表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕は異世界でカラーボールを投げる  作者: Rea
幼少期編
7/127

episode7




一年前の祝福の儀の夜、

ルイフは自分の部屋でスキルの鑑定をしていた。勿論ユニークスキルのである。


「鑑定」


◼️カラーボールレベル1


プラスチックの赤、青、黄、緑のカラーボールを1つ出す事が出来る。


重さ5g



「カラーボール」


赤をイメージして出してみた。


どう見ても子供用プールとかに入っていたおもちゃのカラーボールだ。小さい頃に遊んだ事がある。


前世で死ぬ前にカラーボールを投げた事でこのスキルを得たのだろうか?恐らくそうだろう。こんな変なスキルを覚えるのに偶然はありえないだろう。しかし、カラーボール違いだ。塗料付きのカラーボールを出せるなら、とても価値のあるものになったであろうに。


神様はなぜ間違えたのだろうか。

女神の加護が付いてる事からこの女神様が間違えたのだろうか?


女神の加護を確認してみる。


◼️女神の加護

・成長補正効果


今はこれだけしか見れないようだ。それともこれだけで終わりなのだろうか。成長補正はとても有り難いので感謝しておく。



その日から、ルイフは暇があればボールを出し、投げて見たりと色々と実験をした。


結果から言うと、ただのプラスチック製のボールでしかなかった。

殺傷能力もなく、違う色のボールを出すと消えてしまうので量産も出来ない。


最初のうちは普通にボール遊びが楽しかったが次第に飽きていった。


祝福の儀から既に3ヶ月ほど過ぎていた。


「転生者でユニークスキル。これは何かしら意味のあるチートな能力だと思ったんだけどな」


自分の能力の実験をしているうちに、

早くも半年ほど過ぎた。

諦め切れず続けていたのだ。



勿論剣術も続けている。

ライド兄様との朝の稽古がいつもの日課だ。

まだ一度も当てれた事はない。

父様もたまに相手はしてくれるが忙しくたまにしか付き合っては貰えない。


剣爽の技是非受け継ぎたいものである。

今日は、父様が教えてくれる日だ。

今度こそビックリさせてやる。



「よし、今日はどれくらいルイフが剣を扱えるようになったか見てやる」


「はい、お願いします父様」


父様呼びも大分慣れた。精神が多少幼いルイフに影響されているのか、次第に恥ずかしさもなくなっていった。


ライド兄様の合図と共に剣を振り被り父様に向かって振るう。先手必勝だ。


カンッ


カンッ


父様が打ち合ってくれる。

やはり剣術持ちの父様には全く叶わない。

余裕の表情で剣を次はここに打てと言わんばかりに誘導してくる。


まだ5歳、力の差もあるだろうが、

少しくらい余裕な表情を崩してやりたい。

何か策はないか考える。



父様から距離を置き準備をする、

思いついた事を実行するためだ。

本当は父様を鑑定しじっくり対策を立てたいが前に試した時に実力差があり過ぎるからか名前くらいしか見る事が叶わなかった。



全力で父様の足元に向かい低い姿勢走り出すそして剣を水平に保ったまま通り過ぎ足元に斬りかかる。


目論見通り、目線が下に行った隙に赤いボールを父様のおでこの前にこっそりと投げた。


父様が僕の剣を弾こうと姿勢を下に向いた勢いそのまま、ボールにぶつかる。


コツン


と言うほどの衝撃は勿論ない、ただの子供でも安全なプラスチックボールなのだから、

しかし、当てる事に意味がある。


ニヤッっと父様を見た瞬間、

ゴツンッ


僕は気を失った。


「悪い、ルイフ急に攻撃を受けたもんだから少々力が入ってしまった」



「父様、ルイフは気絶していて聞いていませんよ。ミラよ、ルイフを運んで治療を頼む」



「かしこまりましたライド様」



「父様、こんな事母様やエリンにバレたらどやされますよ」


「全くだ、油断はしていなかったのだが、まさか当たっても傷一つ付かないスキルを使ってくるとは思わなかったよ。ルイフは頭が切れる、いい冒険者になるだろう」



僕は呆気なく撃沈したが、多少は驚かせる事に成功した。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ