episode:48
僕は屋敷の門を開ける。
いつもなら誰かしら気づいて出てきてくれるはずなのだが…
何かあったのだろうか。十中八九グリコ絡みだと思うが。
「んー、誰もいないのかな」
「グリコ様に念話して見てはどうですか?」
「その手があったね、ちょっと待ってね」
僕はグリコに念話をしてみる。
「グリコ、何処にいるの?」
「主様、到着なされたのですか?今案内されて裏庭にいます。美味しいお肉をご馳走になりました」
「裏庭にいるらしいから行こうか」
僕達は裏庭へと行く。
そこには、グリコのあらゆる所を触っている5人の姿があった。
「ただいま、何してるの?」
「る、ルイフ様、おかえりなさい。とても早いお着きで」
「ルイフ様、ウィンには行かなかったのですか?」
「行ったよ。グリコを途中でペットにしたから移動が早くなって帰ってこれたんだよ」
「そうでしたか、それにしてもワイバーン亜種の翼とこの肌。凄い力強さを感じますね」
「仲良くなったみたいで安心したよ。みんなビックリして大変な事になってるかと思って急いで来たけど大丈夫だったみたいだね」
「はい、最初はビックリしましたが、こんな事が出来るのルイフ様くらいですからね…途中からは皆納得して驚くよりも何をすればいいのかと考えていました」
ふむ…僕ってどんな扱いなのだろうか。
特に武器やアクセの合成以外何かを見せたつもりはないのだが…
「焼いたお肉出したんですが、大丈夫ですよね?」
「グリコは僕との旅で焼いた肉にハマったからちょうど良かったと思うよ。ありがとう」
みんながこれほど馴染んでいるとは思わなかったが結果オーライという事で。
「それよりレイとララってまだ学園?急ぎの用があるんだけど」
「グリコ様の事ですね。すぐに裏庭に来たので静かにしていてくれましたし誰も気づいてはいないと思いますが。街にワイバーンがいると分かれば大変な事になりますからね。レイ様とララ様はまだ学園ですね、間も無く帰ってくると思いますが」
ガチャっ
「扉を開ける音がしましたね。レイ様達が帰ってこられたんだと思います、呼んで参ります」
少し待つとレイとララ、そしてサーナ、セイラも呼ばれて裏庭へと来た。
「きゃーっ」
「え、ええ、ええーーーードラゴン…!!?」
レイとララはグリコを見て固まっている。
セイラは悲鳴をあげ尻餅をついている。サーナは驚きのあまり口を開いたまま固まっている。
この反応の違いはなんだろうか。
「ただいま。みんな」
反応がない。
「おーい、みんな大丈夫?」
「ルイフ…これはダメ」
「ないわね、さすがに」
ひどい言われようだ。
何がダメなのだろうか。
「えっと…何がだめ?」
「ルイフわからないの?旅に出て帰った婚約者がワイバーンを連れて帰ってきたらビックリどころじゃないわよ」
「うん、ルイフもう少し自重するべき」
「ご、ごめん。でもグリコはとてもいいワイバーンだから大丈夫だよ。それでセイラとサーナはどうしたの?事前に聞いてたと思うんだけど、そこまで驚く?」
「ふぇ…聞いてないでふよ」
「き、聞いてないわよ…サーナに呼ばれて。ルイフ様が帰ったと」
「悪かったわね。言いそびれたわ」
「ララ絶対わざとだー。ひどいよー…」
ララに嵌められたようだ。しかし嵌めたララも固まっていたのだが…。
「それでルイフどういう事か、説明」
「そうね、説明してもらいましょうか。私達がいながらワイバーンだけでなくエルフの女の子まで拾ってくるってどういう事かしら」
いつ突っ込まれるかとドキドキしていたが、ようやくきた…
僕はいつも通り簡潔に説明した。
僕はウィンの街へと旅立った。
そしてヴェールの街で、グリコに出会った。
グリコを退治しようとしたが、悪い龍に見えなかったため仲間にした。そしてウィンの街へ行く途中に倒れていた、ネピリアを拾った。
水の精霊に会うために、ウィンへ向かっていたので、詳しそうなエルフの森に案内してもらった。
水の精霊との用事を済ましエルフと仲良くなった。
そしてネピリアを嫁にと族長に言われ…断りきれず婚約者に確認してからの返事という事でとりあえず、屋敷まで連れてきた事。
こんな感じだ。簡潔すぎるだろうが…
聞かれたら細かいことはその都度話そうと思う。説明してたらきりがないからだ。
「なるほど…そういう事だったのね」
「うん、そうなんだよ」
「ってなる訳ないわよ!何よその簡単な説明…」
「ルイフ適当過ぎ」
「ルイフ様…ですからね」
「ルイフ君、私でももう少しちゃんと説明できるよ」
僕の心が見透かされていたかのような言葉の数々…
さすが婚約者僕の事を分かっている。
「まあ、いいわ。後で聞くとしてネピリアといったわね、ちょっと女同士で話ましょう」
ネピリアは婚約者4人に連れられて屋敷へといってしまった。
大丈夫だろうか?何話すんだろう…心配だ。
「あっ、レイとララに話するの忘れてた…」
「ルイフ様、多分ですが当分出てこないと思いますよ」
「そうなの?…んー、僕一人でお城へ行くか」
「ルイフ様、お伴します」
「うん、よろしく」
僕はアミアを連れて、お城へと向かう。
グリコは一旦お留守番だ。目撃されたら大問題になってしまう恐れがあるからだ。
レグドン達に任せておけば大丈夫そうだ。
「グリコちょっと待ってて」
「はい、主様。お世話かけます」
僕はお城へと向かう。
アポとかっているのかな?…
就活する前にこっちに来たからよくわからない。
とりあえず門番さんにお話をしよう。
お城の前の門に到着した。
「あのー…国王様と宰相のバウムートン様にお会いしたいのですが」
「おいおい、僕。何を言ってるか分かっているのかい?」
「はい、ちょっと急用がありまして」
「急用があるからと言って会えるような方達ではないのだよ。子供はお家に帰りなさい」
んー…どうしよう。分かってはいたけど。
こうも思った通りの展開になるとは思わなかった。
「ルイフ様…どうしましょう。レイ様もララ様もいないのではやはり、難しそうですね。お約束があれば良かったのですが」
「それだ!!」
僕はもう一度門番の所へと行く。
「また坊主か…今度はなんだ」
「ルイフが戻ったと、宰相様にお伝えください」
「はあ、今度はなんなんだ…帰った帰った」
「本当に良いんですか?僕を追い返して、後で宰相様に叱られても知りませんよ?確認も取らずに大丈夫です?クビになったら可哀想なので僕は言っているのであって、別に僕は構わないのですよ、あなたが取り合ってすらくれなかったと後で伝えるだけなので」
「わ、分かった。ちょっと待ってろ、これで嘘だったら許さんからな」
門番は確認しにお城前の門所へと入っていった。
少しして、戻ってきた、二人に増えている。
「お待たせしました。ルイフ様、新人が失礼しました。バウムートン様がお待ちです。ご案内致します」
「はい、ありがとうございます」
「あ、あの、すみませんでした!!!!」
「いえいえ、子供なのは事実です。疑っても仕方ないです。ただお城で働く以上は全てにおいて確認は必須です。もし僕が他の国の偉い方だった場合クビだけではすみませんよ」
説教できるような立場ではないのだが、思った事を言っておく。
なんか言ってもいい雰囲気だった気がしたからだ。
「はい、肝に命じておきます」
ここまで真剣に答えられると困るが…
この国の門番が良くなって悪いことはないだろう。
案内された部屋は前と同じ部屋だ。
いつもここに案内されるが、謁見の間とかに行ってみたいものだ。
コンコン
「お連れしました」
「ああ、入ってくれ」
兵士さんが案内を終えて戻っていく。
僕は部屋の中だ。
「すみません、突然お呼びして…」
「いやいや、そんな堅苦しくしなくてもいいよ」
「はい、レイとララがちょっと来られなくなったので、どうしようかと思いました」
「はははっ、まあ10歳の子供が突然僕や国王様を訪ねてきたら普通は通さないよね」
「はい…」
「それで今日はなんのようだい?確かウィンに旅立ったと聞いていたけど行かなかったのかい」
「いえ、その事にも関係するんですけど…」
僕はあった出来事を話した。勿論レイ達に話した内容より細かく話している。
ヴェールの街の橋に居座っていたワイバーンの話もした。
その後エルフの集落での問題はボカして伝えたがグリコを連れてきたことはきちんと話した。
「ふむ…それで今そのワイバーンがルイフ君の屋敷にいるわけだね」
「はい…」
「もうすぐ国王様が来られるはずだからそれからにしようか、あまり悩む必要はないよ。悪いようにはしないからさ」
少しして国王様がきた。
宰相が国王様に説明をしている。
「ほほう、また面白い事をしているものだな。それにしても御伽の竜騎士のようだな。まさか竜に乗って帰ってくるとは…」
「ちょっとしたパフォーマンスが必要になるかもしれないね」
「パフォーマンスですか?」
「そう、そのワイバーンが安全だと言う証拠を見せないと納得を得られないからね」
「あんまり目立ちたくはないんですが…」
「それは難しいかな…。けど竜騎士としてなら爵位を与えるいいきっかけになるし悪い事ばかりではないと思うよ」
爵位か…レイ達を早く安心させてあげたいし、いいのかな?
けど、目立ち過ぎるよな。僕が竜騎士って…
「悩んでいるようだな。これは王国としても伝説の竜騎士がいるとアピールできれば他の国への牽制になるからな、ある程度望みも聞くことが出来るぞ」
望みか…
みんなが楽しく暮らせる街を作りたいな。
って街なんか貰えないよね。
「お、何か心当たりがありそうだね。言ってみるといい」
言うのはただだ。僕は言ってみた。
「他種族関係なく暮らせる街を作りたいです。貧困に苦しむ人だけでなく、他種族で困ってる人達が平和に暮らせる街って言うんですかね」
「ほぉ、面白いね。竜騎士の治める自由種の街か。うんうん僕はとてもいいと思うよ」
「そうだな、しかし、問題も色々ある。今空いている土地でそんな風に出来そうな街や土地がない。空いておるのは…森、山、大草原。他の国と隣接している土地など危なくてあげれないからな…」
あれ、言って見ただけだが真剣に話をしてくれてるようだ…
森、山か…大草原ならなんとかなるかな?
しかしエルフのために森があるのは…後々使えそうだ。
森と大草原が広がるいい土地がベストだ。
勿論土台がある方が楽だが…一から作った方が理想通りに仕上がるだろう。僕の魔力操作だと不安だがソフィアが目覚めれば魔力操作が格段と上がるようにして貰えるはずだしいけるはずだ。
「森と大草原が広がる広い土地とかあったりしますか?」
「森と大草原か…うーむ、あるにはあるが。あそこは」
「あそこですか国王様…」
「ああ、あそこだな」
あそこあそこってどこだよ!!
「それに…森と大草原から街を作るとなるとどれだけ大変か…何か策があるのか?」
「はい、多分大丈夫です」
「そうか…ゲンコウ湿地は知っておるな。その手前を西へと行くと大きな川があるのだが、そこら一体大草原、そして大きなセイラルの森と言う森がある。しかしな…大きな川とはいえその渡った先は帝国の領土だ、川は大きく20km以上離れてはいるがな。それにセイラルの森はCランク〜A級魔物が生息する森だ。基本近づいたりはしない危ない森だ。開拓するにはちょっと難儀な場所だな…」
前にゲンコウ湿地へ盗賊退治に行った時、西の方を見た事があるがとても綺麗な大草原が広がっていた。森林があるのは知らなかったがとても良さそうな場所だ。しかし普通はそんな何もない所から街起こしなどどれだけ大変な事か…。誰もやらないだろう。
しかし、大きな川。そして強い魔物がいる森。
水と食料を確保できる。そして広い土地…やりたいように街が作れる。僕にはいい場所にしか見えないのだ。
「是非そこを僕にください」
「ルイフ君本気かい?あそこなら…欲しがる人もいないだろうし王国の土地だから…与える事は出来ると思うが、まだ田舎の町の方がマシだと思うくらいに苦労すると思うよ?それにララもいる事だし、父親としては複雑な所だね」
「勿論きちんと住めると判断するまでは王都に暮らします。少しずつ開拓できればと思っています。学園もまだ通いたいですし、冒険者が本業なので。大草原…こんな所から税を取ろうとは思わないですよね?色々優遇してもらえそうな気もするので僕にとっては得だと思っています」
「ふむ…仕方ない。惚れたレイナードが悪いのだ。ルイフお前にその土地を与える手配をしよう。しかしな、侘しい思いだけはさせんでくれよ。レイナードは何も言わずついていくと思うが…王女だと言う事を自覚した上で住めるかの判断をしてから移住をしてほしい、勿論住めなくても開拓が進まなくても何も言わん。あんな土地誰も開拓出来るとは思うまい。過去に試して失敗したやつなら山程おるがな」
よし、土地ゲットだ。こんなに早く土地を手に入れる事が出来るとは。これはこれからが楽しみになった。時間はかかると思うけど僕の理想の街を気づいていこうと思う。
「まあ、成人まで時間もあるし頑張ってよ。あの土地なら別で色々と渡すことも出来ると思うから支援は任せてくれていいよ。ただ竜騎士様になぜあの土地を…となると思うけど本人の希望って事にするね。ワイバーンが自由に出来る広い土地が欲しかったとでもしておこうかな」
「はい、お任せします。よろしくお願いします」
「うん、それでね、ワイバーンを実際に確認しときたいんだけどいいかな?訓練場にでも連れてきて貰えるかな?騎士団には私が伝えて避難させておくからさ」
「お、それはいいな。俺も見たかったんだよ」
「はい、わかりました。では呼ぶので向かいましょうか?」
「あれっ屋敷に戻らなくても呼べるのかい?」
「はい、念話で呼べるので…」
「そんな事が出来るのかい。便利なもんだね」
僕達は訓練場へと向かう。
途中宰相の命で兵士達が移動して行くのが見えた。
「グリコ今すぐお城の訓練場へ来てくれるかな?僕の傍に降りてくれたらいいよ。なるべく目立たないようにお願い」
「はい、今すぐ」
訓練場の真ん中で国王様と宰相と共にグリコを待つ。
1分ほどでその姿が見えてきた。
目立たないでとは言ったが…やっぱりでかいな。
これは目撃されていても仕方ないな。
「おお…これはでかいな」
「ルイフ君は本当に面白いね、ただのワイバーンではなく亜種だよね、あのワイバーン」
「はい、詳しいんですね」
「何、亜種だと…ルイフ君、君は一体何者だ?ただの子供に手懐けられるような魔物ではないだろう」
「えっと…色々と偶然が重なって懐いたんですよね、傷を治した事がきっかけだと思います」
「ふむ…そう言う事にしておこう。命の恩に仕えた竜か、それもまたよいな」
グリコが訓練場に降り立った。
目の前にいるだけで凄い迫力だ…
「これは…凄い迫力だな。触っても大丈夫なのか?」
「僕も触ってみたいねー、こんな機会ないだろうし」
「大丈夫ですよ。大人しいので変なことをしなければ問題ないです」
グリコをくまなく触る国王様と宰相…
こんなシーン必要ないよね。とか思いながら二人が飽きるのを待つ。
「主様…この人達はいつやめるのでしょうか?」
「んー…もう少しだと思うから我慢して」
それから10分…20分と続いた。
「楽しかったぞ、レイナードを嫁に出して正解だったな。まさか竜に触れられるとはな」
「うんうん、僕もララを出して良かったと思ったね。こんな体験普通は出来ないからね。ドボークならまだしも僕は即死だろうからね」
「いや、これは触ってみてわかったが俺でも歯が立たんな」
国王様って結構強いのかな?そんな感じで話してるけど。
「ルイフ君、国王様って強いの?って顔してるね。ドボークは一様Sランク認定されているんだよ。冒険者ではないけど、同等の強さの証と言えばわかるかな」
Sランク…こんな身近にいたとは。
って事は父様より強いって事か…
「まあ、勇者の血筋だからな。王家の王だけが使えるスキルがある。それがなければAランク程度だろうな」
「国王様専用のスキルですか…」
「ああ、限界突破と言ってな、5分間だけ能力値を倍にする事が出来るのだ」
倍って凄い…父様の能力値の大体倍くらいがSランクなのかな。
能力値だけはSランクくらいのようだ。
通用するかと言われると経験の差が出るので戦いにはなるだろうが勝てはしないだろう。
「それは凄いスキルですね」
「まあな、しかし、このスキルがなくてもSランクがいる事をもっと恐ろしいと思え。上には上がたくさんいるのだ。Sランクを目指していけばいずれ会うと思うがな」
「んーSランククラスのワイバーンか…これは凄い牽制になるね」
そうだよね、Sランクの国王様が勝てないってSランクって事だよね。
グリコって凄いな。でもカラーボールを使ったけど勝てた僕はそれ以上なのかな?実際奇襲じゃなければどうなっていたのだろうか…
もう少し自分の力を信じていいかもしれない。
「主様、この者強いですね。恐らく全力で戦って相打ちがいいところです」
「あれ、でも敵わないって言ってるよ?」
「それは謙遜でしょう。限界突破の時間が短いので時間稼ぎをすれば勝てるでしょうが、真っ向から戦えば相打ちと言う事ですが」
「でもワイバーンなのにグリコ強いな。ワイバーンってBランクの魔物でしょ。亜種だからAランクだけどSランクを倒せるってグリコ凄くない?」
「人間達の認識の差ですね。個体によって強さはかなり変わります。龍クラスになるとランクでは現せない強さがありますしね。私など一瞬で消してしまえるほどの力があります」
ランクって強い魔物になると曖昧なんだな…
確かにAランクの魔物を倒すだけでも何パーティーも連れて行くもんな。もっと基準増やせばいいと思うが、ややこしくなるか。
SSランク、SSSランク、EXランクとかもはや分ける項目増えすぎてめんどくさいかもだ。今のままでいいかもしれない。
「それでだね、竜騎士としてのお披露目は11歳の君の誕生日にしようか。すぐにとはいかないからね。ただお城にくる者や街の者には安全と言う事は周知しよう。なにせ大きいから目立つからね…土地の件はお披露目前でも自由にしていいよ。君の物になるのはお披露目の時だけど誰も文句は言わないというか行く人もほとんどいないしね」
「だな、爵位はどれくらいが妥当かな」
「そうだね、僕は伯爵くらいにしていいと思うけど、竜騎士を敵に回わすと思えば安い地位だと思う」
伯爵って…いきなりそんな地位貰っていいの?
さすがに僕には重すぎる地位だ。領地の扱い方とか全くわからない。
「しかしだな…伯爵はちょっと無理ないか?反対が大きそうだがまだお披露目時点でも11歳だろ」
「そこは僕がなんとかね。元々剣爽マルコの息子って事もあるから賛成派が反対派を上回るのは簡単だと思ってるよ」
「そうだったな…マルコの息子であれば押し切れるか…英雄の息子が竜騎士とはなんというか出来過ぎな」
「伯爵は…僕にはまだ」
「自信がないのかい?それではいつまでたってもララ達と結婚出来ないけどいいのかい?せめて侯爵くらいの地位は欲しいものだね。伯爵になれたとしてもそこから数年で侯爵になるには相当な功績がいるのを分かっているかい?子爵ならさらに無謀だ」
た、確かに言っている事はわかるのだけど…
チャンスと思って頑張らないとなんだよな。
「が、頑張ります」
「うん、それでいんだよ」
なんか乗せられてる気がするが、口で勝てる気がしないので諦めた。
その後グリコに乗って僕は屋敷へと帰還した。
勿論アミアも一緒だ。
アミアは全然怖がらない。むしろ楽しんでいた…
さすが親衛隊の隊長か?
家に帰ると嫁会議?が終わったようでみんなダイニングで寛いでいた。どうなったのだろうか。
「おかえりなさい。ネピリアも婚約者になる事を私達は認めたわ」
「うん、認めた」
「認めてもらいました。よろしくお願いします」
どうやらネピリアも婚約者となったようだ…
元々可愛いとは思っていたからいいんだけど。
これが尻に引かれるという事か。
「うん、よろしくね」
「それでお父様に会ったのよね?ついて行くべきだったのにごめんなさいね、困ったでしょう?」
僕はさっきの事をみんなに伝えた。
今回は少し…細かく話をする。
・竜騎士として11歳の誕生日にお披露目される事
・伯爵の地位になる事
・土地を領地を貰える事、そしてそこが大草原と森、そして川に囲まれた湿地の西側の土地という事。
以上だ。
「分か李やすいけど、やっぱり簡潔ね」
「ルイフ説明短い」
「僕なりにちょっとわかりやすく伝えようとしたんだけど…」
「それより、その大草原と森、川に囲まれた土地と言うのは住める場所なのですか?」
「セイラとリアは知らないわよね。場所はここから2日といった所かしら。本当に何もない大草原…それに確か凶悪な魔物の生息する森があったはずよ。帝国とも一番近い領地ね。住むも何も建物なんて何もないわよ」
「ルイフの…馬鹿、もっといい土地あったはず、お父様に抗議する」
「草原の民にでもなるんでしょうか…私は元々森育ちなので慣れていると言えば慣れてるので苦痛ではないですが」
「ルイフ様それはさすがに…せめて屋根のある所に住みたいです。ルイフ様がどうしてもと言えばついていきますが」
「ちょっとみんな待って。ちゃんと説明するから」
移住は開拓が進んで、きちんと住める環境になってから。
そして魔物の心配もしなくていいようにする案がある事。
帝国と一番近いけど大きな川が流れているのでとても渡ってこれない事。
僕が希望して土地を貰った事。
「ちょっとずつ開拓を進めていくから心配しないで。安心して暮らせるようにするからね」
みんな安心したようで、納得してくれたようだ。
「でも、ルイフ。大草原の開拓って何十年もかけてやる作業よね?小さな村を作るだけでも何年かかるか…」
「僕に考えがあるから任せて。2年もあれば住めるようにしてみせるから」
「ルイフ任せる」
「ルイフ様ならなんとかなりそうですね」
信頼してくれてるようだ。期待に応えてみせよう!
落ち着いたら領地を見に行かねば。
その後仲良くしている婚約者達を見て安心した僕は
マーニの作った夕食を食べながら久々の家族との団欒を楽しんだ。
「あ、あのルイフ様それで妹の事は…」
「それだけどね、グリコに乗ればすぐにでも行けるから2日後くらいにちょっと帝国に行こうと思ってる。案内必要だから誰か一緒に行ってもらうけど、誰がいいかな」
「それでしたら俺が行きます」
「いえ、私が妥当でしょうね。レグドンさんがいけば目立ちますし。私はコグリッチ家が治める領地のシアナの町の出身です。案内役にはもってこいでしょう」
「じゃあカルメ一緒に行ってもらっていい?レグドンは悪いけど僕に任せて待っててもらえるかな?」
「わかりました…お任せばっかですみません。がよろしく頼みます」
「うん、任せて」
明後日には帝国へと向かう。
かなり短縮出来たとはいえ、心配だ。
妹さん無事だといいけど…
今日の夜はララと一緒に寝る事になった。
ネピリアは暫く1Fの空いた部屋で寝る事になった、2Fに部屋がないので仲間外れというわけではない、仕方ないのだ…
僕とララはと言うと
普段強気でクールなララだが、ベッドではとても大人しく可愛らしかった。とても可愛がりがいがあるもんだ。
なんて言っているが…
勿論一緒に寝てるだけだ。
何もしていない。添い寝という奴だ。
今は10歳の僕だが成人する頃には、魅力的な嫁達に耐えられるのだろうか?
あれっ 成人したら結婚するから耐えなくていいのかな?




