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気温は安定

最近はすっかり涼しくなり衣替えも済ませた季節。

それもあり食事も温かいものが増えてきた。

暑さは完全に引っ込んだのか、気温は高くても夏日が来る事はない様子。

自分の世界と比べて気温が安定している事が何より嬉しいようだ。


「最近すっかり涼しくなったわよね」


「もう秋だしな」


「リツコも秋が来てなんかウキウキしてるよね」


旬こそ違うがこっちにも秋の味覚は豊富にある。


そうしたものを食べてみてこっちの味を今でも勉強中だ。


「お、美味そうな秋マンゴーね」


「こっちだとマンゴーの旬って秋なんだね、美味しそうだからつい買っちゃったよ」


「果物もたまに食べると美味しいしな」


「そうそう、それじゃいただこうか」


「美味しそうなマンゴーだね、この季節のマンゴーは凄く甘いって聞くしね」


そんなこっちの世界ではマンゴーの旬は秋である。

美味しいものは多いが、旬の違いは今でも慣れないものらしい。


とはいえそれでも美味しいらしいが。


「それにしてもすっかり涼しくなって、一枚羽織らないと冷えるわね」


「あたしの世界だとこの時期でも夏日になったりするからねぇ」


「お前の世界はまだ暑さが続いているのか」


「暑さが続くというより、安定しないんだよ、涼しいかと思えば暑くなったりするし」


「つまり突然暑くなったり涼しくなったりなんだ」


理津子の住んでいた国ではそれだけ気温が安定しないというのも事実。

今でも暑い日が来る事もあるし、なんなら肌寒いぐらいの日が来る事もある。


こっちの世界は気温はかなり安定しているらしく、安心して衣替えが出来たとか。


「りっちんの世界って気候が安定してないとかあるん?」


「うーん、秋とか春辺りは割と安定しないかも」


「夏と冬は割と極端になったりするのか?」


「今では夏は灼熱地獄、冬は極寒地獄だからねぇ」


「リツコの住んでた国の気候って極端すぎない?」


そんな環境の国に住んでいたからなのか、衣替えのタイミングが難しいという。

なのでこっちの世界ではすんなりと衣替えが出来て楽なのだとか。


今までもこっちで経験した秋は落ち着いていて気に入っているという。


「りっちんの住んでた国って過酷すぎん?人が住む環境とは思えん」


「あたしの住んでた国は縦に長い島国なんだよ、だから北から南までピンキリなの」


「つまり北は冬は極寒だし、南は夏は温暖な気候みたいな話か」


「実際北の方にある県なんかは豪雪地帯で、積雪量が世界でも上位になるぐらいだし」


「国じゃなくて世界でも上位になる積雪量って凄くない」


北の方にある県は世界ランクでも上位に入る積雪量という国。

その一方で夏は灼熱地獄になるという極端な環境でもある。


なのでこっちの世界の気候がそれだけ理津子には安心感を覚えるのだろう。


「りっちんにとっての環境ってのはそんな極端なとこだったのね」


「だからこっちの気候が安定しすぎてて、いろいろ戸惑ってるよ」


「お前の住んでた環境が過酷すぎて、人の住む環境に聞こえないんだが」


「まあ国土の大半が山だし、それでも人が住んでるのは凄いかもね」


「国土の大半が山で、そんな過酷な環境によく人が住んでるなって思うよ」


理津子の住んでいた国のそんな環境は今と昔もだいぶ変わったともいう。

なので昔より暑くなったし、なんなら昔より寒くなったともいう。


アノットやロザリオもそんな環境でなんで住み続けているのかと思う。


「りっちんの住んでた国って人が住むには過酷すぎる気がするわよね」


「自然災害大国だし、気候の変化も激しいしね」


「本当に人が住むにしては過酷過ぎる、ただお前の逞しさの理由は分かった気がするな」


「環境が過酷だから、自然とそういうのは身についていったのかもね」


「なるほどね、過酷だからこそ生きていく強さが身についたのかな」


異世界の普通の人からしたら人が住む環境とは思えない国。

とはいえこっちの世界でも過酷な環境に住む人というのは存在する。


なので過酷な環境でも人が住めないという事もなく、住めば都なのかもしれない。


「マンゴー美味かったぜぇ」


「うん、またいろいろ試してみようかな、美味しいものは多いし」


「まあいろいろ試すのはいいと思うが、味見はしろよ」


「もう暑くないし、温かいものも美味しいしね」


そんなこっちの世界では環境は安定している嬉しさ。

理津子にとって環境が安定しているのはそれだけ生きやすいのか。


こっちの世界にも過酷な環境に住んでいる人はいる。


意外と人はどこにでも住めるのかもしれない。

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