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秘蔵の部屋

流されるままアノットを引き取ったロザリオ。

理津子は一応取り扱いについては分かっている様子。

そんな中、屋敷の部屋には使っていない部屋も結構ある。

そこで見つけたものは亡くなった父親の秘蔵の品がある部屋だった。


「ねえ、地下に鍵のかかってた部屋があったけど、鍵ないの?」


「あ、それはあたしも思ってた、あの部屋ってなんなの?」


「それか、鍵ならあるんだけど僕には早いんだよ」


ロザリオには早い部屋、アダルトなものではなさそうだが、なんの部屋なのか。


一応成人済みでもあるアノットは中を見たいという。


「鍵のありかは知ってるんでしょ?貸して」


「流石に放置してたらマズいかな…少し待ってて」


「地下室だから、何かの冷暗所かな」


「どうなんだろ、でも何かの保管庫っぽいよね」


少ししてロザリオがその部屋の鍵を持ってくる。

それをアノットに渡して、好きにしていいという。


ロザリオは興味はないそうなので、理津子とアノットで見に行く事に。


「ここだね、んじゃオープンっと」


「なんの部屋なのかな」


「すんすん、この匂いはアルコール?」


「もしかしてワインセラー?」


「とりあえず入ってみようぜぇ」


そうしてその部屋に入ってみる事に。

その部屋の中は理津子の思った通りのワインセラーだった。


「はぁ~、大したもんだねこいつは」


「あたしはお酒は飲まないんだけど、ここのワインって高いのかな」


「んー、見た感じだと80年ものとかはあるね、価値に直すと70万ぐらいじゃね?」


「そんなにするんだ」


「産地を見る限りだと竜界産だよ、竜界産ならそれでも安いのよ」


アノットが言うには竜界は農業や酒造業が盛んらしい。

ちなみに酒造業は竜界と地界が二大産地だという。


ビールなどの酒は地界が強く、ワインなどの酒は竜界が強いそうな。


そんな竜界産の80年ものなら70万でも安いという、ビンテージらしい。


「これどうするのかな、お父さんのコレクションとはいえそのままにするの?」


「なら飲もうぜぇ、亡くなったパパさんには悪いけど、お酒は飲んでこそでしょ」


「あたしはお酒は飲まないんだけど、美味しいの?」


「むふふ、ならこのアノットさんがお酒について指南してしんぜよう」


「お酒にも詳しいんだ」


「あたしを誰だと思ってんの、お酒に合うお菓子も散々食べてるアノットさんだぜ」


悪いとは思いつつも、ここのワインは飲む事にした。

そのままにしたら流石にもったいないし、飲んでこそなんぼだとアノットは言う。


食べ物でも飲み物でもきちんと消費しなければただの堆肥になるだけだと。


とりあえず一本持って部屋を出ようとした時。


「あれ?人だね、こんなところにどうしたの?」


「…なんか言った?」


「何も言ってないよ?」


「ここだよここ」


「…人が浮いてるね」


「もしかして幽霊ってやつ?」


そこには女の子がふわふわと浮いていた。

一応話を聞いてみる事に。


「えーっと、おたくはどちら様?」


永坂紫音(えいさかしおん)だよ、今はこの屋敷は別の人が住んでるの?」


「別の人って事は、前の主人の時の?」


「うん、元々ここは私の家だったんだけど、私が亡くなった時に親が引っ越してね」


「それで紫音が霊になってこの屋敷に留まってると?」


どうやらロザリオの家族が暮らす前に暮らしていた家族の一人娘らしい。

ちなみにその話は70年ぐらい前の話らしいので、屋敷が改装される前の話だ。


「私はこの家の敷地からは出られないけど、家の中なら好きに行けるしね」


「ふーん、なら上に来る?」


「いいの?」


「そっちがいいなら」


「ならそうする、久しぶりに人に会ったしね」


とりあえずそのまま紫音を連れて上に戻る。

聞く限りでは地縛霊のようだが。


「うちに幽霊なんかいたのかよ」


「意外と驚かないね」


「お父さんが古い屋敷を改装したって言ってたけど、それなら納得だよ」


「とりあえずお酒はもらうね、それより酒の肴が欲しい」


「ならあたしが何か作るよ、夕食の買い出しのついでに何か探してくる」


「任せた!リツコ!」


「私もリツコのご飯が食べたい」


「はいはい、一人分増えるぐらいならいいよ、それじゃ行ってくるね」


「詳しく聞かせてもらうからな」


「分かった、昔の話ね」


地下の部屋はワインセラーだった。

コレクションしたロザリオの父親には悪いが、ありがたくいただく事に。


ついでにそこで出会った紫音にも話を聞く事にした。


この屋敷も秘密はまだまだありそうだ。

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