実は強い人
夏になったという事もあり、家の中に引きこもる時間が増えた。
買い物などには行くものの、それ以外は涼しい家の中で過ごしている。
そんな中でもロザリオがアノットにボードゲームで勝負を挑んだりしている。
なおその勝敗はと言うと。
「はい、あたしの勝ち~、これで10戦10勝ね」
「アノット、お前なんでこんな強いんだ」
「アノットってゲームも強かったのか、意外な感じだね」
どうやらロザリオがアノットにボードゲームで勝負を挑んでいた様子。
なお勝敗はアノットの全勝だが。
「ふっふっふ、あたしの実力思い知ったか」
「飲み物持ってきたよ、少し休んだら」
「すまない、それにしてもアノットはなんでこんな強いんだ」
「帝国のメイド隊の潜入任務で使うとかじゃないの」
「それでボードゲームも強いっていう事なのかな」
アノットがゲームに強いのは仕事で必要だったからなのか。
それにしてもロザリオも普通に強いのに全戦全勝である。
そこは上には上がいるという事なのか。
「でも少年も普通に強いわよね、チェスが強いってのは大したもんよ」
「チェスか、日本だとチェスより将棋や囲碁やリバーシがよく遊ばれてたっけ」
「将棋や囲碁やリバーシ?それもボードゲームなのか?」
「うん、将棋は日本のものだけど、囲碁は中国、リバーシはまた別の外国からだったかな」
「ふーん、そういうものがリツコの世界にはあるんだね」
将棋や囲碁なんかはプロの世界もあったりする程度には競技人口も多い。
ちなみに将棋が強い人はチェスも強いと言われている。
実際プロ棋士の某羽生なんたらさんはチェスも普通に強かったとは言われている。
「将棋とか囲碁ってこの世界にもあったりするのかしら」
「東の国の人が経営するお店ならあるかもね」
「リバーシっていうのはなんなんだ?」
「白と黒のコインみたいな駒を使って挟んだものを自分の色に出来るゲームだね」
「つまり白と黒で勝負して、最終的に盤上にある色が多い方が勝ちなんだね」
リバーシはルールはシンプルだが、奥は深いゲームでもある。
強い人は盤上を自分の色一色に染め上げる人もいる。
ゲームも強い人は強いという事だ。
「でも将棋とか囲碁なんかもやってみたいわね」
「将棋も囲碁もプロの世界がある程度には競技人口も多いものだったな」
「プロの世界、つまりプロになって賞金が出てるって事なのか」
「そうそう、あとプロ棋士なんかはチェスの大会で優勝した事がある人もいたっけ」
「将棋の人なのにチェスの大会で優勝するのか、凄いね」
棋士はチェスも強いというのは日本では結構言われている事。
だからこそチェスと将棋は似ているとも言われる。
実際チェスの盤の目の数と駒の数が増えたものが将棋と言ってもいいものである。
「プロの将棋の人がチェスも強いっていうのは似てるゲームだからって事なんかしら」
「そうなるね、チェスの盤の目の数と駒の数が増えたものが将棋だと思っていいよ」
「だからプロ棋士はチェスも強いっていう事なんだな」
「そうみたいだね、チェスの大会でプロ棋士が優勝したなんて話は本当にあるらしいし」
「将棋が強いならチェスも当然強い、そういう考え方なのか」
チェスと将棋は似ているからこそ、プロ棋士はチェスも強い。
似ているからこそルールを覚えるのも簡単という事なのか。
将棋とチェスは似ているものなのだから。
「でも似てるゲームだから強いっていうのは興味深い話ね」
「実際チェスと将棋はルールもかなり似てるところがあるしね」
「だから将棋のプロはチェスをやっても普通に強いって事なんだな」
「チェスも将棋も生まれた国が違うだけで似てるゲームだしね」
「リツコはボードゲームとかそこまで強くないとかなのかな」
そんな理津子もボードゲームも弱くはないものの、強いというほどでもない。
少なくともロザリオやアノット相手だと手も足も出ないだろうとは思う。
なので本当に強い人には勝てないものの、弱いというわけでもない感じか。
「りっちんしーはボードゲームはそんな強くないんかしら」
「うーん、本当に強い人には勝てないけど、弱いとまでは行かないと思うよ」
「それはつまり遊びでやるなら勝てるが、プロみたいに強くはないという事か」
「そんな感じだと思う、本当に強い人には勝てないし」
「その辺は難しい話かもね、でもリツコはエンジョイ勢なのかな」
なんにせよボードゲームというのは難しいもの。
プロになるぐらい強い人もいればエンジョイ勢みたいな人もいる。
勝ちにはこだわらないが、負けるのは嫌という人はいるものだ。
「よっし、少年、またやろうぜぇ」
「キリのいいところでやめるんだよ」
「分かってる、それじゃやるぞ」
「勝負の世界は難しいね」
そんなこの世界で主流なボードゲームはチェスである。
とはいえ東の方にも国があるのなら、将棋や囲碁なんかもあるのかもしれない。
アノットは勝負事には普通に強いが、ロザリオも弱いわけではない。
実は強いというのはアノットのあるあるなのかもしれない。




