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血の好み

最近は完全に秋の陽気となり、涼しさと同時に木々も染まり始めた。

そんな中理津子はレミリアに呼ばれてレミリアの会社に来ていた。

以前レミリアに定期検診を勧められた事もあり、健康診断で通っていた。

レミリアは薬の会社でありながら病院にもコネがあるかららしい。


「これで終わりかな」


「ええ、お疲れ様、結果は後日届けさせるわね」


「うん、分かった、お願いね」


そんなレミリアは吸血鬼である以上定期的に血を吸っている。


そこにも好みなどはあるのだろう。


「そういえばレミリアって吸血鬼だし、定期的に血を飲んでるんだよね」


「ええ、そうよ、家のメイド達に頼んで吸わせてもらっているわ」


「でもだとしたら好みの味みたいなのってあるの?」


「そうね、血の好みだとしたら男の人の血液の方が美味しいと感じる事は多いかしら」


「そうなの?それなのに普段は女の人の血を吸ってるんだ」


レミリア曰く男の人の血の方が不純物などが少ない事が多いらしい。

女の人の血液は味が変わりやすく、決まった日に吸う事で予定を組みやすいという。


なのでメイドから吸っているのは決まった日にしやすいからなのだとか。


「そういえばあたしの世界だと献血は男の人の血液が圧倒的に多いって聞いたね」


「女の人は体調とかの理由で献血のハードルが高いのよ、だからだと思うわよ」


「なるほど、そういう理由で男の人が多いのか」


「男の人の血液は味が安定しているからこそなのよ、女の人の血は味が変わりやすいの」


「つまり男の人の血液は安定して美味しいって事か」


レミリアが言うには男の人の血液は味が安定しているのが特徴なのだという。

女の人の血液は体調などにより不味くも美味しくもなるという話だ。


計画的な吸血なら女の人の方が適しているとも言えるのだとか。


「でもその話からして、美味しい時の女性の血液は本当に美味しいって事だよね」


「ええ、女性の血液は美味しい時は何よりも美味なのよ」


「男の人の血液の方が好みなのは、味が安定しやすいからっていう理由でいいんだよね」


「そうよ、味が安定してるって事は突然血が欲しくなった時も安心って事だから」


「理由も様々なんだなぁ」


レミリアが言う血液の味というのは様々なので、好みの味は当然ある。

女性の血液は美味しい時はどんな血よりも美味しいが、味が不安定なのが難点らしい。


その一方で男性の血液は味が安定しているので、緊急時などでも安心して吸えるという。


「でも血液かぁ、あたしも鉄分とか摂っておいた方がいいのかな」


「鉄分は血液作りには大切よ、食べ物からじゃなくてサプリメントとかでもいいから」


「そうだね、鉄分、サプリメントとか買おうかな」


「ならうちのサプリメントを定期購入する?」


「そういうところは逞しいよね」


レミリアの会社は薬の他にサプリメントなども売っている。

鉄分のサプリメントも当然扱っていて、鉄分をきちんと摂っている人の血は美味しいらしい。


血を吸わせてもらっているメイドにも鉄分の摂取をさせているのだという。


「レミリアの会社のサプリメントってどんなのがあるの」


「鉄分とか亜鉛、ビタミンなんかは定番として扱っているわね」


「ふーん、定番以外でも何かあるの」


「あとは葉酸とか、タウリンとかその辺かしら」


「意外といろいろ扱ってるのか」


サプリメントはあくまでも栄養補助なので、それだけでは当然駄目なものだ。

とはいえ意外と売れているのだとレミリアは言う。


鉄分をしっかり摂るというのは女性にとっては大切な話でもあるのだ。


「でも血液の話は吸血鬼には大切ななんだね」


「ええ、あと人間は他人の血液を下手に体に入れたりしたら駄目よ」


「異なる血液型が体に入るのって危険だっていうのは聞いたね」


「下手したら死ぬもの、異なる血液型の血液というのは」


「そんなに怖い話でもあったんだね、血液の話って」


異なる血液型を体内に入れるのは危険の極みでもある。

漫画などである指を切った人の血液を舐めたりする行為はそれだけ危険らしい。


あれこそ真似してはいけない行為の筆頭なのだとか。


「それじゃそろそろ帰るね」


「ええ、また半年後ぐらいに検診に来なさい」


「分かった、それじゃね」


理津子が異世界人である以上体や健康のチェックは必要になる。

もしそれにより病気などが持ち込まれる事がないようにだ。


そういうものは検診や検査で早めに潰していく事がいいとレミリアは踏んだらしい。


異世界人というのは病気などが持ち込まれないかという事も考えないといけないのだ。

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