Episode84 神宿しVS神宿し(前編)
ギィィィッッッン!
互いに一瞬硬直する程の衝撃と耳をつんざく程の金属音。共に僕もシルバさんも退く。かと思えば、また前へ。
ギィィィッッッン!ギンッ!ガギンッ!
幾度も火花が散り、剣と剣は十字に交わる。
「中々、良い打ちだリドナー。だが...!」
そう言って、シルバさんは剣を横に振りかぶる。すると、剣の交わりは解かれ、その勢いに怯んでしまう。そこへシルバさんの突き。
「魔力解放!」
「っ...!?」
それを見て僕はそちらへ手を翳し、魔力波でシルバさんの動きを止める。そのお陰で反作用が生じ距離も少し空く。そこへ、今度は僕の突き。
キィィィッッッン!
シルバさんはその突きを防御の構えで防ぎ、そのまま押し込んでくる。僕は後方回転しその際にシルバさんの剣の腹を蹴って空中へ。そこから、ソードビームを幾つも放ち、次に杖を取り出して
「シャイニングブレードっ!」
と唱えて、全方向から彼を狙う。
「フンッ!」
が、それで一撃を食らう訳もない。
シュシュシュシュンッ!バリバリバリンッ!
剣筋が彼を囲い、全ての光の刃を割る。
そこで、僕は着地しまた激突する。
ガキィィィッッッン!
「やあっ!」
僕は叫んで剣を大きく振り、相手を怯ませる。そこへ僕はさらに攻める。
シュシュシュシュンッ!シュシュンッ!
高速で突いては突き、突いては突く。
「くっ!」
歯軋りをするシルバさんは距離を取りたかったものの、その場でかわすしかあるまい。
シルバさんは顔を動かすことで全てかわし、疲れで僕の攻めが甘くなってきたところで、突きを剣で跳ね返し、さらに後方回転しつつ剣を振り回してきた。僕は後ろへ飛び、空中でまたソードビームを放つ。
「おらぁっ!」
それを見てシルバさんもソードビームを放つ。その大きさは圧倒的に僕のものを超え、たった1つで全て壊し、最後に相殺されて消えた。
そこへ、また僕は斬り出す。
ギィィィッッッン!
と激突する。
「うおらぁぁぁっっっ!」
それをシルバさんは思いっきり剣を上に払うことで跳ね返し、しかも僕を上空へ飛ばす。
「フロートっ!」
そこで、僕は浮遊魔法を唱え、
ギキィィィッッッン!
続くシルバさんのを防ぐ。
「ウォラートゥス!」
と、そこで彼も浮遊魔法らしきものを詠唱した。さらに、交わってる剣をはたまた力業で解かれ、はたまた吹っ飛ばされる。
僕は空中で踏ん張り、途中で止まって体制を建て直す。そして、両者が睨み合い剣を互いに構え直す。
「やはり、神宿しを持つ者と剣を交えるのは興じさせるなぁ。」
「それは、どうも。」
シルバさんの言葉に僕はそう返す。
そして、神宿しと神宿しによる空中戦闘は始まった。