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episode:35

なんだかんだ見てくれる方がいて嬉しいです。

甘い部分も多いかもしれないですが、今後もお付き合いお願いします。





今日は盗賊退治の日だ。

僕は冒険者ギルドに行き、もなかさんの受付へ向かう。


「おはようございます、モナカさん」


「ルイフ君、おはようございます、マスターから聞いています。盗賊退治ですね。では説明させて頂きますね」


今回の目的地は王国と帝国のちょうど中間に当たる位置にあるゲンコウ湿地との事。ここではここ数ヶ月商人が何度も襲われているらしい。恐らく湿地のどこかにアジトがあるはずなのだが、依頼を受けた冒険者は今の所戻って来ていないらしい。元々Cランク任務だったがCランクの失敗が続いたので、Bランクに格上げされた依頼らしい。


盗賊団の名前は黒風、8人ほどの盗賊団らしいとの情報までは掴んでいるとの事。


ゲンコウ湿地にはC級のリザードマンや、C級上位エビルトード、B級のアサシンスパイダーなどが生息しているらしい。

B級のアサシンスパイダーは湿地の奥深くに生息しているので、基本的にはCランク級の魔物にしか会わないとの事。


学園もあるので、ギリギリまでに戻れるように、すぐに出発する事にした。湿地までは今回は馬車ではなく、走っていく事にした。能力値的に走った方が大分早いのだ。

通常2日で到着の湿地だが、僕なら半日ほどでつけるだろう。勿論休憩なしで走って行けばという事なのだが。


僕は人のいない道をなるべく通り全力で走った。

どれだけ走っても疲れはないが長い時間走るのは精神的にくるものだ。何とか湿地の近くの野営地に到着した。


野営地に到着した頃には既に日が暮れていた。

朝6時30頃には出ていたので、ちょうど12時間くらいだろうか。

野営地には僕の他に先に商人と思われる人と護衛の冒険者さんが来ていた。


「こんばんは」


「これは小さな冒険者さんこんばんはこんな所までお一人ですか?」


「ええ、依頼で湿地に用がありまして」


「そうですか、私はヘルン商会のココットと申します。帝国と王都を行き来していますので、帝国に来る際は是非お店に顔を出していってくださいね」


「ありがとうございます。僕はルイフです。帝国へ行った際はよろしくお願いします」


「おう、王都の冒険者か。小さいようだが、こんな所に一人とは立派なもんだな。俺は帝国で冒険者をしている、Cランクパーティー漆黒の蜘蛛のマモンだ。何かあれば頼ってこい。仲間は今仮眠を取ってるからまた帝国へ来ることがあれば紹介しよう」


「はい、その際はお願いします」


思わぬ出会いがあった。帝国へ行く際は頼らせて貰おう。

僕は近くにテントを出し、テントの中へ入る。調理をしてもいいのだが…時間も惜しいので亜空間に入れてある串焼きと果物を食べて軽く仮眠を取る。今度醤油や味噌を使った料理を作ってストックして置くと良さそうだ。


僕は仮眠を4時間ほどとり、テントから外へ出る。

今から湿地に向かうのだ。盗賊を狙うならやはり夜中だろう。

場所?それなら考えがある。


テントを出ると、見張り役がマモンさんから変わっていた。


「お疲れ様です、お先に出ます」


「お疲れ様ー、こんな時間にどこいくの?一人?」


「湿地ですよ。依頼です。一人ですね」


「子供が一人湿地って…何考えてるのよ」


「大丈夫ですよ、こう見えて戦闘は得意なんですよ」


「そう…冒険者だからこれ以上言わないけど、気をつけてね。私はネモカ、また帝国で会ったら声でもかけてね」


「はい、ルイフです。では失礼します」


僕はネモカさんに挨拶を済まし、湿地に向かう。

湿地の前に着いた所で、ソフィアを呼び出す。


「ソフィア、ちょっと来て」


「あら、珍しいわね。何か困ったことでもあったの?」


「盗賊退治に来たんだけど、湿地が広いから何処にいるか探って貰おうと思って」


「いいわよ、ちょっと待ってね…えっと、ここから北西に2kmほど行った所の湖の先に8人いるわね。北東にある洞窟には40人くらいの集団がいるわ」


「依頼の盗賊団は北西のとこのだね。北東の盗賊団は…何だろう?40人って結構な大所帯だよね。慎重にいかないとそっちは危ない可能性もあるね」


「そうね、とりあえずひと段落したから、案内と位置把握なら手伝うわ」


「ひと段落っていつも何してるの?気になってたんだけど」


「気にしてくれてたのね。大半が精霊の所で魔力譲渡を受けていたわね。大精霊の魔力は私との親和性が高いからかなりの量吸収できるのよ」


「真面目に動いてたんだね、遊んでるとばっかり」


「私を誰だと思ってるのよ。そんなくだらない事するくらいなら大精霊を探すわよ」


遊んだり、観光しているだけだと思っていたら、大精霊を探していたようだ。最高神だからなのかはわからないが、意外と抜け目がなかった。今度魔力が余った日に多めにあげてお詫びしよう。


「じゃあ、人数の多い方から行こうか」


この際まとめて倒してしまおう。

盗賊ってくらい出し、そこまで強い人もいないだろう…


僕はソフィアの案内で真っ直ぐ盗賊に向かって行く。

案内がなければこの広い湿地を彷徨う羽目になったかと思うと憂鬱である。女神を便利な大賢者様扱いであるが、ここは甘えておこう。


1時間ほど進むと大きな沼が見えてきた。沼を大きく右回りに進んでいくと大きな岩山が見えてきた。岩山には大きな穴が空いており、洞窟のような感じになっている。ここがアジトなのだろう。霧で見えにくいがソフィア曰く洞窟の前に4人の見張りがいるらしい。


こんな時千里眼的な万能なスキルがあれば見えるのだろうが、今回は見えないのでソフィアの指示を聞きながら黄色のボールを投げることにする。


「2人は洞窟の前、ちょうど中心に立っているわね。後の二人は洞窟の穴の左右に出来た小さい櫓のような場所に立って見張っているわ」


穴の大きさは大きく、縦に7m、横に5mほどとの事だ。

普通に投げただけでは恐らくまとめて撃退は難しいだろう。


かと言って威力を強めては気付かれてしまう。


僕は水魔法を使い洞窟の前にだけ雨を降らせた。


「雨が降ってきたぞ、洞窟に戻るぞ」


戻らせるわけがない。僕は黄色のボールをちょうど中間辺りの地面に投げた。


ビリビリビリビリ


「グワァぁ」


「うっ」


濡れた地面から伝わった雷が濡れた鎧を駆け巡る。

少し大きな声が出たのでまずいかと思ったが気付かれずに撃退できたようだ。調整が難しいが心臓を止めるには十分だったようだ。


僕は洞窟の穴の中へ入っていく。

洞窟の中へ入って少しすると左右に分かれる分岐があった。

右の方の分岐には5人ほどの気配が感じられるらしい。

左にはたくさんの気配があるらしいので、盗賊達はそこにいるのだろう。右は捕虜と見張りだろうか?とりあえず僕は盗賊達を退治しにいく事にした。


「左は盗賊だけかな?」


「んーもう少し力が戻れば、鑑定を遠距離でする事くらい出来るんだけど、今の私には無理ね」


「んーじゃあ一気に殲滅はまずいかな」


「ドカーンとしちゃえばいいじゃない」


「女神がそんな事言っていいの?」


「女神がいっちゃダメなんて誰が決めたのよ」


この女神大丈夫なのか…最高神なはずなのだが。

とりあえず、どうやって撃退しようか。

剣でそのまま突撃しても恐らく勝てるが、安全に行きたい。

そういえば、剣で人を殺した事がない。ここらで経験しておくべきか。僕は覚悟を決める。


青いボールを16個出す。

えっ剣で行くんじゃないのかって?念には念を入れての作戦だよ。

敵の動きが鈍ればより有利になるからね。


30人近くいるので念のため魔力を込めて威力を上げておく。


僕は風魔法で一度に16個を浮かせてそのまま盗賊達の宴会場に投げ入れた。沢山の玉を使う時は投げるよりも効率がいいのだ。


「うお、なんだ」


「ぎゃー足が」


「敵襲!!!!か?」


「急に寒く…何事だ、お前ら無事か?」


「さようなら」


「なんだお前」


僕は足が凍って動けなくなっている盗賊達の首を次々とはねていく。

太もも辺りまで凍っているので全く動けないようだ。


首を刎ねてみたが不思議と嫌悪感はない。

かといって、好き好んでやるかと言われるとやりたくはない。

血の吹き出る光景よりも、死ぬ瞬間の人の顔は結構えぐかった。


全員が揃いの布を腕に巻いていたので、迷わずに済んだので楽だった。そして最後の一人となった。


一人だけ立派な装備をしているので恐らくこいつが親玉だろう。

僕は鑑定を使う。


名前はレグドン、盗賊団のボスで間違いないようだ。


「お前は何者だ…帝国の回し者か?裏切ったのか?」


「裏切るとは失礼な、僕達は最初から君達なんかと組む気はなかった。利用させて貰ったのさ、上からの命令でね始末をしにきたのさ」


僕は帝国という言葉から何か聞き出せないかとそれらしく話してみた。


「コグリッチ公爵め…成功の暁には妹を助けてくれると約束したのに…」


「ふーん、コグリッチ公爵ね。元第3騎士団団長って事は何かあると思ったけど。帝国が裏で何か動いているわけね」


「お前は…帝国の回し者じゃないのか?」


「残念、ただの冒険者でした」


「この俺達がただの冒険者に…」


「右の方にいるのは捕虜かな?まあ言わなくても今から行くんだけどね」


「あぁ、第三皇女のセイラ・フェデル・リオ様だ。後はそのお付きの親衛隊だ、コグリッチ公爵に妹を人質にとられてこうするしかなかった。俺に付き合わせたこいつらには悪い事したな…どちらにしてももう俺は帝国に戻る事は出来ない。早く殺せ。こいつらの元へ行かねばならん」


まさか帝国の皇女が捕まっているとは、これはややこしい事になった。帝国の公爵が皇女を捕まえるって…

どういう事だ?謀反を画策しているのか、それとも帝国の意志なのか。何れにしても僕だけでは判断できそうにない。

とりあえずこの人は生かしておいたほうが良さそうだ。

本来は悪い人ではないのだろう。


「ちょっと待ってて、皇女さん達に会ってくるから」


「ちょ、俺を殺さないのか…」


「それはいつでも出来るからね、大人しく待っててよ」


僕は盗賊の頭であるレグドンを置いて右の分岐の奥へ入っていく。

そこには牢屋のようなものがあり、その中に7人の人がいた。

見張りはつけていなかったようだ。


手を縛られているし、檻の中にいるのだから、逃げる事も出来ないし問題なかったのかもしれない。


「誰だっ…」


 僕が近づくと親衛隊だろうと思われる女の子達が一人の女の子を囲むように壁になる。この真ん中にいる子が皇女なのだろう。

レイとは違った可愛さがある。ベージュの髪に綺麗な青い瞳、王族は皆こうなのだろうか。


「僕は冒険者のルイフ。盗賊団はやつけたから警戒しなくていいよ。その子が皇女様か」


「なぜ、それを知っている。お前何者だ」


「さっき盗賊の頭に聞いたんだよ」


「レグドンは死んだの?」


皇女様が話しかけてきた。


「死んでいませんよ。向こうの部屋で捕らえてありますがね、捕まえられてこんな風にされているのに心配ですか?」


「レグドンはこんな事をする人ではないはずなのです。幼少の頃から私の護衛を勤めてくれた方です」


皇女様の護衛の妹を人質にするとは、えぐい事をするものだ。

親衛隊と違って騎士団なら接触もしやすいし、やりやすかったのだろう。


「まあ、僕には関係のない事なので、とりあえず助けますね」


僕は時空魔法で鉄の檻を切った。


「鉄の檻が…切れた」


「あなた様は…勇者様?」


「まさか…あの伝説の」


「ちょっと待ってください。勇者じゃないですから…ただの冒険者だですよ」


「ですが、私と同じくらいの年の子がレグドン率いる兵士達を倒し、鉄の檻を切るなんて」


キリがなさそうなので僕は話を遮りレグドンの元へと向かう。


「とりあえず行きましょうか、皇女様」


王女様と親衛隊の4人を連れて左の部屋に戻る。

部屋に戻ると顔を真っ青にしたレグドンが倒れていた。

下半身まで凍らせた状態で放置していたのだ、血流が滞ってしまったのだろう。


「レグドン…」


「姫様…すみません。私はとんでもない事を」


とりあえず氷を無くし風魔法と火魔法の応用であるウォームで体の温度を正常に戻してあげた。


「何か理由があったのでしょう?」


「いえ、道を誤った私に言い訳など言う権利はありません、姫様お逃げください。明日にはコグリッチ公爵率いる者があなたの身柄を受け取りにくる段取りとなっております」


さて、どうするか…とりあえず王国に帰るしかないが王国に皇女を連れ帰って戦争の理由とかにされたりしないかな?

帝国は軍事国家だ、今回の事をきっかけに攻めてくる可能性もある。

バレなければ問題はないが、これが狙いって事はないよな?


相談するとしたらレイだろうか…こんな事で頼ってしまっていいのだろうか。


「とりあえず、時間もありませんし僕と王国に行きましょうか、レグドンも捕虜として連れていくからね」


「わかった、俺の事はどうなってもいいから姫様の事はなんとか頼む。俺が言えた事ではないのはわかっているが、どうか…」


「ルイフ様私達の事をよろしくお願いします」


「悪いようにはしないので、とりあえず向かいましょうか」


これは完全に学園は欠席だな…まだ始まったばかりなのに休むことになるとは、ミナに色々言われそうだ。


僕達は洞窟を出る、そして兵士達を弔うため、赤いボールを6個ほど洞窟内に残した。


そして沼地を7人で抜けて行く。


ドッカーンッ すごい音が鳴り響く。


「何事です」


「キャッ」


6個もいらなかったようだ。恐らく洞窟が崩れたのだろう。

燃やし方はちょっとあれだが、アンデットになるよりはいいだろう。


「すみません、アンデットにならないように洞窟を破壊する魔道具を設置させて貰いました」


「すまない。恩にきる」


ここからこのペースで王都へ戻ると恐らく2日ほどだろうか。

僕達は順調に王都へ向かって行く。

1日目の野営地は湿地を抜けてから半日ほど歩いた所にある草原の一角にある野営地だ。皇女は流石にこの道のりは辛かったようで途中途中で親衛隊の人がおぶっていた。無理に歩いて旅路が遅くなるよりはその方がいいだろう。


テントは2人用のを持ってきているのだが、7人もいるのでどうしようと考えていると。持ち主なので僕が寝るべきだと言われた。

しかし皇女様を外に寝かせるわけには…と言うと、皇女様が構わないと言い始めた。親衛隊の皆は反対をするが皇女様の言葉により反対は押し切られる事になった。


その一言とは「勇者様が変な事をする訳がありません」

これで皆が納得する意味がわからない。僕は勇者でもなんでもないのだから…つくまでに誤解を解かないと勇者でもないのに勇者扱いは困るのだ。


食事をどうするか僕は考えた。小さな袋しか持ってなかったのでここからいろいろ出たら可笑しいだろう。しかし何も食べないわけにもいかない。


「ちょっとご飯を調達してきますね」


「それなら俺が行く」


「いえ、一様捕虜なので大人しくしておいてください」


「お一人で大丈夫ですか?親衛隊から誰か連れて行って頂いても」


「大丈夫ですよ、少し待っててくださいね」


僕は森に向かう。そして少し奥まで行くとちょうど良い獲物が見つかった。オークだ。見た目はあれだが味は確かだ。外でのBBQこれは絶対美味しい。ただ焼くためのコンロ的なのがない、土魔法は人前で使う気がないので炙る事になりそうだ。


近くにあった太めの枝を多めに確保して戻る事にする。

解体?勿論、亜空間の中で綺麗に出来ました。イメージで魔法は使える、亜空間倉庫を作ってからずっと解体がそのままできないか考えていたのだ、そして練習していてようやく最近出来るようになったのだ。魔力操作と加護のおかげで難しい事以外は本当に早く覚えることが出来る。有難い事だ。


僕はみんなの元へ戻る。お肉は切った状態で近くにあった大きめの葉っぱに包んで袋に入れた。


「戻りました」


「おかえりなさい」


「火をつけておいた、何もしないのもあれだから何か手伝わせてくれ」


レグドンはやっぱりいい人っぽい。

気の使い方が半端じゃない。

火をつけて置いてくれたのですぐに食べることが出来そうだ。

僕はお肉と枝を渡してレグドンと親衛隊の人達に調理を任せる事にした。予め塩を軽く振っておいたので塩味も効いてとても美味しいだろう。


300gほどのステーキだ。

お肉が徐々に焼けていく。


ジュージューと脂が滴りながら焼けていく。

これはたまらない…涎が出そうだ。


焼けたお肉は僕と皇女に先に渡された。


「すみません、頂きます」


「そんなに気を使わなくてもいいですよ」


皇女様は枝についたお肉を食べた事がないのだろう。

少しずつ噛み噛みしている。


僕はお肉に思いっきりかぶりついた。


うまーーーーーーーーい。

口の中で溶けるお肉、そして甘い肉汁。

脂でくどくなるかと思ったが、さっぱりとした甘さでどれだけでも食べれそうだ。僕の食べ方を見て、皇女様もかぶりついた。


「美味しい」


「それなら良かったです」


他のみんなも美味しい美味しいと食べている。

満足して貰えて良かった。


「これはオークの肉…か。これをこの短時間に取ってくるとは本当に子供なのか疑いたくなるな。こんな良い肉を捕虜なのに頂いてしまって申し訳ない」


「どうみてもただの子供ですよ」


「さすが勇者様です」


キラキラした目で勇者様と言われるとなんだか照れる。

誤解を解かないといけないのだが、もう少し…このままでいいかな?


ご飯を食べ終わった僕と皇女様はテントへと入る。

他の人達は外で見張りと分かれて睡眠を取るようだ。


テントの中に入る。だが、何を喋っていいかわからない。

僕は黙って横になっている。二人用なのですぐ横には王女様だ。

少し緊張する。僕は少し様子を伺おうと皇女様の方へ振り向く。

すると、目の前に皇女様の顔があった。


「わっ」


「ふふっ全然喋ってくれないから嫌われてるのかと思いました」


「女の子と寝る機会なんて姉様くらいだったのでちょっと緊張していました」


「助けられた身なので、襲ってもいいのですよ?」


「何を言って…」


「冗談です」


笑顔で言われるとドキッとする。

冗談だとわかっていても、これはずるい。


同じくらいの年齢に見えるけど幾つなのだろう。

女性に年齢は聞いちゃダメって言うけど、女の子はどうなのかな?


「皇女様は、レグドンの理由は聞かれましたか?」


「皇女じゃなくて良いです。セイラ・フェデル・リオです。セイラと呼んでください。自己紹介する余裕もなくてごめんなさい」


「セイラ様ですね。僕もルイフでいいですよ年も近いと思いますし」


「様はいりません。ルイフ君」


「でも、王女様を呼び捨ては…」


「セ・イ・ラ」


プクっと膨らませた顔が可愛い。レイは綺麗可愛いって感じだが、セイラは可愛いって感じが強い。


「わかったよセイラ、これでいいかな?」


「はい、ルイフ君」


僕はレグドンの事を話した。

妹さんの事だ。


「そうですか。ティーナが…」


「知ってるの?」


「はい、ティーナは私と同じ11歳で学園のクラスも一緒でした、将来は私の親衛隊になるって…」


すぐに助けに行くことは難しい。

なんと言葉をかけていいかわからない。


「時間はかかるかも知れないけど、助けれる機会が来たら僕はセイラに協力するよ」


「はい、ルイフ君ありがとう」


悲しそうな笑顔に僕はもっと力を付けないと…そう思った。

国を相手をするには僕は弱すぎる…


その後僕の田舎の町の話をしたり、セイラの事を聞いたりした。

疲れていたのだろう、セイラはいつのまにか寝ていた。


僕も疲れたので寝る事にした。

王都まで後1日だ。これからの事に不安は残るがなんとかなるだろう。



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