定額サービス的なそれ
こっちの世界でも大きく変わらないネットが使える理由。
それは機界人が構築したネットワークであり回線もとても太い。
理津子の世界に比べたら速度も速くそれでありながら軽い。
ただサービス的なものは異なるようで。
「りっちんってネット通販でいろいろ買っとるよね」
「通販はなんだかんだで便利だからな」
「機界との交流で大きく変わったもんね」
そんな理津子が気になっているもの。
それはこっちには映像作品の配信などのサービスが少ない事らしい。
「お、美味そうなふかし芋じゃん」
「うん、さつまいもが安く手に入ったからね」
「旬ではないけどな、まあ芋は一年中食えるものだけど」
「おやつにふかし芋もいいものだよ」
「だね、お芋は腹持ちもいいし」
そんなふかし芋をかじりつつ理津子が少し気になっている事。
そもそもを言えばこっちの世界にはドラマやアニメがそもそも少ない。
テレビ局自体はあるのだが。
「りっちんってアニメとか好きな人なん?」
「うん、割と見るかな、ただこっちはそういうのって少なかったりするの?」
「そういうのを放送してたりはするけどな、まあ数はそんなに多くないぞ」
「定額サービス的なものってないのかな」
「それってネットでテレビ番組的なやつかな」
セルベーラが言うには配信サービスはあるにはあるらしい。
ついでに言えば放送と同時配信なのでテレビの前に鎮座する必要もない。
ただしサービスの数自体は多くないのだという。
「そもそも携帯でネットが使えないからね」
「配信サービスも基本的に家で見るものって事か」
「ああ、それと基本的にジャンルによってそれを扱う事業者が決まってたりするしな」
「つまりドラマならドラマ専門チャンネルがあるみたいなこと?」
「そうだよ、だからアニメが見たいならアニメ専門サービスに加入すればいいし」
こっちの世界では定額サービスは基本的に専門チャンネル的な感じで運営されている。
つまり理津子の世界で言う時代劇専門チャンネル的な感じだ。
なのでアニメが見たいならアニメ専門のサービスを契約すればいいみたいな感じである。
「そもそもユーザー層って大体決まってるしね」
「アニメのユーザー層とドラマのユーザー層は違うみたいな話かな」
「映画の定額サービスもあるしな、基本的に専門チャンネルで配信してるけど」
「つまりアニメならアニメで映画も配信してるんだ」
「専門チャンネルみたいなものだからね、そういうサービスは」
理津子の世界だと旧作含め一つの定額サービスで何万作品とあったりする。
そういうのは世界による考え方の違いなのだろう。
ドラマが多いサービスもあるしアニメが多いサービスもあるように。
「りっちんの世界の事情は知らんけど、こっちは数が多くないしね」
「それなら専門チャンネルみたいにした方が楽なのかな」
「ユーザー層が被る事が多くないのも影響してるんだと思うぞ」
「でもサービス自体はあるなら加入してみようかな」
「リツコの世界のアニメとかドラマってどんな感じなんだろう」
アニメでもドラマでも理津子の世界と比べると趣向は当然異なる。
それもあり受け取る側である理津子も興味深そうに見ている。
こっちの世界のアニメもそれはそれで面白いようだが。
「りっちんってアニメを見る人だったんだね」
「うん、まあ好みの作品って言われると男の子向きな作品が多いけど」
「つまりヒーロー物とかバトル物みたいなそれか」
「かっこいいが好きなんだよね、いつから好きになったのかは覚えてないけど」
「リツコって好きなものがイメージと違う感じが多いよね」
好みに関しては人によるのでなんともである。
ただ理津子はアニメは好きだしかっこいいが好きなのである。
とりあえず定額サービスには加入してみようと思った。
「そういえばサービスの支払い方法って知っとるん?」
「カードとかウェブマネーでいいんじゃないの?」
「まあそうなんだけどな、とりあえずそこはサービスのサイトのヘルプでも見ておけ」
「だね、その方が早いかな」
「定額サービスはサービスによって値段は大きく変わらないから迷う必要もないしね」
サービスに必要な金額は契約の期間で変わる。
ほぼ全てのサービスで一ヶ月から始まり最長で一年の契約が出来る。
契約期間が長いほど少しではあるがお得になるのは理津子の世界と変わらないようだ。
「とりあえずアニメの見すぎにならないようにね」
「こっちは携帯で見られないからなおさらだよ」
「仕事に支障を出さないなら好きにしていいからな」
「こっちの世界のアニメも面白いと思うしね」
そんな定額サービスはあるがほぼ専門チャンネルなのがこの世界。
映画のサービスはそのサービスで一緒に扱っているらしいが。
なのでアニメのサービスならアニメ映画も見られるという仕組みだ。
こっちの定額サービスは基本的にはほぼ専門チャンネルなのである。