其の男の生き様は
男は歩く。ただ己の道を突き進む為。
ただ己という存在の意義を見つける為に。
この道を歩み出しては幾星霜。
何年この道だけを進んできたか分からない。
何度道を見失いかけたか分からない。
だがこの道を歩むことこそ我が本懐。
至上の極みだと信じているからだ。
この男は歩みを止めようとしなかった。
何度も挫折や苦難に立ちはだかれ、何度も打ちひしがれ悲しみに暮れた。
しかしそれでも男は止まらなかった。止まれなかった。
止まることこそ己にとって毒だと、己が生きるという事に対して、己の信じる道にとってそれは侮辱だと、そう男は知っていたからだ。