episode:10
まずは、これからやるべき事を考えなければならない。投球練習は欠かせない。緑のボールならぶつけても問題ないし、森にいかなくてもできるだろう。
ある程度当てれるようになったら次は森の魔物を倒しに行く。
その他にもやりたい事はたくさんだ。
この町では、井戸から水を汲むのはとても重労働だ。屋敷では執事のトマとメイドのミラの二人がやるから問題はないが。
ポンプ式で汲みあげられる仕組みを作れば町のみんなも楽になるはずだ。
まずは、家の裏にある井戸で試してみよう。
しかし、どうやって説明をするか。
こんな小さな子供がそんな事をやり出したらとても怪しい。神童という事で通るだろうか?
やはりもう少し待つべきだろう、学園に行く前の年くらいにポンプ式を作って学園に行ってうやむやにしよう。
そうと決まれば明日からの練習だ、何か効率の良い方法はないかと考える。
しかし、浮かばない。とりあえず集中力が続くのが1時間だろうか、あまり長く投げ過ぎても適当になり意味はないだろう。
それ以外は剣術の修行と学園に行った時に勉強をしなくても済むようにそれなりの知識を覚えておこう。
夕飯になり、ミラに呼ばれたので
ダイニングへ移動する。
「ルイフ聞いたぞ!俺の仕事の事を知りたいらしいな。今度ついてくるか?」
口は災いの元、まさにその通りだ。
しかし、これは都合が良いかも知れない。
町の事を知っておいて損はないだろう。
「父様ありがとうございます。ついていきたいです」
「今はバタバタしていて忙しい、少し落ち着いたら一緒に行こう」
「良かったわね、ルイフ」
「はい、母様が話してくれたのですか?ありがとうございます」
「ええ、私とライドが話したのよ。ルイフは賢いものね。早いうちから色々知っといた方がいいと思ったのよ」
こんな感じで楽しい夕飯は終わった。
そして最近意識している事がもう一つある。
それは鑑定だ。色々な人に試したがやはり名前と種族名くらいでそれ以外は何も見えない。レベルが上がれば見える項目が広がるのではないかと目星をつけ、レベルを上げる事にした。知らないものはなるべく鑑定を使う事にしている。
そんな努力もあり、鑑定はレベル2になっていた。その努力もあり父様のレベルがわかった。レベル52だ。これが高いのか低いのかわからないがレベルの上がらない人からしてみるとかなり高いのではないのだろうか?
これは早く鑑定を上げるしかない。
部屋に戻った僕はまだ試していない緑色のボールの効果をなんとか知る事が出来ないか考えていた。
自分に傷を負わせるのは怖いので却下だ。
となると、動物だろうか。
しかし、都合よく怪我をしている動物なんているのだろうか。
コンコン
「ルイフ様、お湯とタオルをお持ちしました」
この世界でお風呂に入るのは貴族の中でもお金を持っている上級貴族くらいだ。
基本はお湯にタオルをつけ体を拭く事で綺麗にする。あまりさっぱりしない。日本のお風呂が恋しいが今は改善する手立てがないので我慢する。
ベッドに横になってこれからの事を考えていると、いつのまにか眠っていた。