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春が近づく

自分の世界もこっちの世界も春が近づきつつある様子。

とはいえまだ寒さは続くので、春本番はまだ先の話。

ただ季節的に梅の花が咲いて桜に移り変わっていく季節でもある。

春の味覚が味わえるのはもう少し先になりそうだ。


「そういえばこっちの世界にも桜とか梅の花があるんだね」


「なんでも昔東の方にある国との国交の証で植樹されたって聞いたぜ」


「へぇ、この国って東の国と国交があるのか」


東の方にある国との国交の証で植えられた桜や梅の木。


港町であり、明らかに理津子の住んでいた国にあったようなものがある理由のようだ。


「んでりっちん、また何か買ったんかね」


「こっちだと旬があたしの世界と違うからねぇ、それにはまだ慣れないよ」


「春が旬だとぶどうとかアジなんかは美味しい季節だよ」


「へぇ、そういうのが旬なんだね」


「あたしが好きな春の味覚っていうとやっぱりぶどうよね、ワインも美味しい季節だし」


こっちの世界の春の味覚はぶどうやアジ、他にはタラなんかが旬らしい。

果物で春に旬を迎えるのはぶどうや桃、青りんごなどだとか。


他にも輸入食品だとこの季節は豚肉が美味しい季節なのだとか。


「植物の旬自体はりっちんの世界とそこまで変わらないっぽいけどね」


「あー、それは確かに、梅の花は開いてるし桜も蕾になってるもんね」


「そういうのを使ったお菓子とかなんかないんかね」


「桜とか梅か、桜の葉の塩漬けを和菓子に使うとかはあるね、桜餅とか草餅とかそういう」


「ふーん、ならそういうのに期待していいんかね」


草花などの旬は大きく違うという事はない様子。

その一方で果物や魚などの旬は違うというのがこっちの世界だ。


他にも野菜や山菜なども旬が違うとのこと。


「春の味覚がそろそろ出回り始める時期だけど、なんか作ってくれるん」


「そこはもう少し暖かくなってから考えようかな」


「りっちんの世界だと春に美味しいものって何があるん」


「春の味覚か、多いのは植物の味覚かな、たけのことかキャベツとかそういうの」


「ふーん、そういうのが多い理由ってやっぱり冬を耐えたからとかなんかい」


春に美味しいものは春キャベツや新じゃが、たけのこや菜の花、タラの芽など。

そうしたものが多い理由は寒さを越えて糖度が高くなったから美味しいとのこと。


通年で食べられるじゃがいもや玉ねぎだが、旬に食べるとやはり美味しいらしい。


「通年で食える野菜とかでも旬に食うとやっぱり美味いんよねぇ」


「それは分かる、春に食べる新じゃがとか新玉ねぎとか甘くて美味しいんだよねぇ」


「りっちんの世界の野菜って甘いっていうのは散々言ってるよね」


「うん、そういう風に品種改良したのもあるけど、糖度が高いんだよね」


「甘くなるように品種改良するとか、どんだけ甘い味が好きなのやら」


その甘い野菜の凄さはそれだけではない。

そのまま食べると辛い玉ねぎや大根が生で食べられる程度には甘いのだ。


それはアノットからしたら信じられない話でもある。


「旬のものが美味しいのはそうだけど、甘い野菜ってのは努力を感じるわよねぇ」


「玉ねぎとかネギとか大根も生でイケる程度には甘いからね」


「それは流石に嘘よね?それらの野菜って全部生でかじると口の中が大事故になるのに」


「嘘じゃないよ、生で食べても辛くない玉ねぎとかあるし」


「そんな野菜が作れるとか、どんな品種改良したんよ」


旬のものが違うのにはまだ慣れないのはある。

とはいえ草花などは大きく変わらないようで、桜や梅などは何かに使えそうである。


他にも何か手に入ったら使ってみようと考える。


「そうだ、そんな話してたら玉ねぎが食いたくなったんだけど」


「玉ねぎか、そういえば買ったからそれで何か作ろうか」


「少年も野菜はそこまで好きでもないけど、料理はきちんと食べてくれるしね」


「だね、そういうのは偉いし、玉ねぎか…魚も買ったし玉ねぎ天でも作ろうかな」


「いいねぇ、そういうの好きだし期待してるぜぇ」


玉ねぎ天、魚肉に玉ねぎを混ぜ込んで揚げるさつま揚げのようなもの。

かき揚げのような天ぷらではなく、さつま揚げのような揚げ物にするのがいいという。


かき揚げにするなら他にも使うものを揃えて作りたいというのが理津子らしい。


「さて、んじゃ美味しい玉ねぎ料理期待しとるぜぇ」


「うん、それじゃ帰ろうか」


「あいあいさー」


アノットのリクエストでお昼は玉ねぎ料理にする事に。

ロザリオも野菜は好きな方ではないが、きちんと食べてくれる。


そういうところは割としっかり者な感じもする。


旬が違うという事には今でも慣れないものなのだ。

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