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揚げ物に醤油

最近は自分の世界の事情もたまに調べる理津子。

自分の事も調べられるようになり流行りの食べ物などにも興味を示す様子。

そうしたものは材料などを調べてそのうち作る事に。

そんな中食卓で理津子の意外な食べ方を見る。


「お昼は揚げ物なんかね」


「なんか牡蠣が安く手に入ったから牡蠣フライなんだそうだ」


「牡蠣の旬って夏だもんね」


理津子の世界とは食材の旬が違うのがこの世界。


なので牡蠣の旬はこっちでは夏なのである。


「こんがりいい匂いがするね」


「お待たせ、牡蠣フライが揚がったよ」


「旬の牡蠣は身が大きくて美味しいからな」


「フライならノロの危険もかなり減るしね」


「それより食べようよ」


そんなわけで旬の牡蠣を使った大振りな牡蠣フライ。

つけるものは一通り用意したのでお好みで。


とはいえ揚げ物にはソースかタルタルが多いのはこっちでも変わらない様子。


「ん?りっちんさ、揚げ物に醤油を使う人なの?」


「これ?あたしは海鮮系の揚げ物には醤油派な人だから」


「海鮮系って事は肉とかはまた別なんだな」


「うん、とんかつとかハムカツなんかはソースだよ」


「ふーん、そこは好みなんだね」


理津子が言うには海鮮系の揚げ物は醤油派らしい。

その一方で肉系の揚げ物はソース派なのだという。


揚げ物に醤油というのはこの世界に関係なく珍しいのかは知らないが。


「でも揚げ物に何をかけるかなんてのは好みだしいいんかね」


「目玉焼きに何をかけるか論争なんてのもあるからいいんじゃないかな」


「まあそうだよな、僕は目玉焼きには塩コショウ派だけど」


「少年、塩コショウなんだ」


「好みは人によるよね」


そんな何をかけるかの好み。

それについては個人の好みでしかないので文句を言っても仕方がない。


焼き鳥は塩かタレかみたいな話もあるのだから。


「でもそういうのって論争が絶えんよねぇ、自分の好きを否定されたくないっての」


「そういう否定的に入ってくる人ほど通を語ったりしてるからタチが悪いというかね」


「確かに海鮮系の揚げ物に醤油も否定するものでもないだろうしな」


「飲み会で料理ばかり頼んでた時もそういう人にムカッとした事はあったもん」


「リツコって料理が好きだからそういうのにはうるさそうだよね」


理津子は料理好きだからこそ味付けの好みはその人の好きを尊重する。

どんな味でもその人の好きな味はそれでいい。


通を語って焼き鳥には塩みたいに語る人が特に嫌いなタイプの人らしい。


「まあ好きならそれでいいよね、押しつけはよろしくないよ」


「好みなんて人によるんだから、それで通とか語られてもイラッとするしね」


「僕は子供っぽいとか言われた事はあるな」


「少年は思春期で味覚が変わっていく時期でしょ」


「私は機械だけど、味覚は機能として一応付いてるしね」


調味料というのは人類の発明の一つでもある。

食材の味がなどと言う人も理津子は基本的に信用しない事にしている。


本当に美味しい食材も知っているが、食材の味を強調する人は分かってないと思うからだ。


「りっちんってお父さんの影響が強い人って分かるよね」


「まあ料理好きになったのは確かにお父さんの背中を見て育ったのは大きいけど」


「そもそもどんな世界でもプロと呼ばれる人は男の割合が多いものだからな」


「そうなんだよね、ホテルの厨房とか男ばかりだってお父さんは言ってたよ」


「肉体的な構造とか頭の作りみたいなのが男の人の方が一芸特化なんだよね」


理津子の父親から聞いているのはホテルの厨房は男ばかりだということ。

女性がいないという事ではなく料理の世界というのは体力や腕力が求められること。


多くのプロの世界で男の割合が多いのは男は学者脳で一芸特化になりやすいのだと。


「なんにせよりっちんの好みは分かったかね」


「うん、お刺身とかは醤油で食べるんだから海鮮系の揚げ物に醤油も美味しいんだよ」


「確かに海鮮系の料理は醤油で食べる事が多いから、揚げ物に醤油もおかしくはないんだよな」


「でしょ?揚げ物だけソースやタルタルっていうのは海鮮として変だと思うし」


「ソースやタルタルが合うのは事実だけど、醤油でも美味しいって事だよね」


そんな理津子は醤油で牡蠣フライを美味しそうに食べている。

海鮮系の揚げ物に醤油というのは他の料理は醤油だからおかしくないだろうということ。


揚げ物に何をかけるとか目玉焼きには何をかけるとかの論争に世界は関係ないのだ。


「ふぅ、満足満足」


「牡蠣フライはやっぱり大ぶりのやつが最高だよね」


「旬だからな」


「とろけるように美味しいしね」


そんな牡蠣フライに満足した一同。

理津子は海鮮系の揚げ物には醤油派。


美味しいのならそれでいいのだという持論。


やはり味覚は人によるのである。

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