背伸びギャルと少年魔道士
ここは様々な種族が行き交うどこかにある世界。
そしてその舞台は人間が暮らす世界。
そこに住む引きこもり魔道士が困っている様子。
そこで彼が閃いた解決策とは。
「流石にこれはマズいな、ゴミ屋敷になっちゃうよ」
「でも掃除なんて昔手伝いで少しやったぐらいだし…」
「外には出たくないからな…家政婦を雇おうにもどうすればいいか分からないし」
「そういえば今召喚魔法を研究してたな、それを使えば…よし、試すか」
彼の名はロザリオ、この屋敷の主である。
引きこもっていたせいで世間に疎いようで、知識を使おうと考えたらしい。
とりあえず広い場所、ある道具を手に地下室へ向かう。
そこでチョークを使い魔法陣を描いていく。
「これで合ってるよね…?よし、いくぞ」
「僕の世話をしてくれる家政婦よ!我が下にその異邦より来たれ!」
その頃のこっちは日本の神楽坂。
都会に出て大学に通っている彼女の名は香川理津子。
バイト先の履歴書を書くために文具店で履歴書を買った帰り。
帰る途中で洋菓子店に立ち寄りお菓子を買い、食べながら歩いていた。
「やっぱりここはいいね、あと味はチーズが一番」
「履歴書書いたら面接に行かなきゃ、大学との両立もしてみせるし」
住んでいるアパートは神楽坂の少し裏手に近いところにある。
家に帰り着いて家の鍵をした時にそれは起こる。
「さてっと、履歴書書かなきゃね」
そこで突然謎の光が足元から発生する。
理津子もそれには何が起こったのか驚いた様子。
「へっ、ちょ、なにこれ!?」
そのまま光に飲み込まれ理津子はどこかへと転移した。
その様子は誰も見ていなかったためその後は少し騒ぎになる事に。
そしてその理津子はロザリオの家に転移していた。
「成功だ!」
「え?ちょ、どういう事?何かのドッキリかなんか?」
「おい、話は分かるか?」
「僕ぅ?あたしに何をしたのかな?」
理津子も動じる事もなくロザリオに問いかける。
「話は通じてるな」
「ちょっと、ここどこなの?あたしどこに来たの?」
「かくかくしかじかだ」
「は?つまりあたしに家政婦をして欲しくて召喚したって事?」
とりあえず事情はきちんと説明するロザリオ。
それに対して理津子の反応は。
「うーん、それはいいんだけど、元の世界に帰れるんでしょ?」
「一応研究してる転移の魔法が完成すれば」
「なるほど、それならいいよ、こんな経験まず出来ないしね」
「そうか!ならまず掃除をしてくれ!あと食事も頼む!」
「はいはい、とりあえず家の中見せてね」
ロザリオに案内され上の階に戻る。
それを見た理津子は絶句する。
「うわ、酷いね、どうやったらこんなゴミ屋敷になるの?」
「そういえば名前を聞いてなかったね、僕はロザリオだよ」
「あたしは理津子、香川理津子だよ」
「リツコか、それで掃除は出来そうか」
「一応やってみるけど、これは夜までかかりそうだね」
この世界の事なども一応は聞いておく。
まずは掃除道具を探す事に。
「掃除道具はあるね、でもこのボロボロは買い替えた方がいいよ?」
「うぐっ、なら金は好きに使っていいからリツコが好きに選んでくれ」
「いいの?ならそうするけど」
「お金はそこの引き出しにあるよ、あとこれ、身につけてれば言葉が勝手に翻訳されるから」
「あ、うん、ありがと」
とりあえず古びた掃除用具を手に掃除を開始する事に。
大量のゴミを処理して、その後は掃除、それからは食材の買い出しだろう。
流石の理津子もこの惨状には頭を抱える様子。
とはいうものの気合いを入れてゴミ屋敷の掃除が始まる。
とりあえず時間があったので掴みだけ書きました。
本格的な更新はもう少しお待ちください。