公衆浴場のルール
すっかり春の陽気になり寒さは完全に過ぎ去った季節。
それもあり季節はまた巡っていく事となる。
そんな中買い物の際に福引券をもらい、福引を回してきた様子の理津子。
何が当たったかというと。
「美味そうな匂いがするわね」
「ドカ盛り飯にも慣れてしまった自分がなんというかな」
「でもロザリオも体はしっかりしてきたよね」
そんな中相変わらずのドカ盛り飯が運ばれてくる。
プロっぽい味もいいが家庭っぽい感じの味もいいものだ。
「お、美味そうね」
「家庭の味風なチャーハンだよ」
「家庭の味風って、チープな感じなのがそうなのか」
「そうそう、家庭で作る休日の味的なチャーハンだよ」
「休日の味ってなんなんだろう」
とりあえず家庭の味風なチャーハンをいただく事に。
パラパラと言うより多少ベチャッとした感じのチャーハンである。
理津子の父親も火力が違う家庭のコンロではこういう方が美味しいと言っていたとか。
「うん、美味いわね」
「そうだ、福引でこれを当てたんだけど、みんなで行かない?」
「なんだこれ、ホテルのスパ無料招待券?」
「うん、福引で当てたんだけど」
「スパかぁ、この街にもスパの付いてるホテルってあったよね」
どうやら当ててきたのは高級ホテルのスパの無料招待券らしい。
ちなみにスパはホテルの宿泊料金とはまた別なのだとか。
スパだけの利用も全然歓迎されているそうだ。
「いいじゃん、期限が切れる前にみんなで行こうぜぇ」
「この街にあるホテルなんだよね」
「ああ、ホテルの名前からして高級ホテルみたいだな」
「マジか、そんなホテルのスパの無料招待券とは」
「夏までが期限みたいだね、四人まで入れるらしいよ」
招待券は一枚で四人まで入れる様子。
ちょうどここに四人いるので、今度行ってみてもいいかもしれない。
日帰り旅行みたいな感じになるのだろうが。
「そういやりっちんってスパとか行った事あるん?」
「スパはないと思うけど、それに近いところならあるかも」
「スパの入り方とか知ってるのか?」
「お風呂というか大浴場とはまた違うんだよね?」
「うん、スパは水着で入るんだよ」
スパは水着で入るリラクゼーション施設のようなものだ。
ちなみにこちらの世界では公衆浴場は水着で入るのがルールである。
なのでスパに限らず大規模な温泉なんかも基本的には水着着用である。
「スパに入る用の水着も買わないとならんねぇ、レンタルでもいいっちゃいいけど」
「スパに入る用の水着かぁ、買ってもいいしレンタルもしてるんだね」
「ああ、スパに限らず公衆浴場は基本的には水着着用だからな」
「なるほどねぇ、まああたしの世界だと銭湯と公衆浴場はまた違うしね」
「水着はレンタルの方が安いけど、自前の水着を持ってくる人も多いよ」
理津子の世界にもそうした公衆浴場のようなものはある。
スパもあるのだが、風呂に入る祭に水着を着用するというのはあまり聞かない。
とはいえ流石に公衆浴場は水着着用が原則だったようだが。
「んでいつ行く?あたしはいつでもいいぜ」
「なら今度の休みにでも行こうか」
「分かった、乗り気ではないけど、僕も付き合ってやる」
「おや、意外だね」
「とりあえず来週って事でいいのかな」
スパに行くのは来週の休みという事で決まった様子。
スパに行くついでにホテルでリラックスしてくるのもいいだろう。
ホテルは宿泊せずともホテル内の施設は有料で好きに使えたりするものなのだ。
「ホテルって止まらなくても飯食ったり温泉入ったり出来るしね」
「そういうホテルっていいよね、あたしもホテルの食堂に甘いもの食べに行ったりしたな」
「もちろん金は取られるけど、宿泊以外にも使えるのは嬉しいからな」
「ホテルの少し高級なカレーとか甘いものを食べに行くのもいいものだしね」
「リツコってホテルのカレーとか好きなんだね」
理津子曰くホテルカレーはカレーの中でも特に好きなものらしい。
ホテルにわざわざ食べに行くというのもいいものなのだと。
とりあえずスパに行く予定は決まったようだ。
「んじゃスパに行くまでに水着決めときますかね」
「せっかくなら可愛いのがいいかな」
「僕はレンタルでいい」
「それじゃスパに行くのを楽しみにしようかな」
そんなわけで福引で当てた無料招待券でスパに行く事に。
近いうちに水着も決めに行く事になる。
こっちの世界では海水浴という文化はないらしく、水着は入浴用として売られている。
公衆浴場に行く人は多くは自前の水着を持っているそうな。




