高級ホテルのスパ
すっかり春の陽気になり暖かさが体に染み渡る。
そんな中先日当てたスパの優待券を使う事にした。
街にある高級ホテルのスパの優待券らしく、宿泊はせずに利用する事に。
水着はレンタルもあるものの、とりあえず買いに行ったようだ。
「いやぁ~、この空気、いいねぇ」
「お前は相変わらずマイペースだな」
「そういうロザリオも思ってるよりいい肉対してるね」
そんな高級スパを優待券で利用しているので、少し浮き気味ではある。
とはいえ最低限のルールは守っているようではある。
「お、りっちんも来た」
「お待たせ、それにしても少年、思ってるよりいい肉体してるね」
「流石に自覚したからな、少し動くようにしただけだ」
「偉いぞ、それとセルベーラも服を脱いでも人間とそんな変わらないようにみえるね」
「そういうタイプの機界人だからね、もっとロボットとかっぽい人もいるよ」
スパというのもただの風呂ではないので、男女が同じスペースを利用するものだ。
それもあり水着の人達が周囲にも見受けられる。
スパはただの風呂ではないという事は理津子も理解したようだ。
「はぁ、癒されるねぇ、にしてもりっちん、脱ぐと意外とデカいわよね」
「そうかな?あたしよりアノットの方が大きいじゃん」
「お前ら何をそんな競ってるんだ」
「少年はこの体を見ても興味がないと」
「リツコってスキンシップとか抵抗がないよね」
服を脱ぐと意外と大きいというのは理津子もアノットもそうだ。
ロザリオも思春期の男の子なので、そういうのに興味が出てくる年頃か。
とはいえそういうのは強がってみせるわけだが。
「少年は少し汗でも流してきたら」
「いいね、一緒に行く?」
「もう少ししたらな」
「それにしてもスパってこんな感じなんだね、もっとこう違う感じを思い浮かべてたよ」
「リツコはスパに行った経験とかはないのかな」
理津子もスーパー銭湯のようなものには行った経験はある。
とはいえスパに行った経験はないようである。
それもあり水着着用で男女混同というのも不思議な感覚らしい。
「りっちんの世界だと水着で男女一緒に入る施設とかは珍しいん?」
「あたしの住んでた国だと珍しかったかも、スーパー銭湯みたいなのはあったけどね」
「そのスーパー銭湯っていうのはなんなんだ」
「分かりやすく言うといろんな施設が一つに集まってるタイプの施設だね」
「ふーん、そういうのがあるんだ」
そもそも水着というのは本来入浴用に生まれたという一説がある。
海水浴などで着用するようになったのはそれよりたあとに生まれた文化だとか。
なので水着着用で風呂に入るというのは本来の使い方なのかもしれない。
「はぁ~、にしてもいいもん当ててきてくれたりっちんに感謝ね」
「水着でお風呂に入る文化は分かるけど、スパはお風呂というより温泉なのか」
「スパっていうのは風呂とは違うけど、療養温泉の事だからな」
「マジか、でも水着着用だからこそ男女混合で利用出来るっていうのはあるんだね」
「リツコの世界だと基本的には男女別なの?」
理津子の住んでいた国だとそもそも水着着用で風呂に入る文化が珍しい。
それもあるからこそ男湯と女湯という区別が出来たのかもしれない。
とはいえやはり何も起きないという事は想定はされていないようで。
「スパってのは水着を着てるからこそ男女混合で利用出来るってのはあるわよね」
「それはあるかも、あたしの世界にも混浴の温泉とかはあるにはあったけど」
「とはいえ水着着用ではないのか」
「あたしの住んでた国ではね、だからこういう水着着用で男女一緒ってなんか新鮮だよ」
「水着着用だからこそ混浴も成立するんだろうね、あとは人の視線があるからこそかも」
男女混合で入る療養温泉という事もあり、当然人の目がある。
それもあり人目があるからこそ性犯罪が起きにくいという事もあるのか。
見えないところで何かあるかもしれないので、安全と言い切る事は出来ないが。
「さて、少し汗流しに行こうぜぇ」
「いいね、あたしも付き合うよ」
「僕も行くか、セルベーラはどうする」
「私は少しまったりしてるよ」
そんなスパというものについては詳しくなかった理津子。
スパは温泉ではあるが風呂とはまた少し違う。
療養温泉というのがスパなので、リラクセーション施設という感じではある。
すっかり癒やされてホテルで美味しいものを食べて屋敷に帰ったらしい。




