表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
280/343

たくさんのおかず

夏の暑さも少しだけ落ち着いてきて涼しくなり始めた。

とはいえ夏の暑さはまだまだ続く様子。

そんな夏だからこそしっかり食べるという事が求められてくる。

夏が終わるまでは油断は出来ないという事である。


「まだまだあっついわねぇ」


「夏なんてそんなものだ、アイスを散々食べてる奴が言うな」


「アノットはアイスを自分で作って食べてるもんね」


そんな暑い日でもしっかり食べる事が必要。


なので夏でもしっかりと料理を作ってくるのである。


「相変わらずのドカ盛り飯ねぇ」


「しっかり食べないと夏は乗り切れないからね」


「すっかり慣れたけど、お前の標準はこの量なんだよな」


「元々あたしは食べる方だからね」


「とりあえず食べようよ」


そんな理津子の作る食事はいつものようにドカ盛り飯である。

理津子は元々食べる方ではあるが、その胃袋の容量は気になるところ。


ちなみに理津子は普段から腹八分目を心がけているらしい。


「りっちんって割と大食いな人だったりするん?今さらすぎるけど」


「うーん、普通の人よりは食べるけど、大食いとまではいかないと思うよ」


「その割にはいつもこの量なんだよな」


「あたしはラーメン屋とか行くと大盛りではなく中盛りを頼むタイプだし」


「そういう基準なの?大盛りとかそういう」


理津子曰くラーメン屋に行っても大盛りではなく中盛りを頼むタイプなのだという。

腹八分目とはそういう事なのかという話ではある。


ただ量が多いのは一つの皿を複数人で食べるから、量を多めに作るという事なのだという。


「でも大皿で食べるならこれでちょうどいいぐらいの量なんかしら」


「あたしの国だと基本的に一つの皿をみんなでシェアして食べる事が多いからね」


「量が多いのはそういう食べ方が前提にあるからなのか、なら納得ではあるが」


「うん、だから丼ものとかだとこれに比べて少なく感じない?」


「確かに丼とかカレーなんかは大皿に比べたら普通に一人前だよね」


理津子の作る料理はおかずが基本的にドカ盛り飯である。

なので丼ものやカレー、ラーメンなんかはちょっと多めではあるが基本一人前だ。


それでも理津子はそれなりに食べる方なのは家が大衆食堂だからなのかもしれない。


「でもこんだけのおかずを用意するっていうのは、りっちんはおかずが食べたい人なん?」


「あたしの国だと少ないおかずでたくさん米を食べるって感じなんだよね」


「つまりおかずが多いのはそういう食べ方が根底にあるからなのか?」


「かもしれない、お父さんも今の時代だからこそおかずをたくさん食べて欲しいって言ってたし」


「それは昔は貧しかったからとかそういうのが名残として残ってるからなのかな」


少しのおかずでたくさん米を食うという食べ方。

それは日本という国が昔は貧しかったという事の名残なのかもしれない。


だからこそ理津子の父親はおかずをたくさん食べさせたいと言っていたそうな。


「国の背景みたいなのがあるからおかずがドカ盛りなんね、りっちんのご飯」


「かもしれないね、外食でもライスを一緒に頼む事が多いし」


「つまりそれだけ米を食べる事が当たり前の国でもあるのか」


「それはあるね、焼き肉とかも米だし、ラーメンの汁にご飯ぶち込むとかするし」


「ラーメンの汁にご飯をいれるの?」


ラーメンの汁に白米を入れるというのは日本独自の文化なのかもしれない。

中国では餃子は主食なので、餃子と米は一緒に食べないみたいな話だ。


とはいえラーメンの汁に白米を入れるのはこってり系になるほど美味しく感じるものだ。


「りっちんがおかずをたくさん作る理由って国と家庭の事情があったからなんね」


「お父さんも豊かな時代なんだから、おかずはたくさん食べていいって言ってたし」


「いい父親じゃないか、食に関しては英才教育なんだな」


「だからなのか家の食堂でも大盛りメニューは米じゃなくておかずが増えるんだよね」


「おかずをたくさん食べて欲しいというリツコのお父さんなりの気持ちなんだね」


理津子の父親の気持ちとしてたくさんのおかずを食べさせたいというのがある。

なので実家の食堂では大盛りメニューは米ではなくおかずが倍になるというシステムだ。


なお白米は大盛り以上に限りおかわりは無料になるらしい。


「りっちんがどうしておかずをドカ盛りにするのかが分かった気がするわね」


「お父さんも家で料理を作る時はおかずをたくさん作る人だからね」


「おかずは多い方がいい、豊かな時代だからこそとも言えるのか」


「リツコのお父さんなりの考え方なんだね」


そんな理津子の家ではおかずをたくさん用意するという食卓だった。

なので理津子がおかずをドカ盛りにする理由はそこにあるのだろう。


丼やカレーなどは普通に一人前だが、肉が多めだったりする。


豊かな時代だからこそおかずをたくさん食べてもいいという事なのだろう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ