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環境問題とは

夏の暑さも少し落ち着き始めたもののまだ暑い夏。

そんな中理津子の世界ではオリンピックイヤーだった様子。

とはいえ特にこれといって見ていたわけではない。

そこで少し気になった話題があったのか、少し話をしてみる事にした。


「ふぅ、やっぱり涼しい室内が落ち着くね」


「それにこの季節は涼しい室内で食べる甘いものが何より美味しいですからね」


「サインらしいなぁ、まああたしも人の事言えないけど」


そんな喫茶店で甘いものをいただきつつ少し話す事に。


会った時に話してみようとも思っていたのでちょうどいい。


「ねえ、サインは環境問題ってどう思う?」


「環境問題ですか?そうですね、文明の発展の上では避けては通れない問題かと」


「なるほど、例えばだけど川が汚れたらやっぱり浄化しようって思ったりする?」


「浄化は必要だとは思いますよ、過去にも河川の汚染は問題になった歴史がありますし」


「こっちの世界でもそういう問題って過去にあったのか」


サイン曰く環境問題は文明の発展の上では必ず当たる壁なのだという。

その上で空気や水の汚染は必ず起こるもの。


ただそれの改善は技術さえ進歩すれば必ず出来るものでもあるとも。


「でもその浄化ってそれこそ一年や二年じゃ無理な話でしょ?」


「当然ですよ、軽く見積もっても10年は必要になるものですから」


「例えばだけどさ、スポーツの大会でその汚染された川を泳げって言われたら?」


「流石に主催者を疑うと思います、汚染された川というのはどんな環境だと思います?」


「まあやばい菌とか、そういうのがわんさかいそう…かな」


サインが言うには環境を浄化するには最低でも10年は見積もらなければいけないという。

機界のような発展した世界から浄化装置が持ち込まれるこの世界はまた別ではある。


ただそうしたよほど特別な理由がなければ10年プロジェクトになるぐらいの話らしい。


「だからそんな川で泳がせるのは流石にありえないって話か」


「ええ、少なくとも大会の数年前から手を付けても浄化出来るはずもないですよ」


「まさに付け焼き刃でしかないって事か」


「そもそもスポーツの大会で汚染された川を泳ぐ競技とかただの虐待行為だと思いますよ」


「機界出身者が言う言葉の重みを感じるなぁ」


そもそも都市の河川というのはそれなりに汚れている方が自然なのだという。

海の汚染は大問題になるが、河川の汚染はまた別の話。


都市の川というのは人間が住む環境の影響を言うまでもなく受けるのだから。


「だとしたら川の浄化は一般的に見積もると10年は軽く必要なプロジェクトなのか」


「そうですね、まあ川というのは清らかすぎても駄目なんですよ」


「そういえば清らかな水だと逆に魚が住めないみたいな話もあるんだっけ」


「生き物は環境に適応するんです、生まれた時から多少汚れた環境に生まれる事もあるので」


「そういう環境で生まれたのなら、清らかになったらなったでその環境には住めないって事か」


サイン曰く水が汚れたのならその汚れた水に適応する。

だがそこに適応したあとに水を綺麗にしても、そこに住む事は出来ない。


環境に適応するというのは年月をかけた変化でもあると。


「だから川の汚染は問題だけど、綺麗にすればいいっていう話でもないのか」


「そうですよ、結局はそういうところに住む生き物には人間のエゴでしかないんです」


「勝手に水を汚し、そこに適応したと思ったらまた綺麗にするとかふざけるなってか」


「そういう事です、人間の身勝手さでしかないんですよね」


「そう言われると返す言葉がないなぁ」


結局は人間の身勝手でしかないという身も蓋もない話。

ただ都市の河川というのは人間の生活環境に近い場所のもの。


そんな河川なのだから、そもそも綺麗な方がおかしいというのがサインの見解である。


「人間が住む環境の近くなんだから、川が汚れてるのは寧ろ普通か」


「そういう事です、生活排水やら何やらが出る環境の川が綺麗なら寧ろ怖いですよ」


「そりゃそうだよねぇ、そんな環境で川が綺麗なら逆におかしいと」


「そもそも下水道が綺麗だったらおかしいでしょう」


「それに関しては言うまでもないよねぇ」


サインが言うには人間の生活圏の河川が綺麗なら逆におかしいという事。

そんな川を泳がせる事の方がずっと問題だろうという事である。


人間の生活圏にある川を泳ぐなどただの愚行だという事である。


「とりあえずはちょっと話せてよかったかな」


「ええ、まあこういう話は面白いのでいつでもどうぞ」


「うん、ありがとうね」


そんなサインが考える環境汚染の話。

水の汚染は人間の生活圏の川と自然の川ではまた別である。


人間の生活圏の川が汚れているのは寧ろ普通の事であるとの見解。


人間の生活圏の川を泳ぐなどただの虐待であると思ったようだ。

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