表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
125/336

贅沢を作る

お菓子作りも覚えて最近はそっちにも精を出す理津子。

そんな中前から好きだったというお菓子がある様子。

父親から作り方を聞いているらしくそれを作ろうと思いつく。

そのお菓子というのは要するに少し贅沢なやつというやつだ。


「りっちんお菓子作りもすっかり上達しおって」


「あいつ飲み込みは速いよな、掃除とか街の地理も覚えてるし」


「成績がよくなかったって言ってるの嘘じゃないかと思うよね」


そんな理津子が持ってきたお菓子。


それは父親がたまに作ってくれていたちょっとした贅沢。


「お、美味そうなお菓子じゃん」


「うん、ちょっとした贅沢だよ」


「贅沢って外食のイメージもあるけどな」


「お父さんから教わったやつなんだよね、これ」


「基本的に自分から覚えるリツコにしては珍しいね」


そんなちょっとした贅沢とは分かりやすく言うとお土産にするようなやつ。

それの作り方を知っていたようで、それを父親から教わったらしい。


なので基本的には買って食べるもののようなそんなお菓子だ。


「ん、これ美味しいね、でもこれってちょっとした贅沢なん?」


「うん、あたしの世界だとお土産にするようなお菓子だね」


「それの作り方を知ってるって凄いな」


「まあそのままってわけじゃないけどね、類似品みたいなお菓子だよ」


「でもちょっとした贅沢なんだね、これ」


評判は割といい様子。

ちょっとした贅沢というのもそれはお土産にするようなものだからとのこと。


買うとそれなりにいい値段がするお菓子だからである。


「でもこれ美味いね、りっちんの世界ってお土産にこんな美味いもん持ってくのね」


「うん、まあ地域によってその地域独自のお菓子があったりするからね」


「お前の世界ってそんなにいろいろあるのか」


「だからお土産にするのはそういうお菓子を選ぶ事は多いよね」


「ふーん、お土産には食べられるものが多いのか」


お土産には食べられるものがいい。

それは理津子の世界では割と言われている事でもある。


かさばらずに食べればなくなるというのは場所を取らないからなのもある。


「まあゴミは出るけど置く場所とかを取るもんは正直どうかと思うよね」


「お土産に食べ物をよく選ぶのもそういうスペースを取らないためだしね」


「でも残るものの方が嬉しい人もいるだろ」


「それはそうなんだけどね、そこは人によるかな」


「何がいいかは分からないもんね」


家族なんかの場合は食べられるものの方がいい。

ただ残るものの場合どうするんだこれみたいになるものも多い。


食べ物を選ぶ事が多いのはそんな何を贈ればいいのかという迷いから生まれたりもする。


「でも相手が何を欲しがってるか分からないと食べ物を選ぶのは無難って事よね」


「そうなんだよね、場所を取らない事もあるけど食べ物なら無難っていう考えもあるし」


「それは分からなくはないな、もらっても嬉しくないものを土産にもらっても困るし」


「こういうお菓子もそんな無難な選択肢で選ばれる需要なんだよね」


「食べ物なら迷惑がられる事も少ないもんね」


そんなお菓子の作り方を知っている理津子の父親。

とはいえコピーではなくあくまでも類似品。


味に大きな差がないだけの話である。


「でもあたしなら食べ物の方が嬉しいかねぇ」


「アノットはそっちの方が確実に喜ぶもんね」


「食い意地の塊だからな、アノットは」


「まあその方が選ぶ手間がなくていいけどね」


「アノットには甘いお菓子を買っておけば安心だもんね」


アノットは甘党でありお菓子を買っておけば問題ないというのは浸透している。

お菓子をお土産にするのはあくまでも無難な選択肢を選ぶというだけの話。


そんなお土産の定番を作って食べるというのも少し変な話ではある。


「りっちんって甘党だったりするん?」


「うーん、甘いものは好きだけど甘党ってほどでもないとは自分では思うよ」


「その割には甘めの味付けが多い気はするけどな」


「あー、それはあたしの国だとそういう味付けが珍しくないからだと思う」


「つまり甘辛とかそういう甘さを加える料理が普通だからなんだ」


理津子は甘いものは好きだが甘党とまではいかない。

ただ味付けに甘めのものが多いのは日本人の性なのかもしれない。


美味しく食べてくれるのならそれでいいのだが。


「とりあえず美味しかったぜぇ」


「うん、どうもね」


「たまにはこういうのもいいな」


「少し変わった感じだったけどね」


そんなお土産で有名なお菓子を作る。

それはレシピを教わっているから出来る事でもある。


父親はそうしたレシピも知っている不思議。


ただし類似品にアレンジされているのは事情があるのだろうが。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ