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episode:53




ティーナが眠っている間、僕達はティーナを守る為に扉と窓とで分かれ警戒をしていた。

転移で移動をしちゃえばいいだろうと思うだろうが…

疲労困憊の者を長距離転移した際の負担を考えると実行出来ないでいた。正常な者なら問題はないが…今のティーナはこの状態だ。


緑のボールを食べさせる事が出来ればある程度の回復が見込めるのだが…目が覚めるまではそれも無理だろう。


「外に6人見張りがついたわ怪しまれてるわね」


「もうばれたのか…でもなんで僕なんだろう。何か影同士の連絡手段でもあったのかな」


「この街で新しく入った冒険者は3組その中でBランク以上はルイフ、あなただけよ。あとはDランクの帝国の弱い冒険者。王国の人間は一人、必然的に怪しいのはルイフあなたね」


「なるほど…納得。けど部屋に入ってくる事はないだろうし大丈夫?かな」


「カルメ外に6人コグリッチの手の者がいる」


「ルイフ様…」


「いや僕達以外に王国から街へ入った者がいないから必然的に疑われているだけだね」


「迂闊でした…。私もそれくらい気付けたのに」


「仕方ないよ、僕も全く気付けなかったし。でも大丈夫だから安心していいよ」


それから数時間…

影は動かないみたいだ。

僕達が動き出すのを待っているのだろう。


「んん…ここは」


「ティーナさんおはよう、ここは宿よ。あなたはルイフ様に助けられここに連れて来られたのよ、もう大丈夫安心して」


「あっ、お兄ちゃんの…」


「おはよう、そうだよ。レグドンは僕の仲間だからね。それとこれを食べて」


僕は緑のボールを手渡した。

ティーナはなんだろうといった表情で食べている。


「美味しい…こんな丸い果物初めて食べた。なんか凄く体が楽になった気がする」


「うん、それは良かった。回復薬みたいなものかな?」


「ルイフ様そんな物まで持ってらしたんですね」


「うん、それよりもティーナをまずは屋敷に送るね。そこから僕達は普段通り門から帰ろう」


「屋敷…ですか?」


「うん、僕の家だよ。レグドンもいるからね」


「お兄ちゃん…」


僕はティーナの手を引く。


「きゃっ」


「あ、ごめん。ちょっとだけ我慢してね」


僕は転移する。


屋敷の庭へと転移した僕は家の中へと入る。


「ルイフおかえりなさい」


「ただいま」


「横にいるのがティーナかしら?」


「そうだよ。レグドンは?」


「稽古を終えて汗を流しています」


「そっか、遅くまで頑張ってるね。アミア悪いけど、レグドン呼んできて貰える?」


「はい、呼んできます」


「ルイフ、レグドンに会わせるのもいいけど、女の子なんだからお風呂くらい入らせてあげてからのがいいんじゃない?」


「あ、そっか。ごめん。気づかなくて」


「い、いえ。助けて頂いた上にそこまでして頂かなくても」


「ティーナ!」


「セ、セイラ様?!」


「無事だったのね。良かったわ」


「はい、ご迷惑をお掛けしました。セイラ様が依頼を出してくれたのですか?」


「ううん、私の旦那様がレグドンのために動いたのよ」


「旦那様?」


「隣にいるでしょ?ルイフ様、私の旦那様になる人よ」


「ええええええっ、セイラ様が結婚!?」


「色々あったのよ、その話はまたするわ、それより来たようね」


「ティ、ティーナ」


レグドンは勢いよくティーナを抱きしめる。

こういう涙はカッコいいな。素直にそう思った。


「お兄ちゃん苦しいよ」


「ご、ごめん。守ってやれなくて悪かった。全部俺のせいなんだ」


「とりあえず落ち着いてレグドン。ティーナはまずお風呂に。セイラよろしくね」


「わかったわ。ティーナこっちよ」


「えっ、あ、お兄ちゃんまた後でね」


二人はお風呂へと向かった。


「ルイフ様、本当に有難うございます。なんとお礼を言っていいか…」


「別に気にしなくてもいいよ。レグドンもティーナも僕の家族の一員だからね。主人が家族の家族を守るのは当たり前の事だよ」


「ルイフカッコいい」


「ルイフくんはいつもカッコいいよ」


「そうね、今のルイフはカッコいいかもね」


僕の好感度はうなぎ上りだ。と言っても婚約者達からだが。


「とりあえず、カルメ迎えに行かないとだから、明日普通に門を出て帰ってくるから。ティーナの事みんなよろしくね」


僕はカルメを迎えに行くために転移で宿へと戻った。


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