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僕は異世界でカラーボールを投げる  作者: Rea
幼少期編
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episode4




立花流依(たちばなるい)22歳、黒髪に黒い瞳のどこにでもいる大学生だ。容姿も普通、多少可愛いらしい童顔な顔つきだ。


普段は大学に通いながら一人暮らしをしている。大学の単位も落ち着き週に多い時で4日ほどアルバイトをしている。


今日はアルバイトの日である。

いつものように、アルバイト先のコンビニへと向かう。緑の看板が目印のコンビニで周囲の景色も見慣れた光景だ。


流依の住んでいる場所は田舎でもなく、都会でもない中途半端な所だ。常にお客が来る訳もなくいつも暇な時間のが多いくらいだ。時間が経つのがとても遅く感じるが慣れたバイト程楽なものはない。


「お疲れ様です」


「もうこんな時間か、お疲れ様」


時間は22時。

高校生バイトの女の子が上がる時間だ。若い女の子と話すのはとても緊張するが、人懐っこい子で良かった。

何とかバイト仲間として打ち解ける事が出来ていると僕は思っている。

この時間帯からは人が減ってくる、なのでここからはいつも一人だ。


0時を回った頃一人のお客さんが入ってきた。

マスクにニット帽を被った男の人だ。少し怪しいが、いないわけでもない。今は冬で外は寒い。風邪を引いてマスクをしている人がただ頭を冷やさないようにニット帽を被っているのだろう。一々疑っていては、きりがない。


男は漫画コーナーに向かい、立ち読みしているようだ。よくあるいつもの光景である。


しかし、暫くすると明らかに挙動不審な行動を取りこちらをチラチラと見ている。

万引きでもするのだろうか?少し警戒をする。


漫画を持ちレジに向かってくる。

勘違いだったようだ。僕には、万引き犯を捕まえるような勇気はないので正直安心している。


「これと、そこの煙草をくれ」


「はい、こちらですね。720円です」


1000円を差し出される


「1000円お預かり致します」


レジを開け、お釣りを出そうとしていると


グサッ


突然そんな音がしたのだ。

(へっ) 一体何が……

胸の辺りがとても熱い気がする。胸の辺りに視線を向けると何かが刺さっている。それは……1本のナイフだった。


咄嗟に押さえた手を見ると肌色の所が見えないくらいに真っ赤に染まっている。

しかし、思考は意外と冷静だった。死ぬ間際って案外冷静になれるものなんだな……とか考えれるくらいだ。


そうだ、あの男はどこに。

ぼやける視界の中レジからお金を取ろうとしている男の姿が視界に見えた。男は、コンビニ強盗だったようだ。


流依は最後の力を振り絞り、

レジカウンターの下に備え付けられている、警報を鳴らす。


ピピピピピピッ


鳴り響く音にビックリする男


「チッ 余計な事を、この死に損ないが」


男は急いで逃げようとする。

流依は近くに合った撃退用カラーボール手に取った。


それを、逃げる男の背中に最後の力を振り絞って投げたのである。


しかし、足の踏ん張りが効かず当たったのは足だったが、ベットリと塗料が付いた。

最後に少しでもやり返せたことに満足した流依は薄れ行く意識の中こう思った。


「ざまあみろ」


そして静かに眠りにつく、流依であった。


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