表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
309/344

白の日

すっかり春の陽気になり、暖かくなってきた春の季節。

暖かくなると眠くもなるものである。

そんな中日本ではバレンタインのお返しの日だったようで。

せっかくなので何かお菓子でも作る事にした。


「甘い匂いが漂ってくるわね、チョコの匂いかしら」


「チョコレートもそこまで高くないとはいえ、一から作るのは大変だよな」


「でもなんでチョコレートなんだろう」


そうしていると完成品が運ばれてくる。


ホワイトデーという事もあったので、ホワイトチョコにしたようで。


「白いわね、これもチョコレートなのかしら」


「うん、ホワイトチョコレートだよ、それを使ったドーナツとかそういうやつだね」


「白いチョコレートなんてあるんだな」


「でも味はしっかりチョコレートだから安心してね」


「味が今一つ想像出来ないけど、とりあえず食べてみようか」


こっちの世界にもチョコレートはある。

ただホワイトチョコレートはこっちの世界には存在しない食べ物らしい。


なお味はしっかりとチョコレートである。


「うん、こいつは美味しいわね、味も確かにチョコレートだわ」


「そうなんだよね、ホワイトチョコレートってカカオマスを使わないで作るから」


「つまりカカオマスがチョコレートの色を作ってるっていう事なのか」


「そう、だからカカオマスを使わないで作るのがホワイトチョコレートなんだよ」


「それだけで白いチョコレートになるのか、興味深いね」


ちなみにチョコレートには様々な色が存在する。

それらは食用の色素を使って色がつけられるものでもある。


ピンク色のルビーチョコレートはもちろん、緑や黄色や青なんかもあるのだ。


「そういや白の他にもピンクのチョコもあるわね、これもチョコでいいのよね?」


「うん、ピンクのやつはルビーチョコレートっていうんだよ」


「ルビーチョコレート、また洒落た名前だな」


「ちなみにあたしの世界だとチョコレート用の着色料とかあるからね」


「つまりいろんな色のチョコレートが作れるのか、面白いね」


チョコレート用の着色料によって様々な色のチョコレートが作れる。

こっちの世界にはそんな物は当然ないのである。


ルビーチョコレートはいちごを買ってきて色を付けたらしい。


「でもチョコレート用の着色料なんてもんがあるなんて、面白いわねぇ」


「だから黄色とか緑とか、オレンジとか紫とかいろいろあるんだよ」


「チョコレートに色を付けるっていう発想がまた面白いな、それだけで楽しそうだ」


「色は奇抜でも、味はしっかりとチョコレートだからね」


「そういう食べ物に色を付けるっていうだけでも楽しそうではあるね」


有名なもので言うなら食紅なんかがポピュラーではある。

そうした食べ物に使う着色料は自然由来のものから作られる事も多い。


食べ物の原材料を見た時になんとか色素と書かれているならそれが着色料だ。


「んでその着色料って毒は特にあったりはしないんよね」


「着色料って基本的には自然由来のものから作ってる事が多いからね」


「なら毒があるっていう心配はなさそうだな」


「食べ物の原材料を見てなんとか色素って書いてあるならそれが着色料だしね」


「この世界にはそういう着色料ってないからね」


この世界には食べ物に使う着色料は存在しない。

なお食べ物に色を付けるときには別の食べ物を使う事で色を付ける事はあるという。


あくまでも着色料がないだけで、色を付けるという考え方はあるという。


「しかしホワイトチョコレートなんてもんがあったとはね」


「この世界でもカラフルな食べ物は見るけど、それはどうやって色付してるのかな」


「基本的には植物の汁を混ぜ合わせるらしい、着色料みたいなものはないからな」


「つまり果汁を混ぜて作るみたいな感じなんだね」


「あくまでも着色料がないだけで、色を付ける事は普通にするからね」


とはいえホワイトチョコレートはこの世界にはない食べ物ではあった。

色を付ける食文化はあるものの、何かを抜くというのはあまり考えないのか。


ホワイトチョコレートはチョコレートからカカオマスを抜いたものではある。


「ホワイトチョコレートとかルビーチョコレートとか洒落てるわよね」


「ルビーチョコレートって要するにいちごチョコレートの事だからね」


「確かにいちごの味だな、いちごのチョコレートをルビーチョコレートって言うのか」


「実際ルビーっていう言葉が入ってる品種の苺とかあるからね」


「いちごの赤い色をルビーって表現してるのか」


日本のいちごにはルビーという言葉が入っている品種もある。

赤い色をルビーと表現するのはなかなかに洒落ているというか。


それもまた表現のしかたという事ではある。


「うん、美味しかったぜぇ」


「それはよかった、また機会があれば作ろうかな」


「ホワイトチョコレートとかルビーチョコレートとか面白かったな」


「チョコレートにも色があるのは知ってたけど、着色料の話も興味深かったしね」


そんなチョコレートの色の話。

ホワイトデーという事もありホワイトチョコレートにしたのは理津子なりの工夫だ。


色のついたチョコはあるがホワイトチョコレートはない不思議さ。


それは何かを抜くという考えが珍しいからなのかもしれない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ