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きのこをいただく

秋の涼しさも本格的に始まったため、過ごしやすくなってきた。

それもあり外に出ても暑さはかなり和らいだ様子。

そんな秋の季節に旬ではないが、きのこが美味しい季節。

こっちの世界は旬などが違うので、つい自分の世界の感覚に陥りやすい様子。


「いい匂いがすんね」


「きのこをたくさん買ってきてたみたいだぞ」


「きのこかぁ、旬ではないけどこの季節でもそれなりには美味しいよね」


そんなキノコ料理は秋が旬ではないものの、秋でも美味しいもの。


きのこは美味しいスープなどにもなるのである。


「美味そうなきのこ尽くしね」


「安かったからついついたくさん勝っちゃったよ」


「いい匂いだな、米にもきのこの旨味が染み込んでるのか」


「とりあえず食べようか」


「うん、美味しそうだしね」


そんなきのこたっぷりの料理。

リーズナブルなものから少しお高いものまで様々だ。


ちなみにきのこご飯ではなくリゾットなどを作ってきた様子。


「このリゾットんまいねぇ」


「ちょっとシャレオツなものを作りたくなったからね」


「お前、割となんでも作れるよな」


「その辺はお父さんの背中を見て育ってないからね」


「リツコのお父さんってやっぱりプロなのかな」


理津子の父親が自称元ホテルの料理人というのはよく分かっていない。

とはいえプロの腕前を持っていたという事もあり、たぶん本当なのだろう。


そんな背中を見て育ったからこそ理津子は料理が好きになったのかもしれない。


「にしてもりっちんってシャレオツなもんから庶民的なもんまでなんでも作れるわよね」


「お父さんがそういうのはなんでも作ってたからね」


「お前の家は父親が家事全般をやってたのか」


「そうだよ、お母さんが俗に言う箱入りみたいだし」


「父親の方がそういうのは得意って事なんだね」


家庭環境なんかは父親がほぼ主夫をやっていたのが理津子の家庭だ。

とはいえ母親も出来る事は様々やっていた様子。


家庭環境は割と良好ではあったらしい。


「にしても料理のジャンルが見事に統一されてないよね」


「その辺はお父さんもそうだったよ、白米に洋食のおかずとか普通だったし」


「つまりその辺は美味しければいいとかそういう理論なのか」


「だと思う、お父さんも仕事じゃなければその辺は気にしなくていいから楽って言ってたし」


「仕事なら料理のジャンルは統一して出すのが本来だもんね」


白米に洋食のおかずも珍しくなかったという理津子の家の食卓。

それは白米には塩気のあるものが合うという日本という国の食文化なのかもしれない。


ちなみに理津子の父親は調味料として鶏ガラや味覇をよく使っていたという。


「りっちんのパパさんって隠し味とかいろいろ知ってそうな気がするわね」


「そうだね、オムレツに味覇使ったりしてたのは見たかも」


「味覇ってなんだ」


「あたしの世界の調味料だよ、美味しさの成分を配合したやつ」


「へぇ、そんなのがあるんだ」


理津子の家には味覇やオイスターソース、鶏ガラスープの粉末などが常備されていたとか。

それは父親が料理に使う隠し味として常備していたものらしい。


味覇を使ったオムレツは凄く美味しかったと理津子は覚えていたようだ。


「そういえば大衆食堂やってたんだっけ、りっちんの家って」


「うん、まあ家とお店は別々だから、家から出勤する感じだけどね」


「つまり店舗は貸物件みたいな感じなんだな」


「そうだね、空いてたテナントを借りてる感じ」


「大衆食堂だから安くて美味しい料理を出せる感じなのかな」


大衆食堂という事もあり、客はサラリーマンや作業場で働く人が多い。

そうした人の胃袋を掴むメニューを多く揃えていたという。


ちなみに大衆食堂でありながら、和洋中どれも出せていたとか。


「大衆食堂の娘ならそりゃドカ盛り飯が得意なのも分かるわな」


「学生とかサラリーマン、作業場で働く人とかが多かったからね」


「金持ちが来るような店ではないって事か」


「そういう事だね、高級料理店では少なくともないし」


「安くてたくさん食べられる感じのお店なんだね」


大衆食堂というのは貧乏学生がお世話になるようなイメージでもある。

安くてたくさん食べられるタイプの食堂が理津子の父親がやっていた店だ。


とはいえそれでも美味しいと評判なのだという。


「はぁ、んまかったぜぇ」


「きのこはいろいろ使えるから便利で助かるよ」


「父親譲りでレシピの豊富さはお前の武器だもんな」


「なんでも作れるって強いよねぇ」


そんなきのこにも様々あるのは異世界でも変わらない様子。

食べられるきのこも店には多く並んでいる。


旬は理津子の世界とは違うが、この世界の旬のきのこもそれはそれで美味しい。


種類の豊富さは様々な料理を作りたくさせてくれる。

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