食べようぜぇ」
「セルベーラはもう少ししたら起きてくるかな、先に食べてようか」
とりあえず先にいただく事に。
熱々のグラタンはこの季節には嬉しいもの。
その反応はどうか。
「ん、やっぱり美味しいね」
「お餅とチーズって合うんだね、なんか意外かも」
「でしょ、チーズがこの前安く手に入ったから」
「こういうのもいいものだな」
「んー、やっぱりグラタンは美味しいね」
そんな話をしているうちにアノットはあっという間に完食してしまう。
食後の昼寝はアノットの日課らしい。
昼寝と称したサボりなのか、先に部屋に戻ってしまう。
「アノットって有能なのにあの性格だもんね」
「あいつ凄腕なのに性格が残念すぎるだろ」
「それは言わない約束かな」
「んー、あ、もうご飯なんだ」
「うん、食べていいよ」
セルベーラが起きてくる。
機界人は基本的には電気をエネルギーとするが、食物でもエネルギー摂取が可能。
とはいえセルベーラは燃費は悪いと本人が言う。
「どう?美味しい?」
「うん、美味しい」
「よかった、しっかり食べてね」
「それにしてもセルベーラって燃費は悪いんだっけ」
「機界人が電気を主なエネルギーにするっていうのもなんとなく定番感があるよね」
未来的な世界なのは聞いているが、変なところがオールドな感じもする。
ただこの世界ではスマホが旧機種でガラケーが新機種なのもあるので今さらではある。
未来的な世界がある中でのどこか不思議なオールド感が面白いとは理津子は言う。
「機界って未来的な世界なんだよね?」
「この世界からしたらそうだと思うよ」
「なのにどこかオールド感があるのはなんでなのかな」
「古き良きってやつじゃないのか」
「温故知新かな?でも意外とそっちの方が新しくしなくて済むのかもね」
とはいえサインは新しいエネルギーを開発していたりする。
そういう事もあるので一応新しい事への挑戦はしっかりとしているのだろう。
だからこそ古きを尊重し新しいものに挑戦しているのだと理津子は思っていた。
「そういえばこっちの世界でも新しい研究とかされてるんだっけ」
「国がきちんと予算を出してるからな、機界とか他の世界との共同開発だよ」
「あー、そういえば航空機とかは空界との共同研究だったっけ」
「今の時代はいいよね、どの世界も協力してて」
「話からすると昔は偏見も強かったんだもんね」
以前お爺さんから聞いた昔の話を思い出す。
やはり最初の頃はそういった偏見はあるものなのだと。
だからこそ新しいものを積極的に吸収して世界は発展していくのだとも。
「この世界が発展してるのもそういう世界同士の協力があるからこそなんだよね」
「昔は偏見もあったけど、国はそれをきちんと吸収したって事だよな」
「でも国民からしたら不安だとは思うよね」
「知らないものが入ってくるって事だもんね」
「理解までは時間もかかる、か」
そんな今も国の尽力があるからこそ。
こっちの世界の国はいい君主に恵まれていると理津子は思う。
国のトップの大切さも改めて思っていた。
「ごちそうさま」
「うん、それじゃ片付けてくるね」
「あいつもなんだかんだでこっちに馴染んでるんだな」
理津子もこっちの世界の事はしっかりと勉強している。
ただ家政婦として召喚されたのに、らしさはまったくない。
スキンシップもしてくるし、どこか感覚もずれている。
家庭の影響は確実に出ているようではある。




