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少年はボードゲームが好き

すっかり秋模様になり秋の味覚が美味しい季節。

とはいえ自分の住んでいた世界とは食べ物の旬が違うのは今も慣れない。

それもありつい自分の世界の感覚で食べ物を買ってしまう。

そんな屋敷でロザリオの趣味を見ている様子。


「はい、あたしの勝ち~」


「アノット、お前強いな」


「ロザリオが強いのかアノットが強いのか、肉薄すぎて分からないんだけど」


アノットとロザリオがボードゲームで遊んでいる様子。


ロザリオは普通に強いのだが、アノットも想像以上に強かった様子。


「むっふっふ、少年は詰めが甘いぜぇ」


「おやつ持ってきたよ」


「ああ、すまない」


「そういえば少年はボードゲームが趣味なんだっけ」


「いい勝負してたよ、アノットとロザリオ」


アノットはこれで頭の回転などは速いのだろう。

ロザリオもゲームは普通に強い方ではあるが、アノットも言うまでもなく強い。


今回の勝負は肉薄すぎてどっちが強いのかはよく分からなかった。


「んー、このビスケット美味いね」


「それ牛乳に浸して食べるともっと美味しいよ」


「本当だ、なんなんだこの美味しさ」


「牛乳に浸して食べる事を前提に作ってみたんだけど」


「牛乳に浸して食べるとこんなに美味しくなるんだね」


そんなロザリオはボードゲームは大体は強い。

その一方でアノットも大体は強い。


いい勝負をするのはどっちも強いからである。


「にしても少年はボードゲーム強いねぇ、そういうところは頭いいんじゃろね」


「チェスか、あとはオセロとか、将棋とか囲碁はやらないの?」


「オセロ?リバーシじゃないのか?あと将棋と囲碁って確か東の国のやつだろ」


「ああそうか、でも将棋とか囲碁は手に入ったりしないのかな」


「注文すれば手に入るんじゃないかな」


オセロではなくリバーシなのはこの世界でもそうらしい。

そもそも本来がオセロではなくリバーシなのは理津子の世界でもそうだ。


なのでリバーシというのは寧ろ正しい。


「少年はボードゲームが好きなんね、この強さも納得だわ」


「あたしはボードゲームはあまりやらないかなぁ、人生ゲームとかはやるけど」


「人生ゲーム?なんだそれ」


「あたしの世界のボードゲームだよ、すごろく式のボードゲームね」


「すごろくって確か東の国のボードゲームだよね」


理津子はボードゲームはそこまでやらないタイプだ。

とはいえたまに人生ゲームをやったりする事はあるらしい。


こっちの世界で人生ゲームと言っても通じないだろうが。


「んでその人生ゲームってどんなゲームなん?」


「ルーレットを回して出た数だけ進むやつ、進むごとに人の人生に見立ててある感じかな」


「でも人生なんて人によって違うのに、ゲームだとそんな感じなんだな」


「だからなのか何年版みたいなその時代に合わせたものが出てくるんだよね」


「つまり毎年のようにリニューアルされるんだ」


人生ゲームとはいえその人生は時代にそぐわないとも言えるかもしれない。

結婚は必ずするものでもないし、子供も必ず生まれるものでもない。


そうしたところは昔の価値観がそのまま残り続けているとも言えるのか。


「とはいえすごろくねぇ、つまり紙とサイコロがあれば作れるんっしょ」


「まあ作れるといえば作れるかな」


「とはいえ作ると何かと理不尽になりそうだから、やるなら買ったものでやりたいな」


「それは分からなくはない」


「東の国のボードゲームなんかはそれを扱ってるお店に行けば買えるんじゃない?」


ここは港町であり貿易港でもある。

なので恐らく将棋や囲碁、すごろくなんかも手に入らないという事はないはずだ。


せっかくだから探してみようかとなった。


「その将棋とか囲碁とかここなら探せば売ってるはずよね」


「貿易港だもんね、この街は」


「なら今度探しに行くか」


「まずはルールを覚えるところから始める事になるだろうけどね」


「でもそれも楽しそうだからいいんじゃないかな」


東の国から何かと入ってくる事も多いこの街。

貿易港という事もあり、異国のものが何かと手に入りやすいのだ。


海の向こうの外国のものが入ってくるのは貿易港だからこそである。


「このビスケット美味しかったねぇ」


「それはどうもね」


「浸して食べると美味しくなるなんて不思議だな」


「不思議なビスケットだったね」


そんなロザリオの趣味でもあるボードゲーム。

アノットとはいい勝負が出来るので楽しそうである。


アノットが強いのかロザリオが強いのかはよく分からない。


どっちも強いという事にしておこうと思った。

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