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置き換わった順番

夏が近づきつつあり気温も上がってきた季節。

港町で海風があるという事もあり、思っているよりは暑くないのはある。

なので内陸の街などに比べれば幾分かは涼しいのは強い。

港町という立地のメリットやデメリットはあるというものだ。


「ねえ、機界ってやっぱりAIがいろいろやってたりするの?」


「機界の事ですか?そうですね、頭脳労働は多くはAIに置き換わってはいますよ」


「頭脳労働なんだ、肉体労働はロボットがやってるとかないのかな」


サインに誘われて甘いものでもいただきに来ている理津子。


そこで日本で話題になっているAIについて聞いてみたりした。


「肉体労働もロボットがやってるとかはないのかな」


「肉体労働は人間がやっている事の方が多いですね、ただパワードスーツなどは使いますが」


「つまりパワードスーツを着た人が肉体労働をしてる感じなんだね」


「はい、ロボットが肉体労働をするのは汚染地域などの人が立ち入れない場所などですよ」


「へぇ、だとしたらAIに置き換わったのはホワイトカラーからっていう事なのかな」


サイン曰く機界の肉体労働はパワードスーツを着た人間が行っている事が多いという。

その一方で頭脳労働の多くはAIに置き換わっているという。


特に優秀な博士レベルなどでもなければ、頭脳労働の多くはAIの力を借りているとか。


「そういえば政治もAIがやるとかは流石にないのかな」


「全部ではないですが、一部の分野はAIが採用されていたりはしますね」


「そういうAIに対しての偏見がないのは機界らしいというかなんというか」


「でもなんでそんな話をしようと思ったんですか」


「いや、日本でAIについて何かと言われてるのを見たから、サインなら話も出来るかなって」


機界人のサインが相手ならこの手の話もしやすいと踏んだのか。

なのでサインに話をしてみる事にしたという。


実際話は弾んでいるようである。


「でもAIって基本的に何かしらのデータがないと何も出来ないんだよね?」


「そうですね、どんなAIも学習元になるデータが必要なのは確かです」


「ならそのデータはどこから手に入れてきたのかな」


「基本的には他の世界や機界の他国なんかの情報などを学習させた感じですね」


「そんな感じなんだね、まあクリエイティブな分野じゃないならそれでいいのか」


サイン曰く歴史や政治で起きた事、他にも様々な過去の結果を学習させたという。

それが結果として様々な分野へのAIの拡大に繋がっていったという。


その一方で学習元になるデータが必要という事もあり、それをどうするかも話し合ったとか。


「日本だと今はイラストなんかの生成AIが問題になってるって聞いたからさ」


「生成AIですか?学習元の絵や文章なんかはどうしているんですか?」


「ネットで拾ってきたものかを学習させてるらしいよ、それが盗作だって話になってる」


「まあそうですよね、学習元になるデータは必ず人間が作ったものになりますし」


「その気持ちは分かるんだけど、AIへの拒絶反応が凄く強くて、法規制に走る国も多いし」


サイン曰くAIの発展にはどこかからデータを持ってこないといけないのは当然という。

それが目に見えないものならともかく、絵や文字などなら拒絶反応が出るのも当然だとか。


だからこそAIの発展においての課題の一つは、データをどこから持ってくるかになるとも。


「実際生成AIはネットから拾ったものによる無断学習が後を絶たないかららしいんだよね」


「少なくともネットにあるものは著作権フリーではないですしね、明記は必要かと」


「学習元なんかを必ず明記しろ、まずはそこからになるんだね」


「それが最低限の当然ですよ、どこかから盗まれてるというのを好意的に見る人はいませんから」


「まあそうだよね、だからこそあれだけ荒れてるんだなぁ」


理津子もサインの言う事に対する反論はない。

サインが言う窃盗行為を好意的に見る人はいないという話。


だからこそAIの発展にはどこからデータを持ってくるかが大切という事でもある。


「実際機界はいろんな分野にAIを使ってるんだね」


「ええ、その中でもホワイトカラーの仕事は8割程度はAIですから」


「8割、そんなになのか、凄いなぁ」


「ブルーカラーの仕事は強化スーツなどを使った人間がやっていますからね」


「機械には簡単に真似出来ないのってやっぱり肉体労働なんだなぁ」


サイン曰く肉体労働を機械化するとコストが倍では済まなくなるという事らしい。

それなら人間を使った上で技術によるサポートを入れた方がまだ安いとか。


パワードスーツなどを使った人間が今でも肉体労働をしている理由らしい。


「でも面白い話が聞けてよかったかも」


「リツコがそういうのに興味を示したのも面白かったですしね」


「まあ相談相手がよかったって事で」


サインに話したのはやはり正解だった様子。

AIの話と機界の発展は切っても切れない話。


だからこそこの手の話は複雑怪奇でもある。


AIに学習させるデータはどこから持ってくるのか、それは進んだ世界でも問題になるという。

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