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episode:32

番外編として別視点を入れようかと考えたのですが、個人的にいつも読んでいて飛ばし読みしちゃうところなので、ある程度書いてから余裕あれば入れていきたいと思います。




窓から光が差し込む、朝になったようだ。

僕はいつも通り起きようと瞼を開ける。


「なんだこのモフモフした感じは」


手を動かす、ワンコのモフモフを触っているようだ。

とても気持ちがいい。


あれっ…ワンコのモフモフ。まさか。

僕は布団を捲り上げる。


アオとアカだ。なんでここに…


「アオ、アカ起きて」


「んっルイフ様?」


「アオなんでここにいるの?シャルルさんと寝てたんじゃ」


「んー…アカが居ないと思って探しててここにいたからそのまま」


扉が開いた。


「ルイフ様、アオとアカが見当たらな…って二人共なんでルイフ様のとこにいるのよ」


「なんかアカを追ってアオが来たらしいけど。まだアカ寝てるみたいだからわかんないね」


アオがアカを起こす。

理由を聞くと、ぉ兄ちゃんと寝たかった…との事。

なんと可愛いワンコだろうか。いや、狼か…この際それはいいだろう。


「二人共ルイフ様の所に潜ったらダメでしょ」


「なんでぉ兄ちゃんと寝ちゃダメなの?」


「ルイフ様は雇い主なのよ」


「ぉ兄ちゃんはぉ兄ちゃんだよ?」



シャルルさんは諦めた…アカにはまだ理解出来る頭がないようだ。

教育も受けていない5歳児に雇い主がどうのこうの言っても難しいだろう。


二人の事はシャルルさんに任せ、僕はガンツさんと一緒に結果発表を見に行く。一緒に行くとアカが駄々をこねたがシャルルさんに止められ断念していた。


学園へは馬車に乗って行く、外に出ると馬車が既に待っていた。

さすがトマである。馬車に乗り僕達は学園に向かう。


学園に向かうと大勢の人が集まっていた。

勿論こちら側は貴族のみなのだが試験結果を見に受けた者やその家族なども来ているため、貼り出されている掲示板の前にはすぐに行けそうにはない。


「こりゃすぐは無理そうだな、見終わったらとっとと行けばいいのにな」


「時間もあるし、合格は逃げないから大丈夫ですよ」



「はははっ ちげえねえ」


「ルイフ来てたのね」


「やあミナ、もう掲示板見た?人いっぱいで見れなくて」


「まだよー…サーナと待ち合わせしてたのだけど、何処にいるのかしら」


「僕も見てないよー、受かってると良いんだけど」


「私は受かってるわよ」


「えっ見てないのになんでわかるの?」


「私が落ちるわけないでしょ!ララも受かってるわね、サーナは自信なさそうだったけど、なんだかんだあの子は大丈夫よ」


「それよりルイフはどうなのよ、試験官なんかしてたけど、学科は出来たの?」


「ほどほどに出来たから受かってると思うけど」


「お、ルイフ様あそこが空いたぞ、見に行くぞ」


僕の手を引いてガンツさんが引っ張っていく。力強いよ全く。


「ミナも行こうよ、サーナもいるかもだし」


「そうね、それにしてもごつい護衛連れてるわね」


「はははっこれでも副団長なんだよ。強いよ」


掲示板の前に着いた。

試験結果発表…


「えっと…僕は、あれっ ない」


「私はあったわよ。Aクラスの4位ね、ララが2位みたいね、サーナも10位に合ったわAクラスね。1位じゃないのは残念だけど仕方ないわね。ちゃんと探したの?」


「ちゃんと探したんだけど…ない」


「あら残念ね…一緒に通えると思ってたのだけど」


なぜだ…何をミスしたのだろうか。

名前はちゃんと書いた…はずだ。


まさか解答欄を間違えてずれてしまったパターンか?!

いやマークシートではないので間違えるはずが…


学園生活早くも終了…父様と母様に会わす顔がない。


「お前落ちたのかよ。僕はしっかり受かってたけどね」


でた、ドロップだ…また絡んできた。いい加減にして欲しい。

でも言い返す言葉がない…こんな奴が受かってるのに。僕は…


「あ、ルイフ君一緒のクラスだね」


「サーナ、僕名前が…」


「ルイフ君は首席だからあっちに載ってたよ」


なんだと…まさか別の掲示板に載っているとは。

安心して力が抜けてしまった。落ちてたらどうしようかと本気で思ってしまった。


僕はドロップの方を見る。

そそくさと退散していった…本当に小説のモブAみたいな奴だ。


「良かったじゃない、同じクラスのようね、よろしくね」


「うん、ミナ、サーナよろしく。ララは来てないんだね」


「ララとレイは会場には来てないわよ。二人はお城で受けてたみたいね」


さすがに王女様が一緒に試験を受ける事はないようだ。

宰相の娘も一緒に受けるような人じゃないかー。


「また学園が始まったらみんなで会えるね」


「そうね、それにしてもルイフやるわね、首席とは。」


「うん、僕も楽しみだよ。首席とか僕がびっくりだよ」


「初日のスピーチ楽しみにしてるわよ」


「えっスピーチ?何それ」


「ルイフ、あなたね…首席が毎年新入生代表挨拶をするのも知らないの?」


「えええええっ…僕そういうの苦手なんだけど」


聞いていない。というか首席になれるとは思っていなかった。

みんなの前で代表挨拶?そんなの前世でもした事ないし。田舎貴族で町にずっといたので人前でそんなに話すことすらした事ない。

これはまずい…どうしよう。


「そんな気にしなくて良いわよ。適当に挨拶するだけよ、パーティー開いた時の挨拶みたいなもんよ」


「田舎貴族に…パーティーってした事ないからそんなの」


「えっないの…ルイフ頑張るのよ」


「私も応援してるよ、ルイフ君」


「おう、ルイフ、学園長が呼んでるぞちょっと来てくれ」


「あ、タイラさん。学園長ですか?」


「おう、行くぞ」


「ミナ、サーナ僕行かないとみたいだから行くね」


「えぇまた学園で会いましょう」


「またね、ルイフ君」


僕達はタイラさんについて学園長室に行く。


コンコン


「タイラです、学園長」


「入っていいわよ」


「少しぶりかしら?首席おめでとうルイフ君、それにガンツ久々ね」


「ありがとうございます」


「おう、アレイナ久々だな」


「今日呼んだのはね、首席の人が新入生代表挨拶するのは知ってるわよね?その挨拶のタイミングと他の代表が話してきた挨拶文を参考に渡すためよ」


「ありがとうございます。何話そうか…迷っていたんですよ」


「そう、それなら良かったわね」


その後僕は新入生代表の挨拶の事など説明を受けた。

挨拶文を何枚か貰ったので後で読みながら考えよう。


「ありがとうございました」


「それと、Bランクになったと聞いたわ。Cランクに推薦したけど…ここまでとは驚きだわ。タイラがやられるわけね。戦闘教官なんだからしっかりしなさいよ」


「わかってますって…他の生徒には負けないですよ」


「ガンツが教えてるなら強いのもわかるわね」


「いや俺は特には教えてないぞ、主なベースは団長だな」


「剣爽…ね。懐かしいわね」


父様まで知り合いとはどういった関係なんだ。

なんか聞いていいのかわからなかったのでこの場で聞くのはやめて僕達は宿に戻る事にした。既に掲示板の前には人はいなくなっていた。


宿に戻ると既にシャルルさんとアオとアカが前で待っていた。

今日町に戻るのだ。受かっていたので僕は明日から寮に入る。

その翌日には入学式だ。


「シャルルさん二人をよろしくお願いします。トマも宜しくね、これ父様への手紙だからよろしく」


「わかったわよ」


「かしこまりました、お任せください」


「ぉ兄ちゃん…は来ないの?」


「お兄ちゃんはね、学園に通うからここに残るんだよ。でも休みになったら帰るから、アカはトマのいう事をしっかりと聞いて立派なメイドになるんだよ」


「ぅーん、わかった。アカメイドになる」


「アオも頑張ってね」


「うん、ルイフ様本当にありがとうございます」


「じゃあそろそろ出ないと夜までに野営地着けないからお別れだね」


「ガンツさん、シャルルさん護衛ありがとう。町の事宜しく頼むよ」


「おう、任せておけ、次までに俺達も鍛えておくからな」


こうして僕達は別れた。

次に会うのは夏休みかな…それまでは長期の休みがないのだ。


明日から一人暮らしか…日本での暮らしを思い出す。少し寂しい気持ちもあるが、頑張らないとだ。


貴族の寮は個室なのだ。

一般の方は4人で一部屋与えられているらしい。

やっぱりこの世界の貴族は特別扱いだな…


僕は一人宿へ戻る。一人での夕食は寂しいものだった。

明日に備えて眠る。


「ここは…日本の僕の部屋?懐かしいな。あれそういえばなんでここに…まさか戻ってきたのか?夢?なわけないよな。あれ誰か…そこにいるの?」



モヤモヤした何かがそこにいる気がする。魔力の思念体とでも言うのだろうか…見えないが確実に何かが。


「誰?そこにいるんでしょ?」


反応はない…気のせいなのだろうか。

僕は久々に戻った部屋で立ち竦む。


「ごめんね……」


消えそうな声でごめんねと聞こえた。

知らない声だ。


「誰なの…」


その後声は聞こえない、そして僕の体が消えていく。

これは一体…


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