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吸血鬼の味覚

定期的にレミリアの協力する病院で検査を受けている理津子。

レミリアは製薬会社の経営という立場上病院に薬を提供する事も多い。

それもあり理津子の定期検診はその病院で受けている。

レミリアも理津子のデータは興味深いようで、楽しそうである。


「付き合ってくれていいの?」


「丁度お昼だし構わないわよ」


「そっか、なら適当に食べに行こうか」


検査を終えた理津子はレミリアお昼を食べに適当な店に入っていく。


入った店はファーストフードだった様子。


「そういえば吸血鬼って血液以外も普通に食べるんだよね?」


「食べるわよ?まあ血があれば死なない種族ではあるけど」


「ふーん、吸血鬼も人間とそんなに変わらない味覚なのかな」


「しいて言うなら鉄分や葉酸を含む食べ物を好むぐらいかしら」


「鉄分や葉酸、血液を作る手助けをする栄養素だね」


レミリア曰く吸血鬼も味覚は人間とそこまで差はないという。

ただ吸血鬼全体の好みとしては鉄分や葉酸を含む食べ物を好むのだという。


それはつまり血を作るのに必要な栄養素を含む食べ物という事なのか。


「鉄分や葉酸だと赤身肉や魚、野菜類なんかが多いのかな」


「そんな感じね、港町だとカツオやマグロなんかも水揚げされるし」


「ふーん、だとしたらステーキなんかも好きだったりする?」


「好きね、レアで食べるステーキは美味しいわよ」


「レアステーキかぁ、あたしはステーキはウェルダン一択なんだけど」


鉄分や葉酸を含む食べ物、鉄分は赤身の肉や魚、大豆の加工食品などになる。

葉酸はさつまいもやブロッコリー、枝豆やほうれん草や舞茸やヒラタケなどになる。


流石に生肉を食べたりはしないようだが、それでも肉は赤身肉を圧倒的に好むという。


「赤身肉っていうと、質のよくないものはゴムみたいなイメージなんだけど」


「まあそれは間違ってないわね、でも世界的には肉っていうと赤身肉なのよ」


「それは分かるかも、あたしの世界でも霜降り肉をありがたがる国は少なかったし」


「霜降り肉っていうのは脂が多い肉っていう事でいいのかしら?」


「そうだよ、脂身の多い肉をあたしの国では霜降り肉って言ってたかな」


世界的に肉といえば赤身肉なのだとレミリアは言う。

肉というのは基本的に赤身肉を指す事であり、この世界では霜降り肉は珍しいとか。


その一方で霜降り肉が存在しないという事ではないようだが。


「でも赤身肉かぁ、マグロやカツオなんかも美味しいよね、あたしは好きだよ」


「リツコは魚が好きよね、海沿いの出身だったりするのかしら」


「出身は海沿いではないけど、海沿いの県の内陸部ではあったかな」


「ふーん、つまり海沿いの領地の内陸の街みたいな感じでいいのかしら」


「領地って言い方はあれだけど、そんな感じではあるね」


理津子はこれで魚が好きである。

魚を綺麗に食べる事も出来る辺り、親の教育がしっかりしているとも受け取れる。


吸血鬼は赤身の肉や魚が好きという事もあり、カツオやマグロは特に好むという。


「でもマグロやカツオかぁ、あたしの国では生魚を食べる事も普通だったな」


「生魚?流石に吸血鬼でも生魚は食べないわね」


「あたしの住んでた国だと生魚は普通に食べてたよ、お刺身とかお寿司とか久しく食べてないなぁ」


「生魚ってそんなに美味しいのかしら」


「鮮度はもちろんだけど、寄生虫とかもしっかり除去して食べるけどね」


生魚がそれだけ危険なのは異世界でも変わらない様子。

それもあり生魚を食べるという文化はやはり極めて一部の文化なのだとか。


食べないという事はないが、極めて狭い地域の文化に留まる程度らしい。


「生魚が危険なのは異世界でも変わらないのか」


「ええ、漁師が船の上で食べるみたいな話は聞くけどね」


「でもあたしの世界だと、生牡蠣食べてノロウイルスみたいな話は割と聞いたけどね」


「それは生の魚介類の感染症的なものかしら」


「感染症とは違うかもしれないけど、生牡蠣はそれに気をつけろとは散々言われるね」


生牡蠣を食べてノロウイルスは日本では割と聞く話。

なので生の魚介類は安全性が高いだけで、全く危険というわけではない。


そういう話があるので、やはり生は危険というかリスクがあるという事になる。


「でも吸血鬼の味覚とかの事も知れたのはちょっと面白いかも」


「まあ吸血鬼は血が必要だから、栄養的にも血が作れるものを好むっていう事よね」


「それで赤身肉や魚、葉酸を含むほうれん草とかさつまいもとか、好みって多様だね」


そんな吸血鬼の好みの食べ物の話。

血を作るのに必要な栄養素を含む食べ物を好むというのが吸血鬼らしい。


吸血鬼は鉄分や葉酸といった血液を作る栄養素が特に重要となる種族なのだと。


それは血を吸って生きる吸血鬼だからこその食べ物の好みなのかもしれない。

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