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Episode69 木偶との対戦(後編)

 まず攻撃に掛かるのはバーロン。彼は他の4人が敵と対峙しているのを他所に木偶の両足を斬り落とし、さらに両手を斬り落としさらに上から飛び乗り、核を貫き通す。

 その内に僕は飛び上がり、核を覆う幹を何度も斬り刻みそこを外す。そうやって剥き出しとなった核に俺は剣を突き出し、そこを潰す。

 「とぉっ!」

そして、倒れる敵を足で蹴ってバーロン横の木偶に剣を奮う。まず、空中で回転して幹を裂き、そこへ剣を突き刺す。核が破壊されれば剣を離す。それと同時に、杖を後ろに向けて、

「シャインニングインパクト!」

唱えて光の爆発を起こし、幹を破壊。と、そこへテーラがナイフを投げて、倒れた後で鞘に収める。

 ズドドドドド...!

向こうではニコラスの放つ銃弾が核の辺りへ集中的に進み、幹に亀裂を走らせ破壊し、核にも亀裂を走らせ破壊する。その横ではフレイアが聖なる光を帯びた拳と足で交戦する。

 「シャイニングスルー!」

その一方でマリアは輝く針を現界し木偶の動きを封じ、さらには、

「シャイニングブレード!」

と唱えて、光の刃を超速で上から下へ、右から左へ、さらには斜め上から斜め下へと幹を裂いてゆき核が見えれば、

「エレキスピア!」

とそこへ大量の紫電の矢を放ち、やがて核は貫かれる。

 見る僕はその奮闘に負けず、剣を振り回して幹を破壊しては、突きで核を貫く。バーロンは目の前敵と対峙している。そのスキに木偶1体がその上にのし掛かろうとする。僕が纏わせた神の防御は圧力までは殺してくれない。

「不味い!」

そう叫んだ僕は目の前の敵を倒すのを中断し、そこへ突っ込む。さらに、渾身の力を込めて剣を振り落とし、一発でソイツを消す。

 そんな戦闘も長く続き、皆の魔力が減少していく。そこでふと遠くを見ればそこには輝く銃口。神宿しゴッドどうぇらーの恩恵なのかは分からないが、その銃口は木偶が有し、テーラを狙っているのがわかる。しかも、そこで不運なことが、いや不運では済まされないことが起こった。

 なんと、僕が施した神の防御が切れたのだ。くっ!こんな時に切れるなんて!歯噛みをする僕は高速でテーラに飛び出し、皆の近くへ。その都度、「ゴッドアーマー」を掛け直し次はテーラの元へ。だが、そこで銃が離れた。僕は意識を集中させ見る世界をスローモーションへとし、突っ込みつつ

「シャイニングブレード!」

と光の刃を撃ち出すが、取り乱しているせいで全て外れる。剣も自分ももう間に合わない。だが、時間はごくわずかにある。

 「ならば...!」

そこで僕は思い付いた。片手のロンギヌス。それを複製して彼女の後ろを覆ってやろうと。切っ掛けは状況のよく似たあの日のことであった。僕たちがまだ魔神アークを相手にしていた頃のこと。クリスとの二度目の戦いで彼が「パラレル」を使って剣の盾を生み出していたのだ。

 そこからインスピレーションされた僕は

「パラレル!」

と久方ぶりにそれを詠唱し、たくさんのロンギヌスを彼女の後ろへ。そのお陰で彼女は助かり彼女に寄って「ゴッドアーマー」を掛けてやる。それからしばらくして次が来れば剣を槍のように思いっきり投擲し、遠くの敵へと向ける。

 投げられたロンギヌスは赤い光線と化し、向かってくる銃弾が4つに裂く。その勢いのまま、ソイツに襲い掛かり、核ごと胸の辺りを貫く。その後、ロンギヌスに向けて戻ってくるように思念を送ると、これもまた一瞬で戻ってくる。

 と、そこで気持ち悪さが込み上げてくる。魔力の大量消費の影響であろう。いくら半神を宿すとは言え、人間の域は超越できないのである。このまま戦えば魔力が尽きて終わる!そう判断した僕は皆を一ヶ所に集め、

「プロテクト!ロングリーチ!」

と唱えて、彼らを障壁で覆う。

 敵は構わず銃弾を放ってくるが全て跳ね返す。先程よりさらにしんどくなったが魔力はまだ半人魔術師並みにはある。しかも、僕は少量の魔力をロンギヌスに貯蓄していた。そこから得たわずかなのものも元々のものも、その魔力を全て使い、僕は唱える。強大な攻撃魔法の名を。

 「ニュークドシャイニングインパクト!」

と。すると、敵は光の大爆発と共に全て弾け飛び、目の前の洞窟もある一体が崩れ落ちる。爆発は僕らの障壁の真上で起こしたため、ここを中心に円が出来ている。「ニュークドシャイニングインパクト」。それは「シャイニングインパクト」の最上級。僕が本気を出せば島を一瞬にして葬り去るほどの威力を持った大魔術。通常数十人が集まって初めて成功するその攻撃を最後に残し、僕は魔力切れで地面に倒れ伏した。

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