表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
76/127

episode:63





今日ついに聖国領へと入る。

ユグル聖国について少し説明しよう。


橋を渡ってから初めの街であるレーベンの街。

ここは聖国でも交易都市として有名な街で大きな街の一つだ。

西にはニブルヘムの町。東にはヘルフレスの町。


レーベンの街から北に聖都ペンデルの街がある。


レーベンの街を通過した後はラファル大聖山を越えて聖都ペンデルに到着する。ラファル大聖山は、ユグル聖国の中央を二等分する大きい山だ。


西のニブルヘムの町は氷山の麓の町だ。

東のヘルフレスの町は火山の麓の町だ。


これでわかる通り、ラファル大聖山は大きな山にしか見えないが、火山と氷山が隣接するなんともファンタジーな山だ。


標高自体はそれほど高くない。

山の中腹にあるのが聖都ペンデルだ。山頂には聖なる龍が住んでいると言われていて聖域となっている。


馬車に乗り込みレーベンの街を目指すルイフ達。

ようやくここまで来た。やはり遠出はなれないものだ…

車が欲しい…電車…飛行機。。。。


ロッツの稽古も順調だ。自由時間にしているだけだが徐々に目が慣れたのか、少しずつだが動きが良くなってきている。

本戦で優勝をして、ロッツがファムに勝ちハッピーエンド。

これが今回の旅の目標だ。


レーベンの街に今回の旅では寄らない、通り抜けるだけだ。

街並みはヴェールの街に似ているが…交易都市はどこもこんなもんか。商人達の馬車が行き来しているのが目立つ。大きな馬車ばかりだ。レーベンの街には冒険者が多いようだ。護衛と言うよりもここで活動しているように見える。何か冒険者の好む金策があるのだろうか?


後でわかった事だが、レーベンの街の東にはレーベンダンジョンと呼ばれるDランク〜Bランクまで美味しく狩れる1F〜30Fまでのダンジョンがあるらしい。


レーベンの街を通過しラファル大聖山へ向かう、中間地点である。

草原にある野営地を目指す。今日は野営地に泊まり明日聖都ペンデルに到着だ。山とはいえ聖都だ、整備されているので馬車でもスムーズに登ることが出来る。本戦2日前の到着だ。どんな街か楽しみだ。


街に入れば訓練する場所があるかわからないので、最後の稽古をしている。ロッツもケンジもいい感じで剣を振るっている。


軽く振るってはいるものの最初は打ち合うことすら出来なかった、しかし今は打ち合えている。少しリズムを乱してみてもきちんとついてきている。


ファムの実力は入学試験の時に見たきりでわからないが…

少なくとも入学試験に見た時の実力くらいであればロッツでも勝てるだろう。しかし、あれから数ヶ月経っているどれ程強くなっているか検討もつかない。


「僕…勝てると思う?正直に言って欲しい」


「んー…僕の知ってるファムならいい勝負が出来ると思うけど…入学試験の時なんだよね」


「拙者…一度自主練してる所を見た事がありますが、どうでしょう…見事な剣技でしたが」


「やっぱりか…数日じゃ強くなるのも限界あるよね。わかってたんだ、でもね僕は諦めないよ」


「この調子で頑張っていけばロッツは強くなるよ」


「ありがとうルイフ」


「今回どうする?模擬戦」


「挑むよ僕は。目標の実力くらい自分で確かめたいからね」


「カッコいいでござるな」


「わかったよ。僕がうまく模擬戦を出来るように機会を作るね」


自由時間になるとファムはいなくなってしまうので、ロッツのために少し実力調査と思ったが、出来なかった。どこへ行ってるのだろう。


少し探してみる。

いないな…


カン、カン、カン


なんの音だ。


僕はその音のする方向へと向かった。

すると、そこにはナギさん…とファムがいた。


二人は打ち合っている。

ナギさんは余裕そうに剣を振るっているがファムは汗だくになりながら必死に剣を振るっている。


なんでナギさんとファムが戦ってるんだろう。


「ルイフ君、覗きかい?」


「フェンさん、ちょっと音がしたんで来てみたら二人が戦ってたので」


「あの子、ナギさんに稽古をつけてくれって頭を下げにきてね。ナギさんが根負けした感じなんだけど…思った以上に剣の技術があるからナギさんも本気で教え始めたんだよ。あの子何者だい?」


「ロイド・カルロス第一騎士団長の娘ですよ」


「なるほどね、王国最強の娘。強い訳だね。本当に怖い後輩が多いよ、頼もしいね」


「Aランクのフェンさんじゃ説得力ないですよ」


「そうでもないさ、いつも追い抜かれないように僕は必死さ。おや、終わったみたいだね」


「みたいですね。僕はそろそろ戻ります」


僕はテントへと戻る。

ナギさんとファムの稽古を見ていた限りだと今のロッツでは勝てない。思った以上に成長速度が早い…まさに天才といった感じだ。


これは…とりあえずロッツには黙っておこう。


明日は1日休みだ。たまにはロッツとケンジと回るのもいいだろう。

提案してみよう。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ