主食とジャンク
すっかり冷えるようになり外に出る時は一枚羽織るようになった季節。
そんな中サインに誘われラーメンを食べに行っていた理津子。
好みはあれどラーメンは大体どの味も好きなものだ。
理津子の世界におけるラーメン事情は割と何かとあるようで。
「美味しかったね」
「ええ、やはり昔ながらのラーメンがなんだかんだで美味しいですよ」
「ああいう昔ながらのっていいよね、値段も割とリーズナブルだし」
そんなラーメンは味によって値段も変わってくるもの。
理津子曰くラーメンは味噌が高く豚骨は安いイメージがあるのだという。
「サインは塩ラーメンが好きなんだよね」
「ええ、塩には少しうるさいですよ」
「でもラーメンは味噌は高いイメージだし、豚骨は安いイメージなんだよね」
「それはなぜなんですか?」
「味噌ラーメンって野菜とか具が多いでしょ?麺も太麺な事が多いし」
味噌ラーメンは具が多いイメージという理津子。
その一方で豚骨は具がそんなに多くなく、替え玉で利益を出してるイメージらしい。
要するに味噌ラーメンは主食であり、豚骨ラーメンはジャンクのようなイメージなのだと。
「あたしの世界だと味噌ラーメンは具が多いから、主食に分類されると思ってるよ」
「味噌ラーメンは主食、豚骨ラーメンはその真逆にあるという事ですか?」
「うん、あたしの住んでた国では本場は豚骨ラーメンは凄く安いらしいから」
「つまり具が少なかったり、イメージとしてはジャンクフードのような感じですか?」
「醤油と塩はその中間だと思うけど、味噌は高くて豚骨は安いイメージはあるよ」
理津子の住んでいた国において味噌は主食、値段が高いのはそのボリューム故なのか。
そういえば某食品メーカーの出している煮込みラーメンの味は味噌である。
理津子曰く味噌ラーメンは主食、豚骨ラーメンはジャンクフードに近いのだと思うらしい。
「あとは家系ラーメン、醤油豚骨とかもあるんだよね、あれはジャンクに近いかも」
「そういうジャンルもあるんですね」
「うん、家系ラーメンは基本的に醤油豚骨のスープで具はそんな多くないし」
「とはいえ味噌ラーメンは主食で豚骨ラーメンはジャンク、言われてみれば確かにですね」
「そういうラーメンへの考え方の違いが値段なんだよね」
豚骨ラーメンは一杯だけなら安いが、替え玉を頼む事が多いラーメンだ。
それで稼いでいるとも言えるので、やはりジャンクに近いものなのだろう。
実際カップ麺やラーメン屋でも味噌ラーメンは高いイメージがあるのだという。
「味噌ラーメンも豚骨ラーメンも好きだけど、よく食べるのは豚骨かも」
「味噌ラーメンは主食なので、野菜たっぷりみたいな感じなんでしょうか」
「だと思う、あたしの住んでた国では豚骨ラーメンって具は少なめで麺を食べる感じだし」
「なるほど、麺を食べる、そういうラーメンへのイメージはあるんですね」
「実際あたしもラーメンは麺を食べたいのであって野菜を食べたいわけでもないし」
理津子はラーメンは麺を食べたいのであって野菜を食べたいわけでもないという。
なので豚骨はもちろん、醤油や塩も好きなのだとか。
麺を食べるラーメンが食べたいというのが理津子がラーメンに求めているものらしい。
「あたしはラーメンって麺を食べたいんだよね、だから素ラーメンとか凄く好きだよ」
「素ラーメン、具なしの完全なスープと麺だけのシンプルなラーメンですね」
「うん、だから袋麺のインスタントラーメンなんかは素ラーメンで食べてたし」
「ラーメンは麺を食べたい、野菜を食べたいわけでもないと」
「結局はラーメンに健康なんて求めてないしね、あたしは」
理津子曰くラーメンに健康など求めていないのだと。
だから体に悪い背脂ギトギトみたいなのも全然ウェルカムらしい。
そして麺を食べたい人なので、袋麺も基本的には素ラーメンでいただくのだという。
「あたしは麺料理って麺を食べたいのであって、具だくさんは求めてないんだよ」
「つまりスパゲッティや焼きそば、うどんなども麺を食べたい人ですか」
「そうそう、だから麺たっぷりの焼きそばとか飛びつくタイプだよ」
「具でかさ増しした焼きそばやラーメンはいらないってタイプですね」
「そうそう、麺が少ない焼きそばとかラーメンとか見るとイラッとする」
理津子は麺が食べたいのであって野菜が食べたいのではない。
野菜でかさ増ししたラーメンや焼きそばはお呼びでないという事なのか。
理津子なりに麺料理に求めるものはあるという事だ。
「それじゃそろそろ行くね、また食べに行こうね」
「ええ、その時はお誘いしますよ」
「うん、それじゃね」
そうして美味しいラーメンをいただいた理津子。
ラーメンに限らず麺料理は麺を食べたいのが理津子である。
麺たっぷりという言葉にはそれだけ弱かったりする。
麺を食べたくて何が悪いというのだ。




