スペックは大切
夏も始まったようで、気温が上がり始めた季節。
とはいえ今は雨季なので晴れている日は貴重である。
そんな貴重な晴れの日に家電量販店に買い物に行く様子。
サインに相談したらしいが、何を買うのかといえば。
「つきあわせてごめんね」
「いえ、相談するより実際に一緒に行った方が早いですから」
「うん、ありがとうね」
家電量販店に何かを買いに行くようではある。
サインに相談するものといえば。
「よし、それじゃお願いね」
「ええ、新しいパソコンを選びに行くんですよね」
「うん、屋敷にあるやつが古いのもあるし、それにガタが来てるから」
「なら何を求めるかでそこは変わってきますからね」
「そうだね、とりあえず現物を見に行こうか」
屋敷で使っているパソコンが型落ちでありガタも来ているとのこと。
それもあり迷わずに買い替える事を選択した様子。
使えるものは使うが、パソコンは流石にスペックの移り変わりも激しいものである。
「スペックはこれぐらいが理想なんだけど」
「ふむ、なら平均的な相場はこれぐらいですね」
「なるほど、それぐらいで買えるのか」
「既製品ならもう少し安くなりますね、私が組んでもいいですけど」
「うーん、そこまで大層な使い方はしないから既製品でいいかな」
パソコンのスペックは大切な話ではある。
とはいえよほどの事に使わなければそこまでのスペックは必要ない。
スペックが高いに越した事がないのは確かではあるが。
「ハードディスクは三桁は欲しいけど、こっちの世界ってもっと上でも余裕であるよね」
「機界の技術なら容量無制限のものでも当然のように作れますしね」
「その時点で機界の技術の高さが分かる気がする」
「まあそうなると値段は当然10万どころか100万とかしますけどね」
「無制限はそれだけ高いのか」
機界からすれば容量無制限など当たり前である。
とはいえそうなると値段は軽く100万を超えてくる。
ちなみにテラバイトのパソコンが容量にもよるが、10万せずに買えたりする。
「三桁は欲しいけど、この世界見てるとギガバイトですら少ない方なのか」
「そうですね、機界の技術が入っているので最低でもテラ、少し上でペタバイトとか」
「あたしの世界だとテラバイトでも大きい方だったのに、こっちはペタバイトとかあるのか」
「ありますね、ギガバイトなんてものは過去の遺物でほぼ化石ですよ」
「ギガバイトが化石扱いされるこの世界凄いね」
サイン曰くギガバイトは機界では化石のような扱いらしい。
テラバイトの容量ですら安物扱いされるとの事なので、技術力の高さが分かる。
無制限ともなれば当然相応の値段になってくるのはご愛嬌。
「ならこれぐらいでいいかな」
「これぐらいですか、既製品と私が組むのとどっちがいいですか?」
「既製品でいいよ、そこまで大層な事はしないと思うから」
「分かりました、ではこれでいいですね、私もお世話になってるところのものです」
「うん、ならそれでいいかな」
買うものは決まったようで、支払いに行く。
買ったものは後日配送してもらう事になった。
パソコンというのはスマホの完全上位互換であるため、家で使うならそっちの方がいい。
「それにしてもこっちの世界のパソコンのスペックの高さにビビるね」
「リツコさんの世界ではスマホを持ってる人が大多数なんですよね」
「うん、ネットに関してもパソコンよりスマホでやる人が多いし」
「なるほど、手軽になったという事ではあるんですね」
「それはあるね、でも創作活動をしてる人はほぼパソコン持ちだけどね」
理津子の世界ではスマホの普及によりネット接続もそっちが主流になっている。
とはいえ創作活動をする人はほぼパソコン持ちである。
ついでに言えばパソコンは家で使うのならそっちの方がいいまである。
「あたしは家にはパソコン持ってたけど、デスクトップ持ってると珍しく見えるみたい」
「そもそもノートパソコンは持ち運びが出来る事以外はデスクトップの下位互換ですよ」
「それは流石に分かるよ、オンラインゲームやってる人なんかはほぼデスクトップだし」
「結局はゲームや創作活動をする人は高スペックのデスクトップを買えって話ですからね」
「ノートでオンラインゲームとか相当に厳しいって聞いたしなぁ」
とりあえず買うものは買ったので、数日後に届く予定である。
通販で買ってもよかったが、サインに相談するのは餅は餅屋でもある。
機界出身の技術者であるサインはパソコンにも当然詳しいのだ。
「それじゃありがとうね」
「いえ、また相談があればいつでもどうぞ、それでは」
「さて、帰ろう」
パソコンは何かと便利なものではある。
こっちの世界ではスマホで何かをするというのは難しい。
それもありパソコンはあるに越した事はない。
そしてこっちの世界の機械は何かとスペックがやばい。




