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ご飯が進む味

夏も始まりここから暑い季節がやってくる。

そんな夏は食欲も減衰しやすい季節でもある。

とりあえず食べて体力はつけておくに越した事はない。

冷たい料理も多いがそれと同時にスタミナ系の料理も増える季節になる。


「すっかり夏モードだねぇ」


「あいつが言うにはこっちの夏は全然涼しいらしいな」


「リツコの世界の夏ってそんなに暑いのかな」


そんな夏にはきちんと食べる事は大切なのだ。


とはいえスタミナ料理は味が偏りがちなイメージもある。


「また結構な強烈な匂いがするもん作ったねぇ」


「スタミナ料理の定番はにんにくだからね」


「口臭が酷くなるんだから、あまりにんにく料理を出されてもな」


「そこは我慢してくれると嬉しいけど」


「でもにんにくはそんなスタミナがつくものなんだ」


理津子の世界ではスタミナ料理といえばとりあえずにんにくなイメージでもある。

にんにく料理はそれだけスタミナがつくイメージが定着しているのだろう。


美味しいけど口臭が大変な事になるのはご愛嬌。


「にしてもにんにく料理ってなんでこんな白ご飯が進むんだろうね」


「あたしの世界というか国だととりあえずお米が欲しくなる国民性みたいな感じだし」


「そういえば米食文化の国だったか」


「うん、インスタントラーメンの残り汁に白米投入して食べたりするし」


「ラーメンのスープに白ご飯を入れるの?」


理津子の住んでいた国はとりあえずご飯が欲しくなるような味付けも多い。

塩気が強い料理が多いからなのかとも思う。


洋食にもとりあえず米が欲しくなる感じでもある。


「にんにくの味がする料理は多いって事よね、りっちんの世界だと」


「うん、そのまま食べるより味付けとかに使う事の方が多いかな」


「それそのものを食べるんじゃなくて、味付けに使うっていうのがなんか不思議だな」


「にんにくもそのまま食べるんじゃなくて、ソースとかにする事の方が多いだよね、たぶん」


「にんにく料理もそれを調理するよりソースとかにした方が美味しくなるのかな」


にんにくの使い方としてはそのまま食べるよりソースなどにする事が多い。

そのまま食べてもいいのだが、加工した方が不思議と美味しく感じる。


炒め物や麺類などにんにくの味が効いた料理は多いのだ。


「りっちんもスタミナ料理っていうとにんにくが正義とか思ってるん?」


「うーん、そういう料理が多いのは事実だけど、正義とは思ってないかな」


「そんなものなんだな」


「ただにんにく料理はたくさん食べられるっていうのはあると思うよ」


「不思議とたくさん食べられる料理って事なんだね、なんか不思議かも」


にんにく料理はご飯が進む料理とも言える。

理津子の国はおかずがあるからご飯が進むみたいな食文化でもある。


ご飯が進むような味付けこそが理津子の料理の真骨頂でもある。


「でも確かにりっちんの作る料理って白米がモリモリ食べられるよね」


「あたしの国だと米食文化だからこそ米が進む味のおかずが発達したのかもね」


「つまりおかずの量に反して米を大量に食べる文化なのか」


「うーん、寧ろおかずがあるからご飯をたくさん食べられる感じかな、味とか考えても」


「ご飯が進むってつまりおかずの味がご飯をたくさん食べられるようになってるみたいな?」


分かりやすい例えを出すなら定食屋や体育会系の食事といったところか。

そういう食事は白米をたくさん食べるがそれはおかずがあってこそ成立する。


そしてそのおかずの味付けこそが無限白米と言ってもいい味になっているのだ。


「でも確かにりっちんの料理の味って特におかずは白米がモリモリ消えるよね」


「あたしの家は大衆食堂だしね、だからご飯が進むおかずは得意なんだよ」


「米食文化だからこそな感じはするな、おかずの味付けも含めて」


「うん、大衆食堂だったのもあってご飯が進むおかずの味も勉強したし」


「ご飯が進むおかずか、にんにくの味もそうだけどそういうのってあるんだね」


理津子の作る食事は主に白米が進む味になる事は多い。

それは家で見てきた味でもある。


多様な料理を作れるようになった今でも原点はご飯が進むおかずと白米なのだ。


「はぁ、んまかったぜぇ」


「うん、夏はしっかり栄養を摂っておかないとね」


「お前の料理の原点はなんとなく分かった気がするな」


「ご飯が進むおかずと白いご飯だね」


そんな理津子の料理の原点。

今はご飯が進むおかず以外にも多様な料理が作れる。


麺料理や洋食も当然美味しいし作っていて楽しいものだ。


やはり食事とはおかずとご飯、これが育ってきた食事なのだから。

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