episode:71
休憩時間に入ってすぐ、僕とレイは国王様に呼ばれ、王国専用の来賓者席へと行く事となった。
「ちょっと国王様に呼ばれたから行ってくるね」
「あら、そう。きっとレイをベタ褒めするのね」
「きっとそう…」
「あんまり嫌そうな顔しちゃダメよ」
「努力する」
迎えの者に部屋の前に案内される。
コンコン コンコン
「国王様、レイナード様とルイフ様をお連れ致しました」
「通していいぞ」
ガチャ
入ると国王様ともう一人知らない人物がいた。
ここに居るってことはこの人が王国最強か?ファムの父親の僕のイメージとは全然違う。歳は40くらいだろうか、茶髪で単発の正統派なイケメン騎士にしか見えない。剣が全てとか言うような人物には全く見えない。
「失礼します」
「堅苦しいのは良い。楽にしろ」
「はい、どうしましたか?」
「まずは、レイナード、ルイフよ。試合見事だった」
「ありがとうございます」
「ありがとう、お父様」
「うんうん、レイナードよ。こっちにおいで、ご褒美に撫でてあげよう」
「嫌」
「な、に、今なんと言ったのだ」
「だから嫌。撫でてもらうならルイフで間に合ってる」
「ルイフよ、なんと羨ましいのだ」
おいおい、国王様…そんな本音をぽろっと…
「全く国王様は…ルイフ君だね。初めまして俺の名前はロイド・カルロス第一騎士団団長をしている。ファムの父親だな」
「初めまして、ルイフ・アリオスです。よろしくお願いします」
「どうした?何か気になるのか?」
「いえ、ファムに聞いたんですが、剣が全てと教わったと。そんな事を言う人には見えなかったので」
「そんな事言ったような…気がするが」
「ファムは剣を交えないと友達も作れない。剣以外での接し方がわからないと言っていましたよ」
「何…そんな事になっていたのか」
「お前…一体どういう教育しているんだよ。そこまで戦闘以外馬鹿だとは思わなかったぞ」
「いやー、剣を握るとつい…熱くなってしまってそんな事を言ったような…。それに剣で打ち合っている時は、ファムの気持ちがわかると言うか…それでほとんど剣の修行以外で話ていなくて」
それが原因か…
ファムの家はお母さんはいないのかな?
剣でしか語り合えない親子って流石にファムが可哀想だ。
「ロイド…酷すぎるぞ。暫く、リーラに預けろ。女の子として生きると言うことや常識も教えた方がいいだろう」
「すみません…お願いします」
「全く…女の子の教育は繊細なんだぞ?」
「お父様が言えたことじゃない」
国王様…落ち込んでいる。
だが、ファムもこれで少しずつ年相応の事を楽しめるようになるだろう。父親とも剣以外でもそのうち仲良くなれるだろう。とても良い人そうだ。
「ちょっと話が逸れるけど軍を預かる者として聞いておきたい。ルイフ君、君は何者だい?」
急に…何を。あの戦い…少し力を出しすぎただろうか?
「えっと…何者と言われましても。ルイフ・アリオスです」
「そうか。その歳でその強さ。ちょっと聞いてみたくなっただけだ。王国に敵対するような存在になるかどうかをね」
「なりませんよ。守る事はあってもレイやララ、それにサーナが悲しむような事はしません」
「それを聞いて安心したよ。何か困ったら頼るといい。訓練相手がいなければ俺が相手をしよう」
「困ったらそうします」
僕の強さが異質だと思われたのか…
今回呼ばれたのはおそらく僕を見極めるため。
お眼鏡に叶ったという事だろうか?
そもそも僕は敵対なんかしないけどね。




