episode:77
翌日僕達は朝からお城へ来ている。
レイ、ララ、僕、そしてアミの4人だ。
いつもの部屋で国王と宰相が待っていた。
「急ぎの面会と聞いているが…聖国関係でまた何かわかったのか?」
「いえ。聖国は関係するんですが…」
僕達の前にアミが出る。
「お初にお目にかかります。アミュート・アルテミス。今代の聖女でございます」
「うわー…まさかルイフ君。聖女様をさらって来ちゃったの?」
「ルイフよ…何人嫁を作ってもレイナードを大事にしてくれるなら構わないと思っておる…しかしな…聖女様をさらって来たとなると国家間の問題になるぞ…」
「ちょっと待ってください。お二人共誤解しています」
なんでみんな僕が女性を連れてくると嫁になると思うのだろうか…
心当たりがあるが、そんなつもりはない。全て誤解である。
僕は経緯を話した。
「ふむ…理由はわかったが。城に置いて置く訳にも行かんぞ?聖国からの人間も頻度は高くないがお城に来る。もし見つかったら大変な事になるぞ?理由はどうであれ王国が攫ったと言われでもしたら戦争になってしまうだろう…。かと言ってずっと閉じ込めておくわけにもいくまい」
あれ…国王様ならいいと言ってくれると思ってたが、
そうはいかない事もあるようだ。
「それならルイフ君の家に住めばいいじゃないか。あそこは学園がすぐ側にあるし聖国の関係者が寄るような場所じゃないからね。それに庭でワイバーン亜種を飼っている家以上に安全な場所もないと思うんだ。聖女様をどうするかの結論は直ぐには出せない、でも悪いようにはしないからとりあえずルイフ君が面倒見るって事でどうかな?」
あれっ…押し付けられてる?
「面倒ごとだから押し付けてる訳ではないですよね?」
「そんな訳ないよ。それが最善だと考えただけさ」
「そうだな。国としての対応は考えるとして、暫く住むのに一番いいだろう。レイナードやララとも仲が良さそうだしな」
レイもララも嬉しそうにしている。
仕方ないか…
「わかりました…では僕の家でお預かりする事にします」
「うん、頼むよ。それよりも来月もお披露目の準備もしておいてね」
「何かするの?って顔しているぞ…」
「大丈夫よ。ちゃんと私達が用意しているわよ」
「あれ…何かするの?僕」
「違うわよ。正装で行かなきゃ行けないのにルイフ持ってないでしょ?服を買った時にサイズ測ってたから、爵位を貰うって聞いた時に私達で注文しに行ったのよ」
「そうだったんだ。ありがとう。色々忙しかったし、爵位なんて貰った事ないから…後回しで考えてた」
「旦那のフォローをするのが妻の役目だもの気にする必要はないわ」
「うん、私達の役目」
「立派になったものだ…こうして娘達は離れていくのだな…」
「他にも爵位を受け取った後にパーティーを開いたりしないとなんだけど…ララがいるから大丈夫そうだね。一通りは教えてあるからわからない事や困った事があったら言ってくれるかな」
何もわからない…ララがいてくれてよかった。
「ええ、任せてちょうだい」
話が終わった所で一度屋敷へと帰る。
屋敷へと帰ってから皆んなにアミが一緒に住む事を話すと大喜びしていた。意外にもレイが一緒の部屋を申し出た。
早く部屋を増やさないとな…
一国の王女を相部屋にしておくのはどうかと思う。
だが、仲がいいようで二人共嬉しそうだから甘えておく。
「ルイフこれからの事を一様話しておくわね、街の事もあるからもう少し後でと思ったけどいい機会だわ」
・爵位を貰う
・これからお世話になる貴族や、先輩貴族への挨拶、伯爵としてのお披露目を兼ねたパーティーを1年以内に開く。
・街の進む具合で、大工や、向こうの街で商売をしてくれる商会を探す。
・ある程度形になったら移民を募る手配
「わー…やる事いっぱいだね」
「それより、街はどうなのよ?あんな何もなくて危ない所本当に開拓なんて出来てるの?」
「大丈夫だよ、後…2ヶ月もすれば僕達が住むには問題ないくらいにはなってるはずだよ。移民を募るとなると別だけどね」
「そう…ならパーティーもそこで開くのがいいわね。半年程余裕を見ましょうか」
「うん、それでお願いしていいかな?」
「任せて。やっておくわ」
これで半年以内に人が来てもおかしくない街にしなければいけなくなった。期限を決めた方が人間やる気が出るものだ。
そして更にやる気が出る事があった。
夜いつも通り、ガチャを引いて見る…最近は余り期待しなくなっていた、ただステータスやスキルのlvが上がるだけでユニークスキルが出るわけではない今のままで十分だ。そう思っていた。
そして出たのは【錬金】のスキルだ…思わず目を疑ってしまった。
主人公特権的なのとは僕は縁がないと思っていたが街を作っているこのタイミングで覚えられるとはラッキーだ。
といっても、普通の人からすると外れスキルなので出る事自体が珍しい訳ではない。一般的には希少なだけで詐欺のようなゴミスキルだ。
ただ、今の僕には喉から手が出る程欲しかったスキルだ。これで僕の思い描く街作りに一歩近づくだろう。
早速僕は持っていた大量の石などを錬金してみる事にした。
街作りの際に出た余分な残骸だ。
イメージはとりあえず鉄のインゴットだ。
「錬金」
一気に魔力が吸い取られる。
うわ…こんなに使うのか魔力。
でも、出来たみたいだ。
僕は魔力があるだけ全てを使い、作りまくった。
純度の高いインゴットがおよそ200個出来上がった。
1つが煉瓦1個くらいの大きさだから…街を錬金で装飾して行くって考えるととんでもないな。
「あら、錬金覚えたのね」
「うん、街作りで出た余分な石や草、土とか大量にあったからさ、全部鉄のインゴットに変えてみたけど、魔力全部使って200個しか出来なかったよ。街作りで大活躍、ってしたかったけど魔力量が厳しいね」
「200個も作れる事自体錬金スキルを覚えてる人で異常なのよ?そんな残骸から、それにその純度わかってる?通常の物よりもかなり高いわよ。街作りの壁とかなら、表面だけとか工夫も出来るし、スキルのlvが上がれば必要な消費量がかなり減るわよ?過去にあげた人が居ないからどこにも記録は残ってないけど」
「確かに!市場に流したらこれだけで生きていけるね。表面だけミスリルとか丈夫な素材に変えれば消費量も抑えれる訳か…全部をする必要は確かにないもんね。後半少し楽に出来た気がしたのは錬金のスキルlvが上がったからかー。沢山作ったからlvも上がるよね」
よし、いい事を聞いた、さすがは女神だ。
誰よりも知恵がある。意外と僕の最大のチートは女神かも知れない。
明日に備えて眠りにつく…




