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香ばしい焼き菓子

冬も近づきつつあり、港町にも冷たい風が吹き始めた。

とはいえ冬本番はまだもう少し先ではある。

これから本格的に寒くなっていくからこそだ。

寒くなると港町は風の影響で体感以上に寒いのだから。


「すっかり寒くなったわねぇ」


「もう冬もそこまで来てるからな、必要なら暖房は入れていいんだが」


「まあ暖房が必要になるのはもう少し先かな」


そんな冷えてきた季節なので飲み物も温かいものが増えてきた。


この季節は温かいコーヒーや紅茶が美味しいのだ。


「なんか香ばしい香りがするわね、なんかの焼き菓子かしら」


「うん、アマレッティだよ、あと温かいカフェオレね」


「アマレッティ、焼き菓子だよな?」


「うん、アーモンドと卵白で作った焼き菓子ね」


「美味しそうだね、とりあえず食べようよ」


理津子が作ってきたのはアマレッティ、イタリアの焼き菓子だ。

レシピを調べてとりあえず作ってみたらしい。


元々クッキーなどを作るのは好きだったので、結構すんなり作れた様子。


「うん、こいつは美味しいわね、香ばしくてサクサクしてて食べやすいわ」


「美味しいよね、アマレッティって分かりやすく言うとアーモンドクッキーだし」


「そういえばクッキーとビスケットって何が違うんだ?僕には同じに見えるが」


「基本的には同じものだよ、日本の基準では糖分と脂肪分の合計が40%以上でクッキーみたい」


「つまり日本の基準はそんな感じだけど他の国に行くとまた違うのかな」


イギリスでは焼き菓子の総称をビスケットと呼ぶ。

アメリカでは焼き菓子はクッキーであり、ビスケットは柔らかいパンの事を言う。


日本では糖分と脂肪分の合計が40%以上かつ不揃いなものをクッキーと呼ぶらしい。


「その辺は国によって呼び方の基準が違うって事なのね」


「うん、アメリカとイギリスと日本だと全部基準が違うしね」


「国によって呼び方の基準が違う、そういう事なのか」


「うん、アメリカではこれはクッキーでビスケットは柔らかいパンの事を言うんだよね」


「でも焼き菓子は国によって基準が変わるのは面白いね」


分かりやすく言うなら某カーネルのチキン屋のビスケットはアメリカのパンの事である。

ホットビスケットというのは、ビスケットという名前だが実際はアメリカのパンなのだ。


そしてイギリスではクッキーとビスケットの呼び分けはなく、焼き菓子は全てビスケットだ。


「そういう呼び方の基準って国によって変わるもんなのね」


「アメリカだとビスケットはパンなんだよね、ホットビスケットっていうのはパンだし」


「このアマレッティはクッキーなのかビスケットなのかどっちなんだ」


「イタリアの焼き菓子だから、なんとも言いにくいけど、日本基準だとクッキーだよね」


「そういう基準は国によって定めてる組織とかがあるのかな」


日本の場合はビスケット協会があり、そこがクッキーとビスケットの基準を定めている。

アメリカやイギリスではその辺は結構昔から基準があるのかもしれない。


なんにせよクッキーとビスケットの違いはそうした国によるものが大きいのか。


「でもクッキーとビスケットって呼び分けは意外と適当ってわけでもないんね」


「日本だと糖分と脂肪分の合計が40%以上になって手作り風のものがクッキーだからね」


「ただクッキーもビスケットも焼き加減とかも基準に含まれてるのかと思ってたよ」


「基準には含まれないけど、クッキーのほうがどちらかというと固いイメージはあるかも」


「それはあくまでも体感ではっていう事だよね」


理津子もその辺はあくまでも体感的なものではある。

とはいえクッキーの方がどちらかというと固いイメージはあるようだ。


あくまでも体感の話なので参考にはならないが。


「しかしクッキーでもビスケットでも変わらんとはねぇ」


「基本的にはどっちも同じ焼き菓子ではあるしね、国による違いってだけだよ」


「でもクッキーもいいな、温かいカフェオレとよく合ってて美味しいし」


「アマレッティだからね、まあイタリアだとカフェオレよりカフェラテなんだけどね」


「カフェオレとカフェラテの違いもまたよく分からないんだけど」


カフェラテとカフェラテの違い、それは使うコーヒーやミルクなどの違いである。

カフェラテはエスプレッソやスチームドミルクを使うもの。


またコーヒーとミルクの比率もまた違うのだ。


「でもあえてカフェオレにしたんかしら」


「うん、カフェラテだと少し手間がかかるから、今回はカフェオレね」


「違いがよく分からないものってあるものだな」


「あたしも違いは理解してても、そんな大きく違いを感じないものはあるし」


「そんなものなんだね、名前の基準って何かとあるんだなぁ」


そんなアマレッティにあえてカフェオレにしたのは、手間も合ったかららしい。

イタリアだとコーヒーはカフェラテが定番、カフェオレはフランスらしい。


コーヒーとミルクの比率、使うコーヒーとミルクの違いなどで呼び方が変わってくると。


「うん、美味しかったぜぇ」


「また作ってみてもいいかもね、これはこれで美味しいし」


「こういうのもたまにはいいものだな」


「アマレッティ、そういうお菓子もあるんだね」


結構上手く出来たアマレッティ。

やはり甘い菓子にはコーヒーである。


コーヒーは甘いものと合わせる事で真に美味しくなる。


やはりコーヒーと甘いものの組み合わせは最強なのだ。

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