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episode88 嘆きの渓谷

 融合石ジェミナイズ・ストーンも手に入れ、僕たちは嘆きの渓谷へと急いだ。

 その最中、また敵襲があった。現れたのは凶虫ブルータルの一隊。種類を言えば蟻、蜘蛛、螳螂の陸上兵力。僕は抜刀とともにソードビームを放ち、まず左から来た蟻と蜘蛛を斬る。

「うおらぁっ!はぁっ!」

便乗してバーロンは寄ってきた蟻を二連の攻撃で倒し、

「そのまま進め!正面は俺が切り開く!」

と、フレイアは聖なる拳で正面の蟻と蜘蛛を吹っ飛ばした。それを見てマリアは

「わかったわ。じゃあ、飛ばすわよ!」

と急に速度を上げる。おそらく、だが振り切ってしまう、ということだろう。

 と、後ろから螳螂が飛びかかる。僕はそれを感じて振り向き、剣で防御の構えに入る。

キィィィッッッン!

すると、鎌と剣が交わり金属音が響く。

「くっ。」

加わってくる力が大きすぎる。だが、それでも僕は振り払いさらにその鎌を裂く。続けて、

「ニコラスっ!」

と叫ぶ。それに応え、彼は

「はい!」

と返事をし、僕の肩に銃を乗せて撃つ。

ズドドドドド...!

という音とともに奴は撃ち抜かれた。


 そうして、僕たちは奴らを何とか振り切り、数時間で嘆きの渓谷に辿り着いた。その途中、ウォルト様の屋敷があるホーネル地区を通過したが、巨人らは徘徊しているしかなり酷い有り様であった。

 その様子を思い出しながら僕たちは車を降りる。凄まじいほどの魔力を渓谷の外から感じる。見つけるのには少し時間が掛かったがその中で若干濃いものが筋となっていた。

「見つけたぞ、『分霊の書』から漏れ出る魔力だ。」

僕が言うと、その魔力を探している間に車を超小型収納箱スモール・キューブを戻していたマリアが

「じゃあ、ここで間違いはなさそうね。」

と肩をポンと叩いてくる。

 「ところで、どうやって底に行くの?」

それを他所にテーラが本題に入った。次いで、バーロンは

「お前の『モーメント』は落ちたときの衝撃は消せないんだろう、リドナー?」

と聞いてくる。そう、「モーメント」はあくまでも高速移動の魔術であって瞬間移動ではない。故に底に向けて使えば高速で岩にぶつかって確実に死ぬこととなる。

 「マリア、『シャイニング・ビルド』は?」

と僕が聞けば、マリアは

「無理よ、5人も人が乗れば壊れてしまうわ。かといって、1人ずつで行っても魔力が足りなくなって終りよ。」

と答える。

「フレイア、君の聖なる拳で衝撃を消すってのは?」

「それをするとなると俺が4人を抱えたままで落ちることになる。俺の拳だけではその重みを消しきれないかもしれん。」

次にフレイアに聞くも、そちらも駄目である。少しでもリスクがあるなら他の方法を探すべきだろう。

 「ならさて、どうするか...。」

バーロンは言い、皆が唸る。どうすれば安全に谷のそこは行けるのか僕たちは必死に考えるのであった。

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