夏はカレー
すっかり夏本番になり暑さも本格化してきた。
それに伴い暑さによる夏バテも懸念されてくる季節。
日本に比べれば涼しいとはいえ夏は夏である。
なので夏はしっかりと食べる事が大切だ。
「スパイスの匂いがするねぇ」
「この匂いはカレーじゃないのか?」
「夏になってからカレーが増えたよね」
夏にはカレーを食べるといいという話。
スパイスは夏には最適の食材なのだという。
「またカレーなんか、ここ最近カレーが増えてないかね」
「夏バテ対策にはスパイスが最適だからね」
「それでカレーなのか、でもいろいろなカレーを試してるよな」
「今回はマッサマンカレーだよ、ココナッツミルクがポイントなんだよね」
「とりあえず食べようよ」
夏のカレーも様々試している様子の理津子。
そんな今回のカレーはマッサマンカレーだという。
タイカレーの一つで世界一美味しいと言われているカレーだ。
「このカレー美味しいわね、ココナッツミルクとカレーって相性がいいんかしら」
「エスニックカレーの一つだからね、この手の料理にココナッツミルクは欠かせないんだよ」
「なるほど、ココナッツミルクがポイントなのか」
「うん、辛さはもちろんココナッツミルクの甘さがいいアクセントなんだよ」
「確かに辛いんだけど、どこか不思議な甘さがあるよね」
夏バテにはカレーのスパイスが効く。
スパイスは栄養価も豊富で、だからこそ夏バテに効くものも様々に含まれている。
夏の暑さは体力を確実に奪っていくので、体力回復は必要である。
「でもエスニックカレーって美味しいわね、普通のカレーに比べると独特な感じもするし」
「エスニック料理は味からして好みが分かれるものだからね」
「少し酸っぱい感じもあるもんな、でも体力はつきそうな気はする」
「そもそもスパイスに含まれる栄養価って夏バテに効くものが多いんだよ」
「そうなんだ、だとしたらカレー自体が夏にはいいのかもね」
カレーの本場でもあるインドはそれこそ暑い国である。
そこでスパイス料理が発展したのはある意味必然なのか。
とはいえ東洋の国は熱帯だったりなんだりで暑い国が多いのもまた事実。
「りっちんの作るカレーはスパイスの調合からやるから美味しいんよね」
「まあスパイスの配合はお父さんから教わったものだしね」
「しかしいろいろなカレーを試せる程度にはカレーの知識があるのは凄いな」
「あたしもカレーは勉強してるけど、地域によっていろいろあるものなんだよね」
「マッサマンカレーはエスニックカレーなんだよね?」
エスニック、タイなど東南アジアの国でよく食べられている料理の事である。
エスニックカレーもそんな東南アジアのカレーの事をいう。
またエスニックにはココナッツミルクを使った料理も多いという。
「そういやエスニック料理って辛い料理が多かったりするんかしら」
「うーん、そこはなんとも言いにくいけど、辛いものと酸っぱいものは多い気がするね」
「それはその国とかの環境の影響が大きいのか?」
「だと思う、エスニック料理の本場って熱帯の国が多いからね」
「つまり暑かったりする国の料理って事なんだね」
東南アジアは熱帯の国が多い。
辛い料理や酸っぱい料理が多いのはそうした国の環境故なのか。
なんにせよカレーなんかが独自に発展しているのもそういう理由なのかもしれない。
「ふぅ、確かに夏には体力がつきそうな感じね」
「スパイス自体が栄養価的にも優秀なものが多いからね」
「夏の暑さにも効くものが多いって事なんだよな?」
「うん、食べ終わったし飲み物でも持ってくるね」
「カレーは夏の疲れにもよく効くんだね、スパイスの栄養価か」
そんな中理津子が持ってきたのはミックスジュースだった。
エスニック料理が美味しい国は果物も美味しい。
屋台などで自分で選んだ果物でミックスジュースを作ってくれたりする。
「美味しそうなミックスジュースね」
「熱帯のトロピカルフルーツをいろいろ買ってきたからね」
「それでミックスジュースなのか、これも熱帯の国のものなのか?」
「そうだよ、熱帯の国は果物も美味しいからね」
「熱帯の国っていろいろ育つんだね」
そんなミックスジュースは実に美味しいもの。
カレーのあとに飲むミックスジュースはその辛さを洗い流してくれる。
こっちの世界でも果物は美味しいものなのだと理津子は感じているようだ。
「はぁ、カレーとミックスジュースの組み合わせは最高だわな」
「夏はカレーが増えるから、ミックスジュースも作りがいがあるね」
「ただカレーが続くと飽きるからな」
「他にも夏に美味しい料理を作ってよね」
理津子曰く夏にはそうめんではなくカレーだという。
そもそも異世界なのでそうめんなんてものはない。
そうめんが食べたかったら自作するしかないのもある。
なので夏はカレーという結論に至ったというのもある。




