表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
308/343

梅ジュースを仕込む

春に突入し気温も上がり始めた季節。

そんな中店でこの季節には売りに出されるものがある。

それを買って今年もそれを仕込む事にした。

春に美味しく作れるそれは甘酸っぱいもの。


「お、今年も仕込んでるわね」


「うん、青梅の実が手に入ったからね」


「梅ジュースって美味しくていいわよね」


今年も仕込みを始めた梅ジュース。


たっぷりの氷砂糖を使うので、原液のままでは甘すぎるのだが。


「それにしても梅ジュースね、あたしは梅酒がいいんだけど」


「この国って個人でお酒を仕込んだりしていいものなの?」


「許可を得てれば仕込めるわよ、無許可でお酒を作ったら罰金で50万ぐらいね」


「なるほど、許可があればいいんだね」


「お酒に関しては法律も厳しいしね」


アノット曰く無許可で酒を造ると罰金に課せられるらしい。

とはいえ国から許可をもらっていれば酒を個人で仕込んでもいいという。


個人で楽しむ場合であっても、酒造りには国の許可が必要なのだと。


「梅酒も飲みたいんだけど、許可が下りるまで少しかかるからねぇ」


「でもアノットって梅酒なんかも好きなんだね」


「まあねぇ、梅酒をちびちびやりながら肴をいただくのもいいもんよ」


「でも梅酒か、あたしはお酒はそんな飲まないしなぁ」


「りっちん、酒より飯だもんね、お酒は無理に飲めとは言わんけど」


理津子は飲み会などに行っても、酒より飯をいただきたくなる性格だ。

それもあり自発的に酒を飲む事は少ない。


酒の趣味も父親の影響なのか、ビールよりウイスキーなどを好むとか。


「りっちんも酒自体は飲めるのに、積極的には飲まんよね」


「お酒はそこまで好きでもないしね、あとビールがそんな好きでもないのもあるし」


「ふーん、ビールは好きじゃない人なんね」


「お酒に関してはお父さんはウイスキーをよく飲んでたし、お母さんは日本酒だったな」


「それでビールはそんな好きじゃないって事なんね」


理津子はビールを好まないので、とりあえず生な飲み会が好かないのだとか。

それにそうした飲み会でウイスキーなどを頼むと嫌われると思っているらしい。


酔うために酒を飲むというのが理津子は嫌なのだという。


「でも梅ジュースって美味しいわよね、原液で飲むのは流石にしないけど」


「カルピスの原液で飲むみたいな話、まあ流石に原液だと甘すぎるしね」


「とはいえ梅ジュースは少年なんかも気に入ってるし、美味しいって事よね」


「そう言ってくれるのは嬉しい限りだよ、梅ジュースって氷砂糖たくさん使うからね」


「あの量の氷砂糖は見ただけなら流石に引く量よね」


この手の原液というのは基本的に大量の砂糖を使う。

なので希釈して飲むのがこの手の飲み物ではお約束だ。


実際希釈して飲むポーションタイプの飲み物があったりするように。


「梅の実が手に入るってのはいいわよね、梅ジュース造るにはいい季節よ」


「梅干しとかも仕込みたいんだけど、梅干しは時間かかるしなぁ」


「りっちんは梅干しとかも好きなん?」


「うん、お母さんが漬けてた酸っぱい梅干しがまた美味しくてさ」


「ほー、りっちんのお母さんは梅干しなんかも漬けられるんね」


理津子曰く母親が漬けていた梅干しが好きらしい。

理津子の母親は洋食作りは苦手だが、和食や和菓子作りは得意なのだとか。


なのでその流れで食べた母親の梅干しが好きなのだと。


「そんなもんでいいのかね」


「うん、あとは来月辺りになれば美味しい原液が出来るはずだよ」


「なら楽しみにしとこうかしら、美味しい梅ジュースをね」


「でも梅の実が少し余ったな、何か作ろうかな」


「何か作れるものとかあるん?」


梅の実が少し余ったようで、他に何か作れるか考える。

そこで閃いたのは梅ゼリーだった。


ちょうど寒天があるのでそれを使って梅ゼリーを作る事にした。


「さて、梅ゼリーは寒天?ゼラチン?」


「寒天があるから、寒天で作ろうかな」


「オケ、なら手伝うわよ、美味しい梅ゼリーを作ろうぜぇ」


「うん、まずは梅の実を処理するところからね」


「りょーかい、そんじゃサクサク行きますか」


そのまま梅の実を加工して甘く加工していく。

それを液に漬け、それを寒天を使って固めていく。


下準備が整ったらあとは冷蔵庫で冷やすだけである。


「こんなもんでよろしいかしら?」


「うん、あとは冷蔵庫に入れておけば夜には食べられるよ」


「なら今夜のデザートは梅ゼリーね、わくわくするわねぇ」


「梅の実は何かと使えるから、余っても割となんとかなるんだよね」


「梅のデザートって和のデザートって感じもするわよね」


梅のデザートは和菓子というイメージ。

ゼリーなんかでも和風ゼリーみたいな感じになるのか。


梅というのは日本では定番の食べ物だからなのか。


「これで夜には美味しい梅ゼリーになるわね」


「うん、期待しておこうか」


「そんじゃ梅ジュースの原液も冷暗所に移さないとね」


そうして仕込んだ梅ジュースは一ヶ月後ぐらいには美味しい原液が出来る。

その梅ジュースは希釈して飲むのがお約束だ。


原液のままでは甘すぎるのは、大体の原液に言える事。


梅ジュースの完成が楽しみである。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ