表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
187/336

ワインを使う

最近はすっかり冷え込むようになってきて冬が近いのを感じさせる。

そんな中屋敷にあるワインセラーのワインを何かに使えないかと考える。

アノットはたまに美味しそうに飲んでいるので、それでもいいが。

料理に使う事も出来るので、何かレシピを考える事に。


「なんかワインを持って行ってたけど、何か作るんかね」


「あいつはレシピだけはやたらと多いからな」


「何をするんだろう」


ワインセラーのワインを使って何か料理を考えていた様子の理津子。


そして出てきたのはワインを使った料理だった。


「これなんなん?ハヤシライスかね」


「ビーフストロガノフだね、赤ワインを使って作ったんだよ」


「つまり煮込む際に赤ワインを加えて煮込んだって事か」


「うん、本当は調理用のワインがいいんだけど、ワインセラーのでも使えるかなって」


「とりあえず食べようよ」


ビーフストロガノフは赤ワインを使うとまた美味しさが引き立つ。

煮込み系の料理には赤ワインを使う事も珍しくない。


本当は調理酒としての赤ワインがいいのだが、ワインセラーのものを今回は使う。


「うん、美味しいね、でもワインの風味とか全然しないもんなのね」


「基本的には調味料として使うからね、メインの味になるわけでもないし」


「僕に食べさせても大丈夫なのか?」


「熱でアルコールは完全に飛んでるから食べても問題ないよ」


「なら大丈夫かな」


料理にワインや調理酒などが使われるのは別に珍しい事でもない。

そのアルコールは熱で完全に飛ぶので子供に食べさせても問題はない。


ロザリオももう少しで成人するとはいえ未成年なのは確かだ。


「でもビーフストロガノフとハッシュドビーフとハヤシライスの違いが分からん」


「どれも似てるからね、それについてはあたしも思ってるけど」


「生まれた国が違うとか調理法が違うとか使う食材が違うとかいろいろあるだろ」


「まあそうなんだよね、似てるのは否定しないけど」


「どれもデミグラスソース系の煮込み料理だもんね」


ビーフストロガノフとハッシュドビーフとハヤシライスの違いは意外と分からない。

理津子もその辺はなんとなく感覚で作っているところはある。


違いはあるのだが、その違いを上手く説明しにくいという感じか。


「んで結局違いってなんなの?」


「確かビーフストロガノフはサワークリームを使うっていうのが違いだとは聞いたよ」


「サワークリームなのか、これにも使ってるのか?」


「うん、あとハッシュドビーフとハヤシライスはほぼ違いはないって聞いたけど」


「つまり別の国に輸入された時に名前が間違って伝わったとかかな」


その辺はなんとも言いにくいところはある。

なおビーフストロガノフのビーフは牛肉ではないのだ。


ロシア語で◯◯風という意味のビフの誤植だと言われている。


「はぁ、んまかったぜ」


「デザートも使ってあるからね」


「それもワインを使ってるのか」


「うん、今持ってくるね」


「何を作ったんだろう」


そんなでざーとはリンゴの赤ワインコンポートである。

アルコールは残っているがごく少量なので、恐らくは平気だろう。


若ワインで赤く染まったリンゴの鮮やかさもまた美味しそうに見える。


「こいつはリンゴかいな」


「うん、リンゴの赤ワインコンポートだよ、アルコールは少し残ってるけど」


「僕が食べても平気なものなのか」


「よほど弱くないなら酔わないぐらいの量だからたぶん平気だと思うよ」


「なら食べてみようか」


リンゴの赤ワインコンポート、アルコールは残っているが恐らくは平気だろう。

流石にこれで酔う事はないと理津子も思っている。


理津子自身アルコールはそこまで得意ではないが、こういうのは好きだ。


「うん、美味しいね、リンゴにワインが染み込んでてめっちゃ美味いやん」


「煮込んでるからアルコールはほぼ飛んでるからね、完全ではないけど」


「でも美味しいな、こういう味は僕は好きだぞ」


「そう言ってくれると作ったかいがあるね」


「ワインって結構いろいろ使えるものなんだね」


そんなワインを使った料理も意外と好評だった様子。

とはいえワインセラーのワインは飲むものであり料理には調理用のものを使った方がいい。


全部飲み切るのには相当時間がかかるのと、ビンテージもあるので気軽には使えないのもある。


「ふぅ、満足じゃ」


「ワインはやっぱりワインセラーのより調理用のものの方がいいね」


「そもそも用途が違うんじゃないのか」


「美味しかったと思うけどね、また作ってね」


そんな飲む用のワインは料理にはあまり向かないということ。

味は悪くなかったが、ワインセラーのワインは飲んだ方がいいと思った。


理津子はアルコールを飲むのはそこまで好きでもないので、積極的には飲まない人だ。


アノットに消費してもらうのがいいのだろうと思ったのだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ