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episode:54





「ただいま」


「おかえりなさい」


「無事送ってきたよ。再会出来て喜んでた」


「そうですか、それは良かったです。セイラ様の喜んでる顔が目に浮かびます」


状況は変わっていないようだな…

ソフィアに状況は聞いているが動く気配はない。

僕が犯人だと特定する根拠がないのだろう。


まあ、宿から出る時は気配と姿を消していたし。

宿から出ていない人にどうやられたのか証明など出来やしない。


襲ってくる可能性はあるが明日外へ出てからだろう。

明るいうちなら対処はたやすい。


僕達は明日王国へと帰る。

覚えたての結界魔法を眠るベッドの周りを囲うように張り就寝する。


…朝になった。

どうやら襲撃はなかったようだ。


朝食を食べ終え僕達は帰る準備をしている。

宿をチェックアウトし外へ出る。


何事もなく門に到着し、街の外へと出る。


「15人ね」


「なんか気配感じると思ったらそんなに来たのか」


どうやら本当に襲ってくるようだ。影が15人僕達をつけて来ている。

勿論簡単にやられるつもりはない。


「カルメ、15人追って来てるから気をつけて。近くの森へ向かおう。あまり目立つ所だと戦いにくいからね」


僕はカルメに耳打ちする。


森までは30分ほどで到着した。

何処にでもある道を外れた先のちょっとした森だ。


森の少し開けた場所へと着いた僕達は影の攻撃を待つ。

15人に囲まれている状況だ。中々手を出してこない。

僕達の油断を誘っているのだろうか…


「はい、リンゴ。小腹空いたし食べよっか」


「ありがとうございます。このリンゴ美味しいんですよね」


不自然じゃないように隙を作る。

すると…


「大人しくしろ」


15人の影が現れ僕達を取り囲んだ。


「だ、誰だ。お前達は」


「我らに名はない影なのだからな。それよりも昨夜影が一人やられた。お前何か知らないか?」


「知るも何もお前らと会ったのは初めてだ。それに宿に昨夜はいたから知らない」


「そうか、どちらにしても見られたからにはお前達には死んでもらうのだがな。子供でも容赦はしない見逃してもらえると思うな」


「そ、そんな…僕には養わなければならない家族が…」


「それは運がなかったな。家族もそのうちあの世に行くだろう。その時にでも会うんだな」


「待って…最後に質問いいですか?」


「なんだ一つくらい冥土の土産に教えてやろう」


「なぜ…こんな事をするんですか?」


「我々の主の崇高なる計画の邪魔になるからだな」


「計画とは?」


「それはだな…って言うわけないだろう」


「冥土の土産に…この先帝国がどうなるのか知りたかっただけです…」


「そ、そうだな。主が帝国を支配し強いものが絶対の世界を作り上げていくそれが未来だ。さてこれで終わりだ、皆やれ」


……



ギャギャギャギャギャギャ


ビリビリビリビリ


アババババババババ


「何が起こっている…」


幹部っぽい一人を除いて全員感電死している。

何が起こったかわかっていないようだ。

聞きたいことは聞けたからとりあえず用はない。


「帝国への反乱。それが聞けたから十分だよ。さよなら」


ビリビリビリビリアバババババ


既に息はないただの屍のようだ。


「相変わらずめちゃくちゃです。私の出番ないじゃないですか…護衛なんですけど」


「居てくれるだけで助かってるよ、帰ろっか」


「誤魔化さないでください」


僕は手を引き転移をする。

あまり追求されると長くなりそうなので屋敷へ避難だ。


「おかえりなさい」


「ただいまみんな」


「カルメ無事護衛済んだみたいね」


「隊長…護衛なんて言えることは何もできてませんよ。全部ルイフ様がやっちゃうんですもん。出番なんて…」


「大丈夫よ。私が行ったとしても同じだから。護衛について一緒に帰還する。これが大事よ」


さすがアミアナイスフォローだ。これで何も言ってこないだろう。


レグドンとティーナはと言うと仲良く一緒に寝ているらしい。

久々の家族水入らずだ、邪魔はしないでおこう。


僕達は街で会ったことなどを皆に話した。

多分今回僕を狙った影が消えた事で、僕の怪しさが増すだろう。

恐らく近いうちに僕の屋敷へと偵察にくるだろう。


「グリコ屋敷に戻って来といて」


「かしこまりました」


最強の見張りであるグリコを庭に完備しておけば大丈夫だろう。罠の魔道具でも作ってみようかな?よく日本でも見た有刺鉄線みたいなのがいいかな?けど今すぐ作るのは難しいし見た目も悪いからな…


外壁の上に登る人って侵入者くらいだよね?

って事は…外壁の上の表面に仕掛けを作れば侵入出来ない?

少なくとも警戒するよね。全員はかからなくても。

そう思った僕は早速黄色のボールを仕掛けに向かった。

触れたら感電するイメージをしながら外壁の上表面にボールを合成していく。何度か繰り返し無事に設置し終わった。

どうなるか楽しみだ。


影が来たのはその日から2日後の夜だった。


突然夜にアババババババとか変な声がしたのだ。

レグドンとアミアがすぐさま駆けつけた所。


影が一人痺れて倒れていたらしい。

尋問しようかとレグドンが息を確かめたが心臓が止まっているようで手遅れだった。少し威力を加減した方がいいだろうか?

気絶だと敵が減らないし、このままでいこう。安全第一だ。


それにしても実際に偵察に来られて思ったが…

人に狙われるというのは居心地がとても悪い。


四六時中見られているようで休まらないのだ。

この際一網打尽にする方がいいかもしれない。


ソフィアに居場所を聞き、僕は影の集まる場所へと赴く。

集まっていたのは小さな雑貨屋だった。

こんな所を縄張りにしているのか…これはわかんないや。

ソフィアがいなきゃ探せなかっただろう。


本当にどこにでもありそうな雑貨屋の家の2Fの部屋がアジトになっていたのだ。僕は姿を消し、気配を断つ。


コンコン


「誰だ」


コンコン


「誰だよ」


扉が開く…

その隙に僕は侵入した。


「誰もいない…」


うぎゃ


ぐほっ


ぎゃー…


「な、なんだ、おい、みんななんの冗談だ…」


みんな死んでいるのだからびっくりするのも無理もない。

僕は姿を消しそのまま後ろへと回り込み、一気に集まっていた6人の首を斬っていったのだ。悪い事をまだしていないかもしれない人達を斬るのはどうかと思ったが、家族への危害が今後あるかも知れないのだ。それにコグリッチに仕える影だ。悪い事をしていない訳が無いはずだ…多分」


これで確実に僕は疑われるだろう。

影を21人も殺しているのだ…


だが、帝国へ攻めいる訳にもいかないし、どちらにしても相手の出方次第といった所だ。それまでの間に街を発達させたりと色々やる事が山積みだ。


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