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風邪の時に食べるもの

夏は少しずつ近づいてきており、気温も上がり始めてきた様子。

それもあり海から吹く海風は気温を下げる役割も果たしている。

そんな中どうやらロザリオが風邪でダウンした様子。

簡単な食事と風邪薬を飲ませて今はぐっすり寝ているようだ。


「少年は眠っとるのかね」


「うん、卵粥を食べてぐっすり寝てる」


「しかし夏に変わるこの季節に風邪か、夏風邪なんて言葉もあるけど」


とりあえずロザリオにはセルベーラがついていてくれている。


理津子とアノットはロザリオの様子を見つつ、各自仕事をしていく事に。


そんな仕事も一段落ついた頃にこっちもゆっくりする事にした。


「ふぅ、少年がいないと静かなもんよねぇ」


「でも人は不意に風邪を引いたりするものなんだよね」


「りっちんも風邪引いたりするんかね」


「まあ風邪を引いた経験はあるよ、その時はお父さんが卵粥を作ってくれたっけ」


「りっちんの作る卵粥は美味しそうだったもんね」


理津子の作る卵粥は父親直伝のものである。

家にいた時は風邪を引いた時なんかは、父親が料理を、母親が看病をしてくれていた。


いい親に恵まれたなというのは今でも思っているようである。


「でもりっちん、お粥以外にも風邪の時になんか作ってもらったりしたんよね?」


「お粥以外だと、鶏ガラスープのうどんとか煮麺とかかな」


「うどんに鶏ガラスープとは、変わっとるね、あと煮麺ってなんぞや」


「あったかくして食べるそうめんの事だね、こっちの世界にそうめんってなかったんだっけ?」


「そうめんはないと思う、極細うどんの事でええんかしら」


こっちの世界にはそうめんはないというか、そうめんという名前ではないという事らしい。

そうめんは極細うどんという名前らしく、ひやむぎは中細うどんみたいな名前だとか。


なのでこの世界においてはそうめんやひやむぎはうどん扱いになっているという。


「でもりっちんの世界だと極細うどんを風邪の時に食べたりするんね」


「そうめんって消化にもいいからね、柔らかく煮るとなおさらにね」


「なるほどねぇ、鶏ガラスープのうどんとかも興味深いけど」


「だとしたらこの世界のうどんってどうなってるのかな」


「太いうどんは極太うどんよね、一般的な中太うどんみたいなのが一般的かしら」


そうめんやひやむぎはこの世界では細うどんという名前で呼ばれているという。

理津子の世界で言う一般的なさぬきうどんなんかは極太うどんと呼ばれるという。


その一方で乾麺のうどんのようなものは中太うどんと呼ばれているようだ。


「でも極細うどんって夏に食うもんだと思ってたから、そういう食べ方もあるのね」


「温かいそうめんって美味しいのになぁ、鶏ガラスープもいいし、うどんスープでもいいし」


「ふーん、今度作ってみようかしら、りっちんが美味しいって言うなら嘘ではないと思うし」


「とりあえず風邪の時は柔らかくなるまで煮たうどんやそうめんはおすすめだよ」


「なるほど、とりあえず風邪の時以外でも美味しそうだし覚えとこ」


風邪の時はお粥や柔らかいうどんやそうめん以外にはゼリーやプリンなんかもいい。

実際理津子も風邪の時は親がプリンやゼリーを買ってきてくれた思い出がある。


また今ではゼリー飲料なんかもあるので、風邪の時の食事は選択肢も多い。


「そういやプリンとかゼリーもいくつか買ってきてたわよね」


「うん、風邪の時はああいうのもいいしね、余ったら食べていいよ」


「余ったらね、少年が風邪引いてるうちは少年に食わせるわよ」


「そういう所は弁えてるんだね、アノットも変な所は弁えてるというか」


「あたしだってそれぐらいは弁えとるわ!」


そんなアノットもメイドとしては優秀な存在である。

実際料理の腕前だけ見ても恐らく理津子より上手い。


理津子が得意とする料理は基本的に家庭料理や大衆料理であるという事なのだ。


「でも風邪の時は柔らかいもんがいいっていうのはあるみたいね」


「そうだね、ゼリー飲料みたいなのはこっちにもあるみたいだから助かるし」


「ゼリー飲料ってあれ、基本的には軍隊の携行食なんだけどねぇ」


「でも民間にも売られてるって事は、そういう開発もされてるって事だよね」


「そうね、軍隊の携行食として開発されたもんを民間向けの商品にした話は多いわよ」


アノット曰く店で見かける栄養補助食品の多くは軍隊の携行食として開発されたものらしい。

それがある程度の平和な世の中になり、民間向けの栄養補助食品になったという。


要するにカロリーなメイトのようなものはこの世界では軍隊向けに開発されたのが始まりとか。


「とりあえず少年もしっかり休ませないとね」


「魔法の研究とかは相変わらずしてるみたいではあるしね」


「ま、風邪の時ぐらいはしっかり休ませるに限るわよ」


そうして数日でロザリオの風邪はすっかりと治った様子。

余ったプリンやゼリーはアノットが美味しくいただいたとか。


この世界ではそうめんやひやむぎはうどん扱いであるという話も聞いた。


そうめんとはすなわち極細うどんなのだという。

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