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効率の問題

こっちの世界にもすっかり馴染んでいる理津子。

屋敷の事はアノットに任せて、今日は買い物に出ていた。

そんな中思わぬ出会いをする。

それはこの世界の面白さでもあった。


「あとは…野菜かな、八百屋で買うかスーパーで買うか」


「それにしてもこの世界ってあたしの世界に似てるようで微妙に違うよね」


「食材の旬とかが違うから、同じ感覚だと間違えちゃう」


すると正面にフラフラと歩く女の子を見つける。


少し気にかかったので声をかけてみる事に。


「そこの子、大丈夫?」


「うん、たぶん平気」


「でも明らかにフラフラだよ?お腹でも空いてるの?」


「あー、確かにお腹は空いて…」


「へっ?ちょっ、どうしたの!?」


そのまま倒れ込んでしまった。

とりあえず人の目もあるので近くの公園に運ぶ事に。


「もしもーし、反応がないね…死んでる、とかだとまずいけど」


「ん?目が…これってもしかして…」


「とりあえずサインに連絡しなきゃ」


「もしもし、どうしたの理津子」


「実はなんだけど…」


サインに連絡して事情を説明する。

状況は理解したようで、すぐに来てくれるという。


それから少ししてサインが駆けつける。


「この子なんだけど」


「あー、間違いないですね、この子機界人です」


「さっき突然動かなくなったんだけど、死んだりしてないよね」


「単なるエネルギー切れです、エネルギーを充填すれば復活するかと」


「なら頼んでいいかな」


サインが白衣の中から青い水晶の塊を取り出す。

それを反応のない女の子の腹部を開いて、それを押し込むように入れる。


すると女の子の目に光が戻っていく。


「あれ?私どうしたんだっけ」


「よかった、死んだかと思ってハラハラしたよ」


「お姉さんは…あー、介抱してくれたんだ」


「それにしてもエネルギー切れになるまで何をしていたんですか」


「あー、えっと、こっちの世界に来たばかりだから」


どうやらこっちの世界に来て間もないらしい。

なのでエネルギーを補給するのを忘れてそのまま、という事のようだ。


サインと知り合いで助かったと言うべきか。


「それで名前は?」


「セルベーラ、セルベーラ・ソーレだよ」


「ふーん、機界人って製造番号みたいなのが名前についてたりしないの?」


「それは人によります、ついている人と普通の名前の人がいますね」


「そうそう、私は普通の名前ってだけだよ」


どうやら機界人にも様々だという事のようだ。

理津子もそんな名前の事情については初耳の様子。


それで今後についてだが。


「それで今後はどうしますか?私のラボにでも来ます?」


「うーん、リツコだっけ?リツコにお世話になりたい」


「それはいいけど、エネルギーとかどうするの」


「一応効率は落ちますけど、普通の食べ物でもエネルギーは補給出来ますよ」


「効率か、それだと食費がどうなるやら」


サインが言うには普通の食べ物でもエネルギーは補給出来るという。

ただし電気や今開発しているエネルギーに比べると非効率なのだとか。


つまり確実にこれはたくさん食べるという前置きである。


「まあいいかな、なら一緒に来る?」


「行く!」


「なら任せますね、メンテナンスとかが必要になったら連絡をください」


「分かった、サインと知り合いで本当に助かったよ」


「とりあえず機界人についての最低限の扱い方をまとめたものです」


サインから機界人についてのまとめのようなものを受け取る。

そこには機界人の事について簡潔にまとめられていた。


「ありがと、助かるよ」


「それじゃ私はラボに戻りますから、対応出来ない時は連絡をください」


「ばいばーい」


「それじゃ屋敷に帰ろうか」


「うん!」


そうしてセルベーラを引き受ける事になった。

帰る前にもらった取り扱いについての事を読んでおく事に。


人というが、セルベーラはアンドロイドなので普通の人とは扱いも違ってくるからだ。


「機界人ってやっぱりって感じなんだね」


「人って言うけど、機械だからね、こっちの世界で言う取り扱いってやつだね」


「事情は分かるけど、人なんだから言葉がどうにもね」


「仕方ない部分はあるよ、でもリツコがそういう人で嬉しい」


「可愛いねぇ、まあそこは価値観の違いかもね」


そうして取り扱いについてを読み終え屋敷に帰る事に。

ロボットやアンドロイドは人の相棒、そういう考えは理津子が日本人だからなのか。


価値観は人だけでなく国によっても違う。


それをこの世界で改めて感じる事になりそうである。

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