森の国観光~温泉~
森の国の観光を楽しみつつ行ける範囲を見て回る理津子達。
観光を楽しんだ後日が落ち始める時間に宿に到着する。
一泊二日とはいえ、思う存分楽しんでいる様子。
だが理津子が何もないわけもなく。
「ん、んー…森の中とはいえいい眺めだね」
「こういう独特な造りになってるのは森の国だからこそだよな」
「ご飯までもう少しあるよね、どうする」
この国は温泉も名物である。
食事の前に入るかという事になったので。
「食事まではあと二時間ぐらいか、温泉に行こうか、少年」
「だからお前はなんで一緒に入ろうとするんだ、勝手に行けばいいだろ」
「別にいいじゃん、それともこの程度にも慣れてないとか」
「うーん、リツコぐらいのお姉さんと一緒にお風呂とか恥ずかしいんじゃない?」
「年頃だねぇ」
そういうところが理津子の困ったところである。
屋敷でもよくロザリオと一緒に入ろうとしてくる。
ついでに湯上がりは就寝用の下着姿でうろつくので落ち着かないのだ。
「それともお姉さんの裸に興奮してる?男の子だねぇ」
「当たり前だろ、それともお前は僕をなんだと思ってるんだ」
「うーん、少年は寂しそうにしてるしお姉さんが癒やしてあげようかなって」
「それってリツコが特殊なだけじゃないの?」
「まあ仕方ないか、その代わり夜は一緒に寝ようね」
こういうスキンシップが過多なところが理津子の悪さでもある。
おかげで年頃なロザリオは苦労もしているようで。
なんにしても仕方ないという事で、セルベーラと一緒に温泉に行く事に。
「おー、いい感じの露天風呂だね」
「リツコっておっぱい大きいよね」
「そう?まあ並よりは大きいって言われるけど」
「むぅ、羨ましい、私も大きいのに換装してもらおうかな」
「セルベーラってそういう事も出来るんだ」
そこはアンドロイドらしいところでもあるセルベーラ。
とはいえ理津子もスタイルはいい方である。
というか普段からあれだけ食べているのにスタイルを維持している事が凄いらしい。
「んー、体が芯から温まるぅ~」
「リツコって隠したりしないんだね」
「別に隠す必要もないと思うけど」
「ロザリオが苦労してる理由が分かった気がする」
「それにしてもセルベーラってアンドロイドなのに温泉とか平気なんだね」
そこは機界であるし、防水ぐらい当然されている。
寧ろ防水されてないとかどんな旧時代なんだという事らしい。
そう言われると理津子もその手の創作が何となく分かるようでもある。
「防水っていうとこのガラケーも全然平気なんだね」
「今の時代、防水されてない方が非常識でしょ」
「なんとなく分かる、まあ防水じゃなくてもスマホ壊して全部パーとかあったなぁ」
「それってリツコの世界の話だよね?」
「うん、スマホに何でも入れててバックアップ取ってなくて壊した人の話」
ちなみにこっちの世界ではスマホでもガラケーでも自動バックアップ機能がついている。
理津子の世界で言うクラウドサービスがあり、データは自動バックアップされるという。
そのためガラケーでもスマホでも購入時に格安でサービスに加入出来る事になっている。
「買った時にクラウドサービスの契約もしたっけ、購入者用の格安のやつ」
「一応加入は任意なんだよね、でも携帯でもパソコンでも購入者は格安にしてくれるよ」
「そうそう、あたしの世界ではそんな気の利いたサービスはやってなかったよ」
「マジ?パソコンも携帯もあるのにそのサービスしてないって怖いもの知らずだね」
「こっちの世界に来てそれにまず驚いたなぁ、任意とはいえ料金9割引いてくれるとか」
そのサービスは購入時に加入すれば料金も加入料も9割引きになる。
加入時に契約しなかった場合は法人でも個人でも定額を取られるという。
ある意味購入時に加入すれば保険のようなものにもなるという。
「さて、もう少ししたらご飯だから上がろうか」
「はーい」
そんな会話をしながら温泉を楽しんだ。
食事は部屋ではなく食堂でするらしい。
体を拭いてバスローブに着替えて浴場をあとにする。
ロザリオと合流して夕食である。




