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僕は異世界でカラーボールを投げる  作者: Rea
幼少期編
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episode5



これが僕の思い出せる最後の記憶だった。


どうやら、屋敷の前に着いたようだ。

姉様が呼んでいる。


「ちょっと聞いているの?ルイ」


急に記憶が戻りこの世界にに来た事に驚いて、整理するために色々と思い出していたので、ほとんど会話が耳に入ってなかった。姉様は何を話していたのだろうか。


「あ、はい姉様、ちゃんと聞いております」


姉様とか、言うのは恥ずかしいが、

ここは、ルイフの記憶通り振る舞うべきだろう。


ルイフはここでいつも上目遣いをする。

22歳にもなって姉に上目遣いをするとはなんとも屈辱である。


「きゃー可愛い。さすが私のルイフね」


姉様が抱きついてくる。

5歳の体だからか、特に何も感じないが、前世では22歳だったので恥ずかしさはあるのだ。


「姉様そろそろ降りましょう。屋敷に着いたようですよ」


「そうよ、エリンお家に帰ってからも出来るでしょう?」


いえいえ、母様。お家でもするのですか?

恥ずかしさで死んでしまいますよ。


「はい、母様。ルイフ降りるわよ」


姉は母の一言に満足したのか僕の手を引いて馬車をすぐに降りる。

みんなは既に降りて屋敷の中に向かっているようだ、玄関の近くを歩いている後ろ姿が見える。


屋敷と言っても田舎なので、少し大きい家程度だろうか?少し広めの5LDKと言った感じだ。貧乏貴族なので調度品の類はほとんどない。


アリオス家の執事とメイドが出迎えてくれる。出迎えてくれると大層な事を言ってみたが実際は執事とメイド合わせて2人だけだ。


「エリン様、ルイフ様おかえりなさいませ」


「トマもミラもご苦労様」


執事がトマ

メイドがミラだ。

2人は夫婦でマルコが爵位を貰ってからずっと支えてくれている。


屋敷に入ると皆んなダイニングテーブルに集まっていた。

僕の祝福の儀の報告会をするためだろう。


飲み物と芋を蒸したものが小腹を満たすために置いてある。


「では、ルイフステータスを見せてもらえるか?」


正直あまり気が進まない……

ルイフの記憶から見る限り余り良い結果ではなかった事がわかる。


「はい、父様」


「ステータスオープン」


僕はみんなにステータスを見せた。


「おお、凄いじゃないかルイフ。能力値は全てトップクラス、知力に至ってはこの国始まって以来ではないのか?それにユニークスキルまである。よくやったな」


褒められた事に安堵する。


「ユニークスキルなんて凄いわね、さすが私のルイフね」


姉様のものではないですよ?


皆んな褒めてくれる、しかし。

僕は納得していなかった。


「でも父様、初期能力値が高くても、レベルを上げている人から見ると特に意味のない数値です。それに知力が高いのに僕には魔法の適性がないようです。ユニークスキルもただボールを出すだけのようですし、これでは冒険者になれません」


ルイフの思っていた事をそのまま伝えてみる。


「ルイフ、初期能力値と言うのはだな、別名才能値とも言われ高いほど限界も高いのだ。誇っても良い。それにルイフは冒険者になるのだろう?レベルが上がればスキルなどなくても十分強くなれるはずだ」


「ですが、戦闘系スキルのない僕に冒険者が出来るのでしょうか。司祭様も商人になると良いとおっしゃっていました」


「戦闘スキルがあるものだけが冒険者になる訳ではない。努力してスキル持ちと同等の剣術を操るものも勿論いる。だから、腕を磨け、まだお前は5歳だ」


「そうよ、ルイフあなたなら出来るわ。私達の子供だもの」


「俺が剣を教えてやろう」


「僕は、本を読んで冒険者に必要な知識を教えてあげるよ」


珍しくレイク兄様が自分から話してくれた。


「私はギューして寝てあげるわ」


姉様だけ何か違う気がするが、

前世で一人暮らしをしていた流依には、

とても温かいものだった。



この日から、流依はルイフとしてこの家族と共に生きようと決めた。


そして、守ろうと誓った。


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