episode:53.5
その頃…
「コグリッチ様、影が一人やられました。死ぬ間際に緊急信号の魔道具が使われたのですぐに向かったのですが…影の死体だけが残り他には何もありませんでした。ティーナも連れさられ行方不明です」
「なんだと…なぜこうも色々と重なるのだ!アリオス家の者はどうだ?あやつ以外にこの街で影を倒せるような者来ていないだろう」
「それが宿を見張っていた影からの報告では宿から出ていないと言う事でして…」
「じゃあ誰がやったのだ!人質も全ていなくなった…計画が遂行出来んじゃないか」
「今、早急に調べるためアリオス家の宿付近の影を増員しております。明日宿を出てきた所で隙が出来たタイミングで捉え尋問致します」
「そんな事をして王国にばれたら厄介な事にならんか?英雄の息子だろう…?」
「大丈夫です。王国が手を出してきたらそれを理由に仕掛けられますし。バレないよう証拠は残しません」
「そうか、油断するなよ」
「はっ」
「これはこれはコグリッチ様、お怒りのご様子で」
「む、お前か。なんのようだ、今は忙しいのだ」
「いえいえ、計画でお困りかと思いましてね」
「何か良い案があるのか?」
「はい、こちらの品をコグリッチ様に差し上げたいと思います」
「なんだこの紫色の水晶玉は…占いでもすると言うのか?」
「いえ、これを砕くと魔力溜まりを強制的に引き起こし強い魔物を発生させます。これを帝都で使えば人質などいなくとも反乱は可能です。むしろこちらの方がコグリッチ様の勝利は固いでしょう」
「何、そんなものあるならなぜ最初から出さない…こんなに時間をかけて作戦を練ったと言うのに」
「これは最終兵器でございます。これを作るのに多大な時間と費用がかかります。困っているコグリッチ様のためにと思い、私も覚悟を決めてこれを授けたいと思ったのです」
「そうか…ふむ。有り難く受け取ろう。では計画通り進めるとしようか」




