カードを作ろう
最近はすっかり暑さも本格化してきた夏の季節。
それもあり冷房は本格的に稼働し始めた。
使えるものはしっかり使えとロザリオにも言われている。
そんな中あるものの話が持ち上がる。
「すっかり夏ねぇ」
「暑くなってきたよな」
「夏は排熱とか面倒な季節だから好きじゃないよ」
そんな夏だからこそしっかり食べなくてはいけないと理津子は言う。
夏バテ対策とはしっかりと体力をつける事なのである。
「お、ガッツリとしたお肉だ」
「暑いからこそしっかりと食べるのは大切だからね」
「とはいえこういう味はずっと続くと流石にしつこく感じるな」
「まあそこは仕方ないよね」
「とりあえず食べようか」
そんなわけで食事をいただく事に。
そんな中アノットがちょっとした話を持ち出してくる。
それはとあるカードの話だ。
「そういやりっちんって国民番号カード作ったん?」
「国民番号カード?」
「国民に番号が割り振られたカードの事だな、あるだけでいろんなサービスが楽になるぞ」
「マイナンバーカードみたいなやつか、あたしでも作れるものなの?」
「作れるよ、その世界に三年住めば作れるようになるんだって」
ロザリオ曰く国民番号カードは行政の利用などの手間の簡略化にも繋がるらしい。
申請は役所に直接行った上で郵送かネットで申請して役所に取りに行くからしい。
本人であるという確認が取れないといけないからこそ受け取りは多少の手間があるとか。
「まあ必ず作れっていうもんではないけどね、ただいろんなサービスが楽になる代物って事よ」
「ふーん、なら申請してみようかな」
「必要なのは顔写真は必須で、あとは住所とか居住歴の証明が出来るものだな」
「なるほど、意外と少ないんだね」
「ただ本人確認が出来ないとだからネットで申請して郵送みたいな事は出来ないよ」
受け取り時に本人の確認が必要なため、ネットで申請して郵送という事は出来ないとか。
その逆で役所の窓口で申請し郵送してもらう事は可能らしい。
なおどうしても役所に行けない時は向こうから来てもらう事は可能らしい。
「まあ作るかどうかは本人の自由だし、好きにしていいと思うよ」
「そうだね、なら作ろうかな、行政サービスはこれからも利用するし」
「受け取り時に本人確認が出来る必要があるって事は忘れるなよ」
「うん、分かった、覚えておく」
「申請はネットと役所の窓口があるけど、受け取りは逆の方法になるからね」
ネット申請した場合は役所に取りに行く、役所で申請した場合は郵送。
受け取りの方法はそうなっている、どうしても来られない時は役所の人が来てくれる。
代理人受け取りが出来ないのは本人確認徹底のためらしい。
「まあ国民番号カードは元々は不正防止の意味もあって作られたもんだけどね」
「それって保険証の貸し借りとかそういう事?」
「実際名義貸しによる犯罪は昔は多かったらしいぞ」
「そういうのは世界が変わってもあるものなんだね」
「なんにしても国民番号カードは行政サービスを楽にするものって思えばいいよ」
国民番号カードは犯罪防止の意味もあって生まれたのだとも言う。
過去にそうした不正が横行していた時代があったという事の証明なのか。
なんにせよ国民番号カードは持っていれば行政サービスを受ける際に楽になるらしい。
「国民番号カードも要するにシステムの効率化のためのアイテムだしねぇ」
「要するに手続きとかをすっ飛ばせるアイテムって事か」
「そういう側面が一番大きいからな」
「行政サービスもネットで多くは出来ても、システム自体は手間って事なのか」
「本来必要な手続きは結局は多いんだよね、国民番号カードはそれを減らすためのものだよ」
行政サービスの手間は異世界でもそこまで大きくは変わらないという。
それをすっ飛ばせる国民番号カードは国家公認のお助けアイテムだ。
尤も不正防止の意味も込めてのものではあるのだが。
「ふぅ、んまかったぜぇ」
「それはどうもね、あと国民番号カードについては調べてみるよ」
「必要だと思えば申請すればいいさ、必須ではないからな」
「申請はいつでも出来るから、時間のある時にでも申請すればいいしね」
そんな国民番号カードの話は話を聞いてから調べてみた。
行政サービスの面倒を減らせるというのはそれだけ大きいものだ。
不正が横行していたという歴史は異世界でも変わらないという事らしい。
そういう考えを持つ人はどこにでもいるという事なのだろう。




