Episode81 完全なる神宿し
ヤツらとの戦闘、その後。魔力も体力も大幅に減ったし、テーラが気絶したままだしで、僕たちはしばらく休憩することとする。
その際、僕は力のさらなる上達に取り組んだ。
末、いつもより多くの問題を解決し、勘やら剣術やらをインプットする。そこで、ヘーミテオスは言ってきた。
「今日も良き鍛練であったな、リドナーよ。」
「ありがとうございます。」
僕が言うと、今度は違う言葉を返してくる。
「良いだろう、お前にやる我が力を抑えてはきたが、ここまで鍛えられたのならば問題ないだろう。神宿しの力、その全て。お前に授けよう。」
やったー、ついに完全な神宿しの力を手に入れたぞっ! そんな言葉が返ってきて、僕はとえも嬉しく感じた。でも、そんな喜びを全部出してしまうのは、思いっきりよっしゃ!だとか言うのは何だか後ろめたい。僕は
「そうですか、嬉しいです。そして、ありがとうございます。」
と若干の嬉しさを出しつつも、出しすぎず、お礼も怠らない。特に最後のは大事で、バーロンに剣術を教えられていた頃も、はたまた今は亡き両親からも小さい頃から教えられていた。だから、感謝の言葉には一番心を込めた。
そして、精神統一がため閉じていた目を開ける。
「アレス、神宿しの力を試したい。付き合ってくれるか?」
僕がロンギヌスの精に言うと、彼は剣を震わせて答えた。
「どこいくの、リドナー。」
マリアに聞かれたので俺は、
「今、力を完全に習得したんだ。どんなものか試してくる。さらに膨らんだ魔力の制御にも慣れないとダメだしな。」
と返す。対して、彼女は
「そう、本当に飛んでもないわよね。」
と言ったのみ。
その先で、まず一斬り。剣に魔力を流し少し木に触れただけで一気にそこで倒れる。さらに、今度は魔法の詠唱。
「クロスカリバーーー!」
と叫ぶ。すると、十字の聖剣が上から降り、続いて轟き、神々しく輝く。周辺の木々は次々倒れる。
「シャイニングボール!」
次に放ったのは光球の連続射出。
「シャイニングブレード!」
続いて、光の刃。
それからも光の針やら光の雨やらはたまた光の爆発やら。その度、地面を轟きマリアが
「なんなのっ!?」
と驚愕する。
僕はそれも気に止めず何度も魔法を放ち、膨らんだ魔力もある程度制御出来るようになる。
「シャイニングボール!」
例えば、光球の連続射出。そこに細かく制御を入れて威力を強めたり弱めたり。
と、かくして僕は完全なる神宿しとなったのであった。