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さつまいもを食す

秋も始まり少しずつ涼しくなってきた港町。

とはいえ本格的に涼しくなるのはまだかかりそうである。

なのでまだ暑さは続きそうな気配がする。

そんな中美味しそうなものを見つけたので買ってきたようである。


「りっちん、なんかお芋をたくさん買ってきてたよね」


「芋で何をする気なんだ」


「何か作るんじゃないかな」


そんな理津子が買ってきたものはさつまいもの様子。


さつまいもで作るものと言えば、やはりデザートである。


「お、甘い匂いがするわね」


「さつまいものデザートだよ、スイートポテトとか大学芋とか芋けんぴとか」


「芋を大量に買ってきてたと思ったら、こんなものを作ったのか」


「他にもおさつチップスとかさつまいもアイスとかも作ったよ」


「美味しそうだね、早く食べようよ」


スイートポテトや大学芋、芋けんぴやおさつチップス、さつまいもアイスなど。

さつまいものお菓子はやはりその美味しさが光る。


甘いさつまいもはそれだけお菓子やデザートにも最適なのだ。


「んー、こいつぁ美味しいわね、甘くてネットリしてる」


「こっちのさつまいもでもここまで出来るから、やってみるものだね」


「こんな甘くなるなんて凄いな、これはたくさん食べられそうだ」


「でもあたしの世界のさつまいもに比べると、そのままだとやっぱり甘くないんだよね」


「リツコの世界って野菜は甘いものっていうのが常識だったりするの?」


日本では野菜はもはや甘いものという認識が強い。

それだけ日本の野菜はここ近年甘くなっているという事だ。


理津子も父親から昔の野菜や果物は昔はこんな甘くなかったと聞いているとか。


「さつまいもから作るデザートやお菓子、こいつぁいいわね、レシピおせーて」


「いいよ、あとで教えるね」


「しかしそのままだと日本のものに比べると甘くないんだろ?」


「それはあると思う、日本の野菜や果物って信じられないぐらい甘いんだよ」


「さつまいももそんな甘い野菜の一つって事なんだね」


実際それを経験してきたであろう理津子の父親はその味が分かる。

いちごに練乳をかけていた時代、今のいちごは練乳などなくてもとても甘い。


そうしたように野菜や果物が美味しくなったのは農家の血と汗の努力があったからこそだ。


「でもりっちんがよく言ってる、日本の野菜や果物が美味しくなったって凄い事よね」


「輸入物の果物とか野菜も食べるんだけど、日本産のものって本当に甘いんだよね」


「でも外国産のものが不味いっていう事でもないんだろ?」


「不味いと思った事はないかな、でも甘さがダントツで違うのは感じたけど」


「日本産の野菜とか果物って甘くなるように品種改良したって事だよね?」


日本産のものは甘い野菜や果物が多い。

全部がそうではないが、甘いものが多いとも言える。


果物並みの糖度を持つ野菜なんてものまであるぐらいなのだから。


「さつまいもからこんな美味しいもんが出来るとは、日本には面白いレシピがあるもんね」


「こっちだと野菜のデザートとかはあまり見ないよね」


「デザート類は果物や乳製品から作るっていうのが定番だからな」


「果物や乳製品は分かるけど、野菜がデザートに使えるぐらい甘くないからなのかな」


「どうなんだろうね、そういう発想がないだけかもしれないし」


こっちの世界では野菜のデザートはまず見ない。

それは野菜がデザートに使えるほどの味をしていないからなのか。


それともそういう発想自体がそもそもないという事なのか。


「日本だと野菜のデザートとかお菓子って普通にあるもんなのよね?」


「普通にあるね、にんじんやほうれん草のパウンドケーキとかトマトゼリーとかあるし」


「そんなものもあるんだな、野菜からそういう食べ物を作るっていうのは面白いな」


「野菜のデザートとかお菓子ってこっちだとそういう発想がそもそもないのかな」


「リツコの作るやつは美味しいけど、ケーキ屋とかパティシエはそういうのは作らないもんね」


理津子が作るものは美味しいと三人は言う。

とはいえ店で売っているのは見ないものでもある。


それは野菜の味なども関係しているのか。


「野菜で甘いもんを作るっていうのは美味しいからあたしは好きになったわよ」


「それはありがとうね、食べ終わったらホットミルクでも飲もうか」


「しかし日本は食べ物の事に対する執着心が強いのは伝わるな」


「それは否定しないけどね」


「野菜でお菓子を作っちゃうのは凄い発想だよね」


やはり異世界のこちらでは野菜のお菓子やデザートは珍しい様子。

世界が変われば料理に対する考え方も変わってくるものなのか。


それか食材の味がそういう発想に至らない理由なのかもしれない。


「美味しかったぜぇ」


「ホットミルクでも持ってくるね」


「ああ、頼む」


「さつまいものあとのホットミルクも美味しそう」


そんなさつまいものデザートやお菓子はよく出来た様子。

甘い野菜というのはこの世界では言うまでもなく珍しい。


なので野菜でデザートやお菓子を作るのなら砂糖は欠かせない。


甘い野菜自体が珍しいのは異世界なので当然である。

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