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僕は異世界でカラーボールを投げる  作者: Rea
幼少期編
21/127

episode:21




お城への道を馬車で進む僕達…

他の貴族の方もたくさん到着しているようで、馬車がたくさんある。

豪華な馬車からアリオス家のように最低限の馬車まで様々だ。


向かう途中冒険者ギルドを見かけた。

剣と盾の看板、王都の冒険者ギルドなのでとても広い。

アリオス家のお屋敷より遥かに大きかった。

登録は10歳からだ、学園に入ったらすぐにでも登録しに行こうと心に決めて、過ぎ去るギルドを名残惜しそうに見ている。


「ルイフ、来年になればこれるからそんな顔をするな」


顔に凄い出ていたようだ。


「はい、父様来年僕は登録しに来ます!」


城の城門に到着した。

招待状を渡し、中へ入る。


おぉぉぉぉ…これは凄い。

白い城。白亜の城というのだろうか?青い屋根がアクセントになっており、とても神秘的に見える。


中に入ると、広い…とても広い…上には大きなシャンデリアのようなものがあり、豪華な調度品に、鎧騎士の銅像など、小説の世界でしか聞いた事のない豪華さだ。


赤い絨毯がひいてある、長く広い廊下を通る。ここを抜けるとパーティー会場だ。


「これはこれは、アリオス男爵。今日は来ないかと思いましたが来たんですね。田舎貴族は遠いので大変でしょう」


なんだこいつ…

いかにもめんどくさそうな顔をしている。

よくある成り上がり貴族を弄りに来たのだろう。


「これは、ニトロ男爵。普段は成り上がりゆえ遠慮していますが、王女様のお披露目とあっては遠くてもお祝いに来たいと思うものでしょう?」


ニトロ男爵とかいかにも物騒な名前だ…

国のニトロにならないといいが…ちょっと上手く言ってみた。

変なフラグが立つと困るのでここらにしておこう。


「そうですな、まあ、田舎貴族にはたまにしか食べれないものも多いだろう、たくさん食べていくといいだろう」


男爵と言うと父様と同じ位ではないか、なんでこんな偉そうなんだ。


「父様、こいつ誰だ?」


「これこれこいつなんて言ったら失礼だろう。田舎貴族であっても貴族の息子さんだ。お前のように優秀ではないだろうが、下に置くには十分だろう」


ちょっとムカついた。


「父様、この人何か言ってますよ。こんな人を挑発しか出来ない人達が優秀なわけないですよね。笑える冗談です。冗談に返す言葉がわからないのですが、どう返したらいいのでしょう」


「はははっ ルイフ、そう言うな。これも貴族の会話の一つだ」


「おい、お前、失礼だぞ。ドロップ様に向かって優秀じゃないだと?」


「アリオス男爵、とても失礼な会話に聞こえますが、もしかして喧嘩を売っているのですかな?」


「いえいえ、子供は嘘が苦手ですからね。そう思われないよう大人は努めないとですな」


意外と父様はやるようだ。

家での父様を見ていると、何も言わない人かと思っていた。


凄い剣幕で睨んで来ている。

こんなモブみたいなやつ本当にいるんだな。


「喧嘩か?ニトロ男爵よ」


「こ、これはアイラス伯爵。喧嘩などとそのような物騒な事はありません。ただあまりパーティーに来られないアリオス男爵と会話をしていただけでございます」


「そうか、なら良い。マルコ一緒に参るぞ」


「はい、アリオス伯爵」


おーさすがダンディー伯爵。

助けてくれたようだ。カッコイイ。


「アリオス伯爵ありがとうございます」


「ミナの友達を守るのも私の務めだからな。はっはっは」


そのまま伯爵と共に会場に入る。ミナはいないようだ。

会場に入ると煌びやかなドレスを着た人や、いかにも貴族という感じの豪華な衣装を纏った人たちが会話をしている。


周りには美味しそうなものが沢山ある。

早く食べたいが、ここで食事に走ったら田舎貴族だからと父様が馬鹿にされるかもしれない。それは避けたい。


「ルイフ、ちょっと挨拶回りをしてくるからここら辺で待っててくれ」


えっ 父様行っちゃうの。

置いてかれてしまった。どうしよう。


周囲を見渡していると、知った顔と目が合った。

ミナが手を振っている。辺りを見渡してみるが僕しかいない。

どうやら僕で合ってるようなので手を振り返す。

するとミナがこっちにおいでと手招きをしている。


さてどうしたものか…

ガールズトークに参加する勇気はないのだが。

はぁ…行くしかないようだ。


「ルイフさっきぶりね」


「そうだね、ミナ」


「ミナ紹介してよ、誰その可愛い子」


「アリオス男爵のとこのルイフよ」


「ルイフ・アリオスです。よろしくお願いします」


「私はララ・フェニアスです。よろしくお願いしますね」


「アルテナ・サーナスです。お願いしまふ」


「ミラとサーナは私の幼馴染なのよ。宰相と子爵の娘だけど敬語は不要よ」


「わかったよ。ララとサーナもよろしくね、僕の事もルイフと呼んでほしい」


新しい友達が出来た。

その後もガールズトークになんとかついて行こうとするが、

相槌を打つのがやっとだった。


「これはこれは、公爵令嬢に伯爵令嬢、子爵令嬢、いつもお綺麗でいらっしゃる。しかしなぜ、田舎貴族がここにいるのでしょうか?」


ドロップ・ニトロだ。まためんどくさいのが来た。

爆弾でも拾っとけって感じだ。


「うるさいわね、あんたはお呼びでないのよ。私達の友達に文句でもあるの?」


言い返そうと考えていたら、先に庇って貰ってしまった。

男として面目ない。


「いえ、そんな訳じゃ…挨拶に来ただけなので僕は失礼します」


そそくさと去って行った。


「全く毎年嫌になるわね、ニトロ男爵といいあの一家は本当にめんどくさいのよね。イイ噂は全く聞かないわ」


みんな同じ事を思っているようだ。


なんだろう、みんなの歓声が聞こえた。

どうやら、王女様の登場のようだ。

んっ どうやらこっちに向かって来ているようだ。

宰相の娘や伯爵の娘といるのだから、当たり前か…

全くどうしてこうなった。


「ララ、ミナ、サーナ今日は来てくれてありがとう、嬉しいわ。楽しんでいってね。そちらの殿方はどなた…かしら」


レイナード・ルーンステラ第二王女だ。

あらかじめ名前だけは聞いておいて良かった。


銀色の髪に金色の瞳、なんだこの整った顔…

僕は唖然として何も言えなくなった。


「私達の友達のルイフよ、アリオス男爵の息子ね。レイに見とれて固まっているようだけど…全くルイフ挨拶をして」


はっ 転生したはずなのに女神が見えた。

また死んだのだろうか…っと冗談を言ってる場合ではない。


「失礼しました。レイナード様、アリオス家が3男ルイフと申します。女神が現れたかと思い、思わず見惚れてしまいました」


「あらあら、冗談がお上手ね、私とも友達になりましょう。公の場ではない所ではレイでいいわよ」


「ちょっとルイフ…私達にはそんなセリフなかったじゃない」


「いや、ミナも、ララもサーナも凄く可愛いよ?こんな可愛い子達初めて会ったし」


「ふぁっ そんな可愛いって急に…」


3人共照れているようだ。正直に言っただけなんだけどな…

日本にこんな可愛い子がいたら、間違いなく人気独占だろう。


「ふふふっ ではまた後で話しましょ、今は失礼するわね」


リアル女神がいるとは、異世界とは凄いものだ。

田舎貴族にはあまり関係はなさそうだけどね。僕冒険者になるし。

もう会う事もないかもしれない。少し残念ではある。


王女様のお披露目は順調に行われた。


公爵当主である、ガラディウス・アスターから始まり、

侯爵家当主のルカナ・モンスール、伯爵家当主のベーンさん、子爵家当主のピンゴ・アルテナなど有力な貴族から先に挨拶をしていく。


僕は男爵家なので最後の方だ。


ミナや、ララ、サーナも先に挨拶を終えて戻って来て話しているようだ。僕は父様がお迎えに来たので、入り口付近で父様と順番を並んでいる。僕達の前にいるのはあの、ニトロ男爵だ…

たまに嫌な視線を送ってくるが、流石にここでは何も言ってこない。

息子のドロップのうっとーしい視線は無視だ。


僕達の番がやって来た、みんな高級そうなプレゼントを渡していたが…父様は大丈夫だろうか?うちに高級なものなど買うお金はないはずだ。


「レイナード王女、マルコ・アリオスとその息子ルイフでございます。この度は、10歳のお誕生日おめでとうございます。ささやかな物ですが、これから寒くなるゆえ、作らせて頂きましたのでお受け取りください」


父様が包みに包まれた何かを渡している。

レイがそれを受け取り開けていく。


これは、マントだろうか?

綺麗な白いマントだ。モコモコしていて暖かそうだ。

こんなものを買うお金どこにあったのだろうか。


「これはフォレストボアの最も柔らかいとされるお腹の毛皮を用いて作ったマントです。寒い時期にレイナード王女が風邪を引かないよう最も暖かいと思うものを作らせて頂きました。お納めください」


フォレストボアってあれだよね?

あんなモコモコのマントが作れるんだろうか。

異世界は不思議である。


「ありがとうございます。そろそろ寒くなるので着させて頂きますわ。ルイフもありがとう」


あの笑顔は反則だ。魅了のスキルでも持っているんじゃないかと思う。僕はまた固まりそうになってしまった。


「あ、いえ、おめでとうございます」


「ふふふっ」


笑っているところが可愛い。

まだ10歳の子なのだが妙な色気があるためか、ロリコンではないはずなのに、ドキっとしてしまう。これは僕の9歳という年齢に精神が引っぱられているのだろうか。来たばかりの時にはそんな事もなかったはずなのだが。ララやミナ、サーナもとても魅力的だと思ってしまったのだ。


「では、失礼致します」


レイと握手を交わし父様と立ち去る。


ミナ達が手を振っている。


「もう友達が出来たようだな、私はまだ用事もある、行って来いルイフ」


「はい、父様」


僕はミナ達の元へ手を振り返し、向かった。


「ふぅー緊張したよ」


「ルイフったらまた固まりそうだったもんね」


「そうそう、笑っちゃいそうになった」


みんなが弄ってくる…が否定できない。


「僕お腹空いちゃったから、何か取ってくる」


「私も行く」


サーナも来るようだ。

パーティーの食事には見たことのない食材がたくさん使われていた。

野菜、お肉、魚、どれも美味しい。

だが、前世の時に食べていたものに比べるとちょっと物足りない。

コンビニ弁当のが美味しいと言うのは失礼だろうか。


僕は満足してお腹いっぱいになった。

そろそろ戻ろうかと思ったが、サーナがまだ食べていた。

美味しそうに食べてるのを眺めているが、全然食べ終わらない。

大食い…だったのか、可愛らしい見た目からは想像つかない。

体型も細めに見える。前世の大食いの動画に出て来る人もそういえば細い人多かったなー。どこに入っているのか不思議なやつだ。


その後ミナ、ララ、サーナにレイを加えて雑談をしてお開きとなった。次に会うのは学園だ。レイがいた事で緊張して何を話したかよく覚えていないのだが。



父様のお迎えが来て僕は宿に戻る。

疲れたためかすぐに眠ってしまった。




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